雪残る比良山風に釣る海人の袖とともにもかへる雁がね
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極楽より一筋垂れる蜘蛛の糸引きちぎるのが僕にはお似合い
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帰りゆく雁ぞ鳴くなる春霞立田の山の曙の空
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梅ケ香に匂へる春の夜の闇はうつつも夢も分かれざりけり
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帰る雁声は雲居に高砂の尾上の松も霞む有明
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ベランダの 紫陽花新芽 嬉し春 やって良かった 還暦引っ越し
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べつに死にたいわけじゃないそばにいてくれるのが死だっただけのこと
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弓張の月のいるさの山の端にこしぢをさしてかへる雁がね
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風誘い春の近きを感じつつ戻りし寒さ堪える小猫が
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黒兎 愛し愛され 花開き 星おいかける 夢はあと求む
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余りにもわかりやすい価値だけがこの右手には握られている
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Virtual実質上のとはなんなのかと思いつつ今日も推しに5000円を投げる
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枕から離れてくれぬ脳細胞 死ぬまで共に過ごす障害
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SixTONES読めなかったよSnowMan見分けがつかぬ 十八の春
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静脈をこつこつ叩く足音を待ちわびている冬の踊り場
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いかにして尋ね折らまし梅の花四方に匂へる春の夜の闇
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婆ちゃんは夜逃げの邪魔だ置いてこう売り飛ばされる心配ないし
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美しく今年も桜は咲くでしょう生まれた街を僕が去っても
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公園のベンチにいるが足もとにまだ蟻どもの姿が見えない
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ちらちらと陽炎が立つ 三十女が下りてくる坂
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田坂広志の「死は存在しない」新しい教えの様に量子力学
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明くるひも 結ぶ詩文に 繋がれて あいひかれあい 切れることなし
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旅の果て たましいふたつ ゆき逢はむ 嘉内に宛てた 歌のかずかず
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分岐して右に進めば沃野なり足踏み降ろす踵が沈む
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人生の解答求む貴方にも雑な僕にも春はくるらし
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野を下り月夜に吠える獣は仲間の匂いを嗅ぎつけるだろう
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短くも 長くもいつか 訪れる 別れと終わり 靴ひも結ぶ
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たがさとに鳴きわたるらむ わがさとは桃の花咲く春の夜の夢
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昼下がり 紋白蝶に 化けた塵 塵とて空に 舞い上がりたい
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母からの 便りが届く 出で立つ前 心配よそに なごり雪かな
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