冬の樹の枝に膨らみだす花芽 プログラムされているということ
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あなたへの「おはよう」の言い方考える時間は少し春に似ている
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起き抜けのうす暗いなか白湯を飲む幕明けまでの時間稼ぎに
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僕は不要、いや、そうじゃない、でも……そんなことばかり繰り返している
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遥か先の町を想ってひとり旅 あなたを待てる蛹でありたい
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オススメの 曲があいみょんっていうのはさ、そういうことでいいのかな?
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別れとは 忘れていたことを思い出す 桜が咲く前のsee you again
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数学のテストのゼロは見ないふり 横断歩道では手をあげること
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背を丸め鼻から垂れているものを啜り真冬の熱燗を抱く
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窓を開け空を見る朝気持ちいい「君は変わったね」と言われたくない
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全部嘘 春にも犬にもあなたにも 愛されてみたかっただけだよ
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思い出す 琵琶湖のほとり 光る山 叶うのならば もう一度だけ
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何処より生まれ出づるか細雪
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「会いたい」と その四文字を待ちぼうけ スマホはいつかエネルギー切れ
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あの夜の幸福詰めたジップロック死にたい朝の光に透かす
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如月の朝が来たんだ飛行機を塗り替えられるほどの白さで
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くちびると苺の区別つかぬよな君とはぐれるなら冬がいい
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木の椅子に夕陽が溢れ制服の下に隠したナイフを照らす
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「人類は滅んでほしいがあなたには生きててほしい」とか、人は言う
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君に触る男の手が今すぐ消し飛んでしまえ あ、ひねった足
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あるがまま 信じて着飾り嘘をつく 君が透明、いつの間にか春
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どん兵衛の時間測る時 siriを使うと 俺は本当にトニースターク
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話し合い する気がないね 最初から ママの基準が この世の全てか
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ホテルの自動販売機で光るビール 大人になれない蛹がここに
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お互いに話したことはないけれど居ないとなぜか心配になる
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佃煮はあんまり好きじゃないけれど その荒れた手が酷く赤くて
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寒波来て猪鍋(ししなべ)すする山伏(やまぶし)の手のすくいよう日本画で見む
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四十路前 頭の中にあるものは 美味しいものと ママの言い付け
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そこは天国ヘヴンいつか行こうと笑う君ブルーハワイは甘さを残して
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海底に籠っていてもかまわないしんかい2000で逢いにいくから
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