母に刃物突きつけ捕まった少女よ 私が君だったかも知れぬ
3
日が暮れて 箒掃く音 境内の  銀杏の香り 微かに見えて
0
野良という余地が減りゆく街である良いとか悪いとかは別にして
1
どん底も眠れぬ夜も生き抜いたあなたの轍に咲く花を摘む
13
猫ならば生きてるだけで愛される 神様来世は猫がいいです
3
大切なものも会いたい人もなく 飛べない鳥は羊を数える
3
幸せは基準がないから残酷だ 人と比べてまた傷ついて
3
ふくよかな野良猫のびる陽だまりに春を見紛う 欠伸がうつる
4
如月とピアノの上に青が降る 夜で逢えたら昔話を
2
そらをみて私をみてよねえねえねえ生い茂る音あの夏の花火
1
鳴りやまぬ私の恋よどこまでもとどけとどけと星空にダイブ
1
夏物のワンピースがまだ着れることを知る 明日も冬未満の日
1
君の返事を待つ午前零時 温いココアに溶かす角砂糖
3
カツサンド弁当箱に詰め込んだ 今日こそ君に話しかけるの
4
どこまでも白くて細い首にたくさんの麗しい愛のしるし
0
貴方のためなら死ねる 貴方の家の前に埋まっている人魚
1
ベンティサイズのダブル抹茶ティーラテに鬱憤を溶かす午後
0
君のその優しさで胸が痛むのでぼくはどうやら傷ついている
2
遊園地その賑わいのゼンマイを巻くようまわる回転木馬
4
舞う蝶とおだやかに戯れるようイチョウ並木を老犬とゆく
4
「しにたい」を否定できない人の目に映る景色をやさしさと呼ぶ
6
冬までに星になるのと笑う君 とめたい僕は偽善者ですか
2
誰よりも僕の味方でいてくれた君への花だ、文字列すべて。
5
逝かないで その五文字さえ声に出ず 供えてほしい花の名を聞く
6
彼もまたまだ知らなくて恋心 幼馴染は母の友の子
0
また一つ短歌を作ってしまったし使える言葉が削られていく
1
あなたが そばに居ても 居なくても 想いは同じ 心のはかり
3
ミサイルを飛ばす話か実は俺『北の国から』見てないんだが
2
海底で指せども指せども光遠く 駒音だけが確かな標
0
赤々と燃え立つものも定位置に配して庭は常につめたい
0