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度重ね募る想いを閉じ込めた箱を見つめて過ぎる年月
2
なまりなき鶯谷の夜歩きは生者と死者の
閨
(
ねや
)
が隣す
2
生
(
なま
)
成りの詠み手となりてはや
四月
(
よつき
)
歌の悪魔に絆されている
6
新嘗も
Samhain
(
サウィン
)
も我ら手の内とカボチャ頭の魔とほくそ笑む
1
そこにある理不尽をグッと掴むには「違和感」という感性次第
3
恋なのか愛なのかすら分からずに君を想って早くも三年
2
『思弁的実在論と現代について』を読む
夜
(
よ
)
、真っ黒な窓
1
記憶とふ時間をこぼしてゆく人に肩もみをして記憶を贈る
1
思い出をぽろぽろどこかに無くしても帽子の翳の目のほほ笑みぬ
1
雨の音に包まれてゆく季であれば透きとほる歌うたはせたまへ
1
影だけはきっと優しい照明を消すから私をすっぽり抱いて
1
感傷を傷と言うならこの傷はそうとは言えぬ単なる穴で
3
前を往く車が吐いたガソリンのにおいを気にして息を詰めては
3
いたつきの床よりながむ往来はほがらほがらでさびし疎まし
1
メモ帳を切り取り貼り付けする度に心が減っていくような心地
2
夢現彷徨いながら息をしてずっと寝てたいあなたが死ぬまで
0
「正しさ」が目隠しさせるモノとなり 負けず嫌いが暴走・悪化
1
幸せのてっぺんがきたら教えてね君とそこから飛び降りたいの
5
橙の石を木陰に蹴飛ばして日だまりひとつ殺してしまう
2
火の爆ずる音の記憶にとけながらほむらの赤と揺れてゐる夜
1
沈むとき野菜すうぷをこしらへて煖炉の前の夜といただく
1
闇に濡れ鬱の毛布に包まるる街のいろかな 夏時間
終
(
つひ
)
1
北風にも実は名前がありましておじぎをするとおじぎが返る
1
書に遊び霞を食んで暮らしたい 働きたくねえ! うわーん! うわーーーん!!!
4
悪夢かな? 信じられねえ 現実だ 悪夢の方がよほどやさしい
2
知らずとも踏みて気付けば歌うたふ口となりけり
団栗
(
どんぐり
)
コロコ
3
道すがらふと列並び待ち並び並び並びて食べるコロッケ
4
それをこう、違うよそっちを、もう貸して、母に会いたしリモコンを見る
0
ぬぬ… ダメだ 思いついてた五七五七七 忘れ消え去っちゃった…
2
一首一首短歌に殺意をしたためて七七の封で
誰
(
た
)
を綴じをる
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