度重ね募る想いを閉じ込めた箱を見つめて過ぎる年月
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なまりなき鶯谷の夜歩きは生者と死者のねやが隣す
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なま成りの詠み手となりてはや四月よつき歌の悪魔に絆されている
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新嘗もSamhainサウィンも我ら手の内とカボチャ頭の魔とほくそ笑む
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そこにある理不尽をグッと掴むには「違和感」という感性次第
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恋なのか愛なのかすら分からずに君を想って早くも三年
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『思弁的実在論と現代について』を読む、真っ黒な窓
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記憶とふ時間をこぼしてゆく人に肩もみをして記憶を贈る
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思い出をぽろぽろどこかに無くしても帽子の翳の目のほほ笑みぬ
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雨の音に包まれてゆく季であれば透きとほる歌うたはせたまへ
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影だけはきっと優しい照明を消すから私をすっぽり抱いて
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感傷を傷と言うならこの傷はそうとは言えぬ単なる穴で
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前を往く車が吐いたガソリンのにおいを気にして息を詰めては
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いたつきの床よりながむ往来はほがらほがらでさびし疎まし
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メモ帳を切り取り貼り付けする度に心が減っていくような心地
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夢現彷徨いながら息をしてずっと寝てたいあなたが死ぬまで
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「正しさ」が目隠しさせるモノとなり 負けず嫌いが暴走・悪化
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幸せのてっぺんがきたら教えてね君とそこから飛び降りたいの
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橙の石を木陰に蹴飛ばして日だまりひとつ殺してしまう
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火の爆ずる音の記憶にとけながらほむらの赤と揺れてゐる夜
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沈むとき野菜すうぷをこしらへて煖炉の前の夜といただく
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闇に濡れ鬱の毛布に包まるる街のいろかな 夏時間 つひ
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北風にも実は名前がありましておじぎをするとおじぎが返る
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書に遊び霞を食んで暮らしたい 働きたくねえ! うわーん! うわーーーん!!!
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悪夢かな? 信じられねえ 現実だ 悪夢の方がよほどやさしい
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知らずとも踏みて気付けば歌うたふ口となりけり団栗どんぐりコロコ
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道すがらふと列並び待ち並び並び並びて食べるコロッケ
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それをこう、違うよそっちを、もう貸して、母に会いたしリモコンを見る
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ぬぬ… ダメだ 思いついてた五七五七七 忘れ消え去っちゃった…
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一首一首短歌に殺意をしたためて七七の封でを綴じをる
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