繋がぬ手染めて薄暮の時走る 「またね」は願い すみれ色の血
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ともすれば孵り育っていたはずの燻製うずらはこんなに美味で
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イギリスに行ってみたいね我が犬に故郷遥かボーダーコリー
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残された僕らとにかく生きようね 亡くした人を忘れぬために
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子羊たちよ幸福を教えよう 春の霞は透けてみづいろ
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それじゃあね 来月にはまた会えるけど 新幹線で三時間の距離
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 僕 た ち に ﹁ い の ち ﹂ が 有 る か 無 い か と か   量 子 の ゆ ら ぎ   そ れ だ け の こ と
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天国へ行くには重く地獄へはほんのすこしが軽いたましい
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「遅いぞ!」と 私の右手を取っていた そんな貴男の 寝顔を見たい
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泣いたって 考えたって 変わらない けど考える 無意識のうちに
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その時の 気分で買った ネクタイが 地味なタンスに 色を添えてる
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初めての 飛行練習 怯えつつ 羽を広げて 頑張るヒナよ
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あなただけ 私の心 鍵あけて 中を見せるの 特別だから
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あの人は 多くの人に惜しまれた 我が消えたら 誰か惜しむか
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また雨か雨戸を開けてすぐ閉めた何をしようか秋の長雨に
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こちら側のどこからでも開けられぬ封を切り裂く選ばれし剣
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二口目思い返して尻尾から タルタルだけか塩とレモンか
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イギリスにあるミニチュアの町的な公園に行ってみたい
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切り分けた 果実の片方というよりは 書店の爆弾のような君だ
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言葉では掬いきれないものたちを一枚の絵に詰め込みました一枚にされた絵を見るたびに言葉しか使えぬ弱さが沁みる
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朝日さし 「こんなはずでは」 繰り返す やり直せない過去 齢27
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みづいろの鰭も翼もうばはれてなほうつくしき瞳の星よ
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亡き妻を 麗しき人と 涙する あなたの心に 紫陽花咲く
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しくじった 全身全霊かけてまで 君を愛するつもりはなかった
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凡人で終わる人生悪くないひとつでも世に残せたのなら
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なぜだろう ピンチになったその度に いつも誰かが助けてくれる
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まだ親を安心させはできないが せめて心配 かけずにおこう
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本読んで寝て本読んでまた昼寝シリーズ読み終え秋の夜長へ
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わたし今地面から5㎜浮いているでしょ?君と目が合っている、この、いま
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土砂降りの雨に閉じ込められた日に2人で分けたサッポロ一番
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