Gペンで 腕に思いを刻もうか (GペンのGは重力のG)
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手を取れば退屈から抜け出せそうな月に似ているあなたの瞳
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楽しんで 二十年後も ただ少し 私の不在を 感じながら
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渡るる人地を這う小鳥目もくれず 常日頃よりトキに追われて
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安らかに目を瞑る私他に無く形の歪んだ岩根が鳴く
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ハッピーエンドの裏側で泣いているばけものたちを見ないふりする
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青い鳥川の縁にて踊るなら髪の流れうつくしく写る
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昼寝なし 午後めいっぱい遊んだら 八時半には電池が切れる
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朝一番お水を変えて掃除する座る場所に座布団を置く
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三十一の 文字ではちょっと 足りないなぁ・・・ 詠みたいことは あまりに多くて
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母親になってはみたがエブリデイ イカす服しか着たくはないな
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一面に一人は「あなた」「きみ」がいて 私にはいない  ハーもう辞めだ…
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君想い跳ねる第二の心臓を蓋で閉じこめ「亠心心」の字となる
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加害者は どこにでもいる ただの人
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「死」だけを三十一字連ねても僕が抱える死には満たない
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新品の本棚組んで並べたが 忘れていたぜ 扉の範囲
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優しさのナイフかざした俺という卑怯な少年壊せ三日月
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中間のテスト終わりし解きかけの問いに身悶う「ワタシノミライハ」
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一昨日は聞き流してたラブソング 昨日の夜から妙に沁みるな
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失くした 恋の数で 優しくなれる けれども僕は それさえ忘れた
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あらいやだ 今年の残量もうこんな 底に残った日付を掬う
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しにざまに文字情報はふくまない来世にコールつないでください
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粉雪の一片舌で溶かしたら柔らかな雲に抱かれる夢想
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朝目覚め窓下の景色眺めれば雪の白さは残酷なほど
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遠い地の あなたへ思いを 飛ばすのを お許しくださる 空の神様
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「君はここにいてもいいよ」 の宣託を 探し続けて迷子になった
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あの頃の記憶が僕を弱らせる こんなものに縛られたくない
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玄関で過ごした夏の一か月 一日一食反省文付き
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若くして 死んだ友を 思い出す 君とはどんどん 年が離れていく
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君の家から 見下ろす景色に 霧が立ったら 僕のため息だと 思ってくれ
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