駅を出た昼下がり過ぎの青空にある白い月、誰も見てない
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本意ほい忘れ 君の横顔 見つめては 気付かれぬよう われ目をそらす
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薔薇と百合 どちらも良さは ありにけり 貴方は薔薇を摘み取るのやら
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鉄パイプと一緒に立て掛けられている店先でよく洗われた竹
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残り 感じ振り向き 人混みを 今カモミール 狂い咲くかな
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才能のかたちがぼやけてあんなにも気に入っていた指輪を外す
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薬指あなたのキスは好きだけどわたしの全部はあげられないの
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大嫌い せまい浴槽 アルペジオ わたしのものにはならないあなた
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ダイエット間に合わなかった成人式 まるで永遠みたいな二十歳
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気を抜けば死へと傾く天秤を小指で支え続けています
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記念日も燃えるゴミの日も抱きしめて 服を着替えて愛を探して
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束の間の 地上の時を 無駄にせず 清く保てよ 魂の価値
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人生の 価値見出す 人は皆 永遠の時間に 堪える準備を
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ゴミ屑の 山の中から 宝石を 見つけ出したる 子供のように
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天空の 何処にいます 神はもう 人の救いの とりなしを終え
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信ずれば 道は開ける いつだって 神はおられる 人を愛して
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愚かとは 行くべき道を 知りながら 敢えて逆らい 従わぬ事
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いずれ来る 己の一生 閉じる時 後悔もせず 絶望もせず
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地上にて 希望の光 見つければ 天へと続く 階段昇る
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少しでも 人の為すこと 怖れれば 行くべき道も 見失うべし
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真理とは 神も従う 道理にて 人がどうこう できるはずなし
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頬に沿う生温いこの感触とあなたの温度はきっと似ていた
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似合わない流行りの曲なんて歌うくらいにはきっと浮かれているのだ
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別れ際に持たされた紙袋の重さはそのまま罪の重さ
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しかしまあこの日本語の文字数のコスパの悪いことといったら
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誰の耳にも入らないくしゃみした夜はひとり寂し寂し
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これアレだ 冷えたつま先擦りあわせ 人と寝たの肌触りだな
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俯いて、慣れぬ電車でどこまでも 帰れないくらい知らないところへ
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空を割くコンクリートの街並みに いやに似合わぬ小鳥の亡骸
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「敗者こそ美しくあれ」オリオンは逆さで叫ぶ公衆トイレで
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