最初はただ音楽が好きだっただけで例えば歌はそうじゃなかった
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何食わぬ顔で信号はポッ立ち、ふわり、一本の古傷になる
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手の中のちいさな華をいつくしむ 散り菊までと揺らさぬように
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内閣に止めたいものが二つある 支持率下落と山の神様
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玉虫の 虹色の腹が 死にゆけば 脚もて放る 停車場の外
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うたのない歌が聴きたい もうなにも入る隙ない ただ息を吐く
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愛を捨て 怒り狂えば この世界 狂気の様子 地獄そのもの
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愛情の 深き者こそ 天国に 相応しき者 救われる者
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愛情は 人を癒して 強くして 罪から清め 救い出すから
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なにもかも 上手い方へと 向かうから じっと我慢し 愛を貫け
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何気ない プローズだと わからない 今はいいのだ これでいいのだ
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ゴーヤとか キュウリやカボチャ メロンとか 黄色い花を 行き交う蜂よ
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メロンとは 誰もが好きな 果物で 作りたいけど 難しいとか
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なにもかも 偶然だとは 思わない 公開しない 脚本どおり
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奇跡とは 神様だけが 知っている 筋書きどおり 人生ドラマ
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三か月 残暑が続く 予報には 少し笑った 遅咲きメロン
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わかりみが深い掲示に立ちどまり マタイ六章第三十四節
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シワシワのビニールプール 今度こそ早めに出すと誓いて仕舞う
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インフレの一翼担う粛々と 半年前ほど心痛まず
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何よりも彼女の存在が遠すぎて パリもエジプトも射程圏内
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「この世って」、知った口きく哲学徒 泣いた理由も分からぬくせに
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必要がないものみんな無くなって 僕だけがダンスを踊って舞う灰
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シャツの背に滑らせていくアイロンの後に広がっている湖
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直太朗聴きたくなるのこんな日は 妻と唯一話合う歌
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仄暗い静かな夜に俺一人誰かを想う余白だけ残り
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我々の代わりに生存してくれる便利なロボットはまだいない
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祈りなど 理解わかりもせねど 聖母子の つめたい御手に ぬかを衝きたし
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君よりも素敵な人はいるけれど、君といた僕はもう見つからない
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神はいる 君が毎日側に来て笑ってくれることが証拠だ
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くずかごの底でまぶたを閉じる いまなら君のことわかる気がする
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