Utakata
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成人。架空短歌。お引越し完了しました。
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穏やかにほうほけきょうと鳴く春はもう逝ったのか 汗がしたたる
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どぶの端に木蓮の花ぐずぐずと きれいなままで終われるものか
9
薄紅を刷いた花弁が散り落ちて大地にキスを 愛を 愛を
2
匂い立つ紅かイノセントな白か 選べないまま
斑
(
まだら
)
の椿
5
三月の凍える夜に こわくない、こわくないよと春に寄り添う
4
梅の花 赤白乱れて春霞 わたしなにかをわすれているわ
3
春に死ねない私をわらうほど暇でないわとあげはひらひら
3
靴紐がほどけて二月 毎日がぼとぼと落ちる椿のごとく
3
開きゆく花はみだらに炎天下 一夜限りの生きざまを ただ
2
朝焼けの夢を遮るカーテンを引いた僕らに夜が目覚める
2
夢を見る余裕などない僕たちの果てない夜に朝焼けの夢
1
やわらかな君の一番やわらかなところに触れる手袋をした
8
唇に触れたかったよ あかぎれの指がこころを傷つけぬなら
1
電線の三点リーダー ぱらぱらと空の音符に変わる椋鳥
1
花冠をいただく乙女もひなげしも弱毒性です。キスをしますか?
2
白無垢のつつじの群れにふと一輪 ひとすじ不実の紅を隠して
1
そらいろの温度は伸ばした手が触れた硝子の窓の澄んだ冷たさ
1
ああ誰の赦しも得ずに逝く花の吹雪の中で歌わせてくれ
1
おべんとに箸をくださいあたためてください優しい夜をください
13
仇花
(
あだばな
)
の六花とともに散りゆくは盛りの桜か狂える春か
0
破られた生皮晒す烏瓜 夕陽のなかに孵る雛鳥
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春うらら 世界の終わりに食べるのはめんどくさいからカレーでいいや
1
爽やかな朝だヤクルト乳酸菌四百億もの命を奪う
0
三月の終わりの雪に
埋
(
うず
)
もれて僕ら静かに滅びてゆける
1
禁断の花見に耽る 独房のごとき便所の窓を開いて
1
いま君がぬぐう涙のその跡に優しいキスの桜吹雪を
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恋情よ 夜明けの深い青であれ 赤より熱く燃える炎よ
4
この恋に賞味期限はありません 霜に凍えるハーゲンダッツ
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忘却の野菜室では菜花らの死にゆくための春が咲きます
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約束は繋がれている小指ごと冷蔵庫にて干からびており
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