誰もいない 筆にてでんでん虫を書く 太陽がいる 動き始めろ
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忘れない 今日も触れず 死んでゆく 進路と言う名の 私の背丈
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戦争は終わったという歌声は粉雪のごとイヴの夜に降る(Happy Xmas-War is Over-)
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白銀の世界に魅入られた命よ 皆が愛するマイ・フェア・レディ
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愛よりも敵意が支えになることはあるよね空缶に挿す狗麦
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満月にあわせて道路がかたむいて コーンスープの水面が揺れる
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会いにいく 沈むな夕日すこし待て 町を 僕らを 染めてはくれぬか
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ルービックキューブを回して揃わない地球の青はバラバラのカラー
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大罪を 冒さぬうちに 切り上げて 賢い人に なれればいいが
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ネガティブな 心でいれば 天国も 地獄と同じ 光も闇に
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現実は 見つめたくない 逃避癖 穢れたままで 天には行けず
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辛うじて 生きているけど 理想とは 程遠いよな 涙も出ない
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何かして 追いつめられた 人間は 何をするのか 誰もわからず
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毎朝の 新聞確認 習慣に。 四・零二の 数字に奮起。
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冬休み 二次方程式 書く右手 食べすぎ注意 黄色の親指
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空寂を憂えるものは寂だけでいいんだ天に唾を吐くのも
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打ったとて響かぬ世界で生きている 自己プロデュースの波に揉まれて
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傷だらけの手であなたが傾けた傘の下だけ明るくなった
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ノンクリスチャンの祈りは父でなくもう会えはせぬあの人へ向け
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パルメザンチーズみたいだ 粉雪をまぶしたきみはおいしそうだし
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繰り返し吐いては吸って生きている 止まらぬ呼吸ままならぬほど
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窓を開け掃除機かけて口ずさむご機嫌な歌、鳥の合いの手
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懐かしい歌を聞いては思い出す きみとすべてを集めていたこと
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前髪の有り無しだけで悩めるのなんて楽しく素敵な暮らし
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末永く憎んで生きていけるもの たとえば性別とか国家とか
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ああ僕はリビングで一人ちぢこまるイルミネーションが冷たく嗤う
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つまつまと つまつまつまと つまんでは うんこだす みなみぬまえび
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飼い鳥の自由は「じゆう」と平仮名でかいたくらいの自由なのです
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夕暮れのあの子と彼のシルエット遠い岸からそれを見るだけ
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あの日みた奇跡が霞の空迷いのなかに燃え、幸せが来る瞬間がある。
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