天井に 描かれた絵を見ているみたい 落ちた絵の具に目を潰された
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二人称 言葉で自傷する 本当ほんとは、君をただただ抱きしめたかった
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殺したいほど嫌えども 無意識に信仰するはただ母の愛
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「国家とはそういうもの」の「そういう」が何でもありで理解不能だ
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次きっと王子みたいに手を取ろう足首掴んだ水底の腕
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闇の中 君が掴んだ 夢希望 私にはただの 霞に見えた
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君のなか凪いだ大洋があるから果てが見たくて笹舟を折る
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消えてなおひとを惹き付ける あの星のような存在になりたいのです
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シロップ漬けの杏を食べてみる 世界のどこかで閃光と音
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ウクライナ 国中困惑 殺されそう 世界大戦 起きるかいな
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昨夜観たドラマのことを語るとき瞳はべっこう飴の色をしていた
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終電に飛び乗り別れた今晩のエンドロールは何色ですか
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できるだけ持って回った言い方で伝えたかった今日の日の午後
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南国の鳥の籠見てカメラ持つ腰の角度は象の背に似て
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とつおいつシロップ選ぶ夜の間に散りゆけ夏も何もかもみな
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喫煙をやめる理由をくれと言う鼻で笑って灰を飛ばした
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太陽に背いて咲いた向日葵よお前も照らしてほしくないのか
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暮れてゆく西日でむしろ晴れてゆく右の空からにじむ夏の夜
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私には言葉が足りない飲み込んだバニラ・シェイクのかたさに向けて
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今日を今日で終わらせたくてたまらなくぜんぶ置いてきたシャワーの下に
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その瞳 輝くならば 路地裏も 君の舞台だ 歌えや踊れ
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「いいね」ってどこを「いい」と言いたいんだろう かわ「いいね」その浅はかさ、とか?
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「生きているのが恥ずかしい」と君は泣く 明日の最高気温は1℃
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きらきらの宝石だった体温で溶けるしかない握った氷
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わたしが花を愛でている間に世界がゆっくり滅べばいい
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金髪はやめたよ君が褒めるから どんな色でも綺麗と言えよ
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六年分 思いが詰まった ランドセル 証書を胸に 学び舎を発つ
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今日は君と世界を共有する「誰か」が私になった記念日
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意味の無い横断歩道の信号をまもるくらいには生きる気がある
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最寄り駅 ホームドアへの陽の光で朝が来たこと確かめる家
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