おすそ分け君に最初のひとくちを そしたら最後は僕にください
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つるはしでいくらこころをくだいても ダイヤモンドのようにかたくて
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本能の言いなりになってたまるかと我という「個」の「種」への反逆
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あなたからこころを殴られ 気づいたら 深さ3センチの傷あと
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君思うクレカの秘密の質問に初恋の人を聞かれたせいで
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韻律を積みあげて飛ぶマンタならあの高みにものぼれるだろう
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沼底に盗人たちを塗り込めてヌンの化身は濡れそぼち立つ
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木肌見て葉と花芽吹く時期を知り初めてその木の名前を知らる
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軽やかに走るキミとすれ違い一秒遅れでムスクの香り
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観戦席用意しといて目の前であたしが奴をぶん殴るので
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つくったら よぶんなことは かんがえず ぱんつはいたら スマホにむかう
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データから 類推をして 中間項 たとえば麒麟 たとえば概念(仮説)
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鳩まみれ練馬の駅の北口で啄むケンタのパーティバレル
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私より 若い子達の 優しさが グッとくるくる 還暦間近
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銃撃か花火か迷う 夏の夜 窓閉め背中丸めて眠る
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水中で消えない炎があったなら夜でも珊瑚が綺麗だろうか
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結婚に二度失敗し三度目は 絶対ないです。絶対にです。
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鬱病に苦しむ人が辛いのは春夏秋冬一番は春(医師談)
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晴れたけど黄砂も来るし貧乏で車もないしやる気もないし
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パソコンを譲ってくれる約束をわたし覚えているんだけどな
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君からの 「ありがとう」はね マジうれし 今までずっと 支えられたし
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浮かばない こんな日もある 言い聞かせ 気分転換 散歩でかける
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息子去り夫婦ふたりになりました 食事も質素になりました
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昼休み明けの眠気に効くクスリ ブラック珈琲とヒヤリハット
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やわらかなオレンジ色の夕焼けはふところあけて待つキミのよう
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久びさに娑婆に出てきし思ひわく小町道りに知らぬ店ふえ
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黄砂とか ミサイルとかを口実に 朝から飛ばす おはようLINE
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水道の検針票が来て風呂に浸からなかった先月を知る
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何十年振りひさびさに 仕事中に火傷した 身体に残る あの日の切なさ
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ブチブチとどうせ千切るなら雑草か、きれいなうちは放っておきたい。
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