お祝いが 続く春では あったけど 今ではゆ鬱が 来る春一番
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すがすがしいまでに世界は「物」であり肉の一種として脳がある
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仕事よりあるいはそれと同じくらい 大事なひとが、出来たんでしょう
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天国に向かう途中のファミマでも三割引きの七味詰め替え
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波立たず 無聊を託つ 日常は 遠ざかる程 至宝と化する
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もう僕はペンも握っていられない 飛び立てるのを夢見て眠る
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月が帰す 雲で見えずとも 此処に居り 千代に八千代に 我等を照らせ
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きみからの褒め言葉だけ置きざりにされてごうごう風に吹かれて・
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なあお前、同じ人ならわかるだろ? 人海漂う案山子の遠吠え
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「起動します。音声認識を開始しました。(私は博士の右耳が欲しい)」
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早番の朝は早いのだ だから 午後9時は もう眠たい時間なんだよ
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満開に 降りしきる雨の恨めしさ 業平の歌がリフレイン
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ウィルスと大地の揺れは常なれど ミサイルだけは人の業なり
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満開の下で 九〇歳のばあさまを撮る 屈託のない笑顔がこぼれる
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かけちがえたボタンのままで町に出て気づいてくれた人に恋をする
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ゆっくりと三面鏡を閉じるときかすかに鯨の鳴く声がする
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戦争のことをおしえて爆弾が落ちてきて皆砂天ぷらさ
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くりぃむの やさしきあまさに ほっとする 苦味すら忘れる ウインナーオレ
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買い物を するわけでは ないけれど 欲しいクレカは 買い物検定一級
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ほしいいらないほしい特には我が耳追うは赤子の泣き声春
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くぃむやふぁやふぁは心が安心て意味刻む皺見つつ聞く
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車はいけません腹圧がかかるからと聞く直後のくしゃみ
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おちてゆくにぎった指の柔さ温さをつれて闇おちておちゆく
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三分で食べられる地獄ございます新商品ですお試しください
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善悪を 学びて生きる 経験を 賜りたるや 知恵の深さよ
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刻まれた 記憶のままに 裁かれて 永遠なる命 欲して止まず
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一生は 春夏秋冬 一年の 過ぎ行くように 消えてなくなり
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若くとも 話をすれば わかり合い 老いて理解に 苦しむ人も
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老人を 眺めていつか 自らの 姿を映す 鏡の如く
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一生は 長く短く 続けども 人は心を 現わして行く
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