大和から飛鳥へつづく 種割れは 自由を求め抗う翼
11
永遠に続くと信じこの愛にすべを捧ぐ君との世界(折句)
6
触れるのも戸惑うようなやわ肌に  素敵な人と思うばかりで
13
好きなものだけを集めた部屋に居て募る寂しさに似た感情
13
ひんがしの 星が賑わう 夜があけて きらきら光る 霜月の庭
26
本人の同意もなしに受理される太郎と花子の婚姻届  
7
今日までの 長い道のり 思ふ時 お疲れ様と 誕生祝う
11
いいひとと いわれつづけて いきてきた ぼくのちんちん ひとよりちっちゃい / ひくしょんW
5
消えそうな 友の心の 命の火 また燃えあがれ 僕は願うよ
11
音溢れ 光煌めく 社交場 密やかに 影咲く野薔薇
7
美術館市場に神社てんこもり小さな港町は今日も凪
8
闇夜空やみよぞら 星月明かり 皆の夢  題名いのち 光闇こうあんの絵画
5
世界籠せかいかご 命閉じ込め 廻る宇宙 鍵が開いたら みんな飛び立つ
7
咲く想い花束にして貴方へと 言葉を贈る短歌を詠むの
8
ひとりいるベンチに並び腰下ろし 何も語らず何もけがさず  
6
こころ秘め決して言わぬ貴方の名 氷雨に濡れた胸の思い出
4
ひそやかに吐息漏らして涙した 貴方を想う胸の痛みに
5
知り得るは 儚き花の 散る運命 甘き恋風 こころ揺らして
3
幸薄き 老婆死して 俄雨 シャイロックどもの 長き葬列に
6
間違いと 正解を皆 繰り返す 重ね続けて 選ぶ天と地
3
朝光り 目覚め外出て 息を吸う 美味しい空気 胸いっぱいに
3
山川に渡す紅葉のしがらみは流れも秋もとどめかぬらむ
9
鉢植えのコーヒーの葉に秋の陽はゆらりと照りて風は止まりぬ
19
いきるいし たずねるように 葉をしごき はないけなおす にちようのあさ
14
青空にラインダンスの脚の如 はさ架け大根しばし艶めく
9
縄文と弥生に 続く我が国の成りた立ち探る須恵器うるはし
3
サンマ焼き大根おろしのこの味覚熱々の秋をしみじみ食す
6
朝霧の 先にあの日の君さがし いくら進もが 逢えるはずなく
10
夜通しで魔王を斃し翌朝の眼の奥を指す日差しをにらむ
7
掃除機でリセットされた世界には半日ほどのほんとがあった
9