あこがれて 踏み締めていたはずの頃、しかしそれは春のようです
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スマホの中は花の写真がいっぱいだきれいな花を見たら撮りたい
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選ばれていくいちご味 選ばれず転がっているハッカとわたし
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1116いいいろの夢のかけらを乗せ走る 未知なる道は永遠であれ
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カメムシを倒す私とビビる友別にモテなくたっていいもん
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帰り道、暗さに畏れつ公園で慌てて切り取る 輝いた春
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懇情のこごった杯に浮き上がるはかない花をゆっくりと吹く
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どうせなら異性の中で一番の友達だって言っていいかな
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今日のうち眠る予定をまた過ぎて午前中には目覚めていよう
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今決めた どうせ死ぬなら春がいい 桜のいかだで 彼岸まで行くんだ
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私というヒトの恣意にて陶鉢に播かれる種子と炒られる種子と
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早起きは 苦手どころか 勝手に目 覚めて、なんなら 夜更かしできぬ
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「計画は要らないのだよ 適正な数になるまで死んでゆくから」
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梢高く鶯が鳴く 生も死もlaissez-faireの春が始まる
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「明日からやる」と言葉を身にまとい今日のやなこと一撃で倒す
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澄明な水をすくってあなたへと撒いた亡霊はまた私だった
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「君は花」とか「光」とか聞くけれど僕には別の駆け去る何か
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春だから 別れは許す その代わり 出逢いを風に乗せ 持ってきて
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ドロップの缶から転がり出る蜜柑 何かを連れてしりとり終わる
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透過して僕に溶け込む雪の色瞬き香る君の笑顔
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並木道 通れば雨はもう止まる。時間がとまるわけじゃないのに。
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夕立の降る5秒前の涼しさは涙を流せ わずかな合図
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君の輝き ふと思い出すほどに 懐かしい 朝、春、日本晴れ
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たそがれの くらき路地裏 猫の影 夜へと消えた 月を探して
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丑三つの 道頓堀を 往く猫は 虚空を見つめる 河底の大佐カーネル・サンダース
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猫カフェに 無理やり連れて 行かれてね 違うオトコの 匂いが付いたの
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誰よりも 早くエアコン 点けるから 誰より近くへ おいでよキジトラ
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元彼の 猫に罪こそ 無けれども 何故に妬まむ 助手席の籠
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葉桜の 季節が来ても この心 どこかに君が いる気がしてる
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白猫よ どうして君は 逃げるのか 夜が明けたら 見えなくなるのに
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