月のさす 沙漠の夜に 彷徨うは 駱駝つらねた しろの行商
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外に出て韓国のりをかじっては風を感じて海を思う日
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荒れアレ来るう佐藤近本虎の意地ノイジー 勝って日本一の秋のぶ彰布
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新しい袋ラーメン試したが マイ・ベスト・ワンはワンタンメンなり
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座学の日 勘違いしてた こりゃいかん 指南書読まねば 早急に
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傘寿でも飽きっぽい癖治らない 三つ子の魂百まで続く
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おさかなやハートの形のカリカリにヒトはときめく猫には無意味
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プリン本 載ってない店行きたがる 母の求めるは昔ながらの
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乾麺の茹で上がるまでのこの時間ときも わたしにとって楽しい時間じかん
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うつし世にもはやこがれるひともなく黒帽子の埃を払う
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あかがねの月ひと粒を嘗めながら花郎人形ファランドールは高らかに舞う
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パリになるカフェに異国のグループが窓際ぽつん黒髪の人
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ただ単にその瞬間が聴きたくてラジオの歓声と応援歌
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流れ去る 終電のひと 見送りて 置き去りにされし こころ畳む夜
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古本屋ネットを超える出会いあり 期待以上の本を手にして
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同じ品下は考え忖度し見分けるための改造をする
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寂しいと 思えば瞬間 この雨は 氷にかわる そんなギリギリ
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ほろほろとやさしい雨音落ちてきてまぶたの上にそっと乗っかる
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月の山目指して兜巾ときんの山伏は法螺貝ほらがいひびかせ雲の峰ゆく
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鳥海の峰より流るる月光がこう川 川づらたぎらせ鮭の群れのぼる
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数うれば卒寿も過ぎて川辺に立てば彼岸より葦笛の聞こゆ
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あすか道柿の葉すしを 携えて黄金の稲田にみささぎさがさす
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車両内 熱気むんむん 汗タラリ フィンランドのサウナみたいね
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どんな絵も額に入れればよく見える 私を入れる額縁はないか
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Aと仏壇そして猫Bで結界作り母を封じる
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ハロウィンの次はいきなりクリスマスいやちょっと千歳飴舐め待て
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十年をひと昔などと言うけれど ほんのすぐそこ 長女猫あのこの想い出
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母と行くランチの日付先に決め ひさびさの店で着るもの悩む
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それはまだ私が幸せだった頃欲しいものほど遠くにあった
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ノンカフェイン惹かれるままに買い置きて赤きルイボス眠剤を飲む
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