丑の日にうなぎを食さず炎天下並んだ末にパンケーキ食む
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「社会にはここまでしかしてやれないが」というところまでしてやればいい
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琥珀糖涼のひととき目にそよぐ君のおみやげだと包みまで
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終映後エンドロールも追いかける胸鷲摑みされたお礼に
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結婚式 BGMはMDに入れてたセトリ 旅立ちの日に
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射抜かれたあの目の睫毛が触れていて洗いざらいをあなたに差し出す
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二人掛け電車の座席で寝る君の跳ねた前髪そっと手で梳く
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君の手を寄せる勇気が出ないのは繋げば僕が短絡ショートするから
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夏が来たせっかちさんの夏が来た 巣籠もりライフで私はゆったり
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「夏日のね」「淡い夢のね」おやこれは「ね」が多いわね短歌あるあるね
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恋知らぬ少女は恋に恋をする あゝ彼の野薔薇は蕾のままで
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「海へ行こう」「水着は?場所は?」はしゃぐ君どこでも嬉しい君とならば
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弾み行く夏の暑さを感じつつ君に会えると思えば嬉し
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過去最高気温を記録する夏でマスクだらけの弱冷房車
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扇風機片手に闊歩する人の 見ゆる光景夏来にけらし
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道端で警察官に囲まれた令和の酔いどれマスク姿で
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突如耳からいずる水もはや何時からいたのかもわからん水だ
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二人称不在で交わしあうそれは名前も持たないぬるいまどろみ
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求めれば苦い残り香菩薩顔君は月夜を駆ける逃げ水
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深夜四時鏡に五指をくっつけて代われるのなら代わりたかった
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切なくて触れたまあるい命の火いつか守った俺たちの星
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往来の 音に紛れて 密やかに くちぶえを吹く with コロナ生活ライフ
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鉄骨を 剥き出すビルは 神殿で 不滅への意志を しろしめすのか
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ハマショーの『片想い』口ずさむ グッと詰まる 面影チラリ
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誰もある『卒業写真』の疑似体験 僕を励ますあのすまし顔
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節約をせむと むね肉切り分けし 腕に静脈 浮きでたるかも
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いつの世も 優しき人は 憂き目見る されど天から 神は見たもう
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心無い 社長が選ぶ 管理職 氷のような 無慈悲な機械
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魂を 殺さぬように この会社 長居は無用 腰掛にして
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会社には 一輪の花 枯れさせる 殺伐とした 狂風が吹く
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