靴底で「じっ」っと震える振動は何日分の命か 蝉よ
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川沿いを夜景と並行で走る こんな感じで生きてきた気がする
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貴方に背中を押されて終わりたい 手の届かぬ恋だった印
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分かち合う人がいなくなった日なのにうまい飯が出来てしまった
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人波の引く速さにも 横顔の 二日の月は、静かに在りぬ
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夜の浜に花火はあがる 萩の街。橋本川は、魚跳ねるなり
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彩色のびぃ玉 爆ぜて尽きにけり。夜の隙間に浮かぶ三日月
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Brute-force attack総当たり攻撃 夜道で スネークマン・ショウの台詞を キメられなくて
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青信号、人は渡らず 橋の前。空の蒔絵に立ち留りける  
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びーだまのどーんと爆ぜて一輪の、光散るかな。浦町の夜
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飴玉のような光の街散歩老夫婦手を繋ぐ尊さ
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妻子らは祖母と河原へ日帰りで もし叶うなら三、四日ほど
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どどいつが趣味という女子なぜかしら好きになっちゃう気がしてならぬ
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トウキビの穂先がすっくと立ち上がり空持ち上げて陽にヒゲつける
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画面より 明日のよていが 大事だと 分かっていながら 押せぬ電源
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ラムネ瓶 底に積もったこの街の、入り口の空 赤いびぃ玉
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演劇とドラム教えてくれた友 今宵教わるBtoBマーケティング
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アリエール バスマジックリン ボディソープ 一気に詰替え間違えぬよう
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子供らと巣籠り準備 膨らますビニールプール予定キャンセル
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八月に なりて再び 思うこと 真冬に向かい 転がり落ちる
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セミのよに私はここだと喚けたら も少しうまく生きられるかな
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脳内と 部屋の汚なさ 比例する 誰が言ったか 部屋を眺める
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気がつくと 手についている アイシャドウ ようやく気づく 昨晩の罪
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呼吸より難しいこと布団から脚を伸ばして地につける
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「勝ち得た」という語をやたら繰り返す万引き犯とヤングドーナツ
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不意に雹など降り出せば「現実」も電波障害のように霞む
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肛門科みたいな事は言いたくないけれどこの痔はもう駄目かもね
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日常を濾過ろかします 不純物側に優しい声を掛けてください
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本棚を埋めたいが為買う本の続編のごと扱いをうけ
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俯きて 暗い思いで 歩むより 光の下で 精進すべし
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