いさかいもストンと落ちる知らぬ間に その行き先は元の鞘とな
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うたた寝の脇腹につともたれおる猫の重みで母猫となる
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残りの日々 価値観・ルールを逆にして 心を自由に生き切ってみる
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悩ましい道徳・善悪・の目は自分が勝手に信じてきただけ
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いつだって無限に見える海泳ぎ珊瑚礁まで迎えに行くよ
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敗因は「政治とカネ」の自民党だが暑さとの闘いもイヤ
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頑張らない一周回って頑張りたいあと一回と筋トレしながら
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おばちゃんら話が合うな楽しいな 気がつきゃ私もおばちゃんだった
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「おはよう」に続く会話は「暑いよねー」 合言葉になる職場の溜まり場
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この心臓の屈折に虹があると信じて生きてゆく光の下
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3歳の芦田愛菜まなちゃん観ながらパンを食む やっぱすげーなこの子は天才
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復調の兆し叶った初安打二人明日も勝ちに貢献
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中休みダルい体で起きられず 布団の中でいいね❤️をポチり
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前髪を数ミリ短く切ったこと 気づいてくれるか鈍感な恋人きみ
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今なれば 素直に入る言の葉も 聞かず放ほおった青き日もあり
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片すみに ミヤコワスレの 花の群れ 苦かったきず 染みる紫
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鶯の声に振り向き探すとき 小さき悲しみ春の名残の
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ゴミ出しのボランティア先お一人の 女性にもらうあめ玉一つ
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カーテンを揺らして風の入る音 朝の始まり今日も生きてた
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シャボン玉かぼちゃの赤ちゃん連れてった燕が空を切り裂いた日に
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ベランダにクロームブックを持ち出して想を練る我は令和の歌詠み
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あなたにもらった塩サイダー飴を歯で砕いてはシーツに沈む
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結婚するというメッセージが頭を溶かして泳ぐ海の底
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冷蔵庫 泳ぐ私は あなたへ紡ぐ手紙 くしゃくしゃにして
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幸せになってねと君が言う幸せとは僕の地獄でもあり
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終わりは必然なこと、観測のできない人生があること 世の常
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セピア色 知らずに生きてた僕だった あなたがいない世界の色だ
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墓参り 答え合わせができません この束の中に好きな花ある?
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サンダルで進む足取り軽やかに 覗くペディキュアあなたへ直進
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あたらしく心が動く音がして むかしの恋がふっと舞いゆく
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