大雨が 嘘のように 晴れ渡る キミもそこから よく見えるはず
19
ふさがった耳軽くなるすごかった豪雨小雨へやだ息が合う
15
評論家 操り人形 黒幕が コントロールして 踊らされている
5
昭和には 冷房中が 売りだった クーラー効いた 喫茶店は天国
7
暑過ぎて クーラーつけて 寝たはずが 汗びっしょりに 暖房をつけていた
6
さみどりが うなづく川辺 伸びしろが 少ないなりに 肯定されて
25
幼少期 電車の車掌 なりたかった どう間違えたか 経営者になってもた
6
信じとこ 星に祈りを 捧げてる 好い星占い 成就するかな
5
何気ない 朝の幸せが そこにある コーヒーの香りと 傍らの君
14
マジックで外箱にかく筆跡を変えてたのしむ祭日やすみの仕事
12
深呼吸 吸い込む空気 一直線 身体の中を 風駆けめぐる
17
世の中のこわい存在識る二歳ヤギを見てママに抱きつく君
12
花が咲く我が家のリビング花が咲く 旅から帰りし息子きみ土産話はなし
42
ふるいかけどれが地雷か見ているがとんと分からぬ怒りの理由
16
後ろにいるのに気づかないふりのあなた代わりに広い背中を独り占め
4
グリーンのペンで書かれた君のメモ持ってるだけでずっと花束
53
山肌に春の残雪眺めいて恍惚とする過ぎし想い出
17
柔らかく柳が揺れる風をもて泪の如く桜散り舞う
28
淡い春 性旬終わり 老害は 己で歩く 前だけ見据え
9
朝摘みの新茶なれども人は言ふ。「八十八夜の長寿の薬」と
7
ベッド脇 もたれてスマホ眺めたる夜の シトシト窓叩く雨
19
てのひらに落ちた桜を水浮かべこの静けさで今日を始める
27
あなたのこととなると逢うときも逢わないときもどうにもならない自分
6
ハイキング身仕度整え電車乗り ふと気がつけば周りは仕事着
17
職人の誇りがすごく傷ついた痴漢冤罪かけられた掏摸すり
11
半減期 永い時間が経過して 毒の力も珠の光も
11
雨上がり窓枠が春を連れてきて「頭痛がする」と春病の母
19
生徒らは散り散りになり忘れられ 発掘されないタイムカプセル
17
記念だの思い出だのを貯め込んた ガラクタ箱は発酵しない
14
早朝の庭さえ煙る雨上がり薔薇の香りが淀み動かぬ
11