浮浪雲 イージーライダー 憧れた 実践したら 肩身狭いわ
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争いを 好まないから 負け犬と 罵られても へのへの河童
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生き様を 晒してみよう これ自分 隠してみても 自分は自分
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他人のこと とやかく言えば 嫌われる 犬の遠吠え やかましいだけ
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他人は他人 自分は自分 同じ人 一人もいない 不思議な世界
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人生は 一日重ね 集まった 日記のような ドキュメンタリー
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もう二度と 同じ一日 来ないこと 知っているよね 人生一度
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あとわずか この世におれる 束の間の 世界をじっと 見ようじゃないか
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くたびれた 両目に深き 傷残し 見えてるだけで 誠に感謝
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今までにたくさん悩んできた道も振り返ったらすべて愛しい
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あれましし うへ御前おまへ彌榮いやさかを ぎてふり敷くけふの雪なむ
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初めてのホラー小説めくってはひやひやしてるストーブの前
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花粉飛び マスク生活復活で 上半分の化粧再開
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うつゆふの こも地上ぢのへに照る星と なれる眞白ましろ黃蓮わうれん
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たまに来る不調の前触れ知りたくて気圧グラフをなぞる夕刻
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歌姫と おだんご頬張り 春うらら 響き渡るは さくらのしらべ
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南方の出窓陽が差すこの家は君を中心に回っている
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暖房と灯りをつけて夜に出かけるよく眠る犬のいるまに
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白波の立つ太平洋 サーファーの水鳥のごと朝陽に浮かぶ
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子育ての支援センターでふれあう 豊かな環境ありがたきかな
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母と二人 すこし声枯れたと笑い合う ひさびさカラオケ翌日の朝(弟は新幹線で帰りました)
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長男の運転 今や夫より安定感 スタジアムまで四時間の道
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シリウスも 震えるほどの 月の夜 そっといき吹く 雪片は星
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帰国費用の支援準備をウクライナから三次へと避難の人に
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水着は仕事着だとしゃきっとスイミング先生若く86歳
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原爆時刻指したあの日の腕時計落札なんて今も悲しい
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「俺らには漁師しかねえから」の声風評被害それでも海ヘ
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十六度の春が来てのち氷点下二十度超えの真冬日続く
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冷凍の在庫置き場を出た先の春工場の月はまだそこ
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覆水は盆に返らず封入をしてから気づく元号違い
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