誰がために受付で咲く胡蝶蘭 贈った人の名前デカデカ
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環境が人を育てる言うけれどどんなとこでもやる奴はやる
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聞こえるか忘れ失くした恋の歌黄砂に吹かれ沈む太陽
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ニンジンの 新芽の横でニンゲンも 朝日を浴びて水を飲む今日
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黄砂吹く 昔風雅に 歌となり されど今は 有害物質
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変わらない変わりたくない変われない グラスの水はもうすぐあふれる
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会議中上司と上司がぶつかってダイオウイカ対マッコウクジラ
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週2の ご飯担当 定年後 ボケないためと  妻の休息
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白んだ空は体に悪い 羽毛布団の重みで圧死したい
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台風一過嵐去り こころがとても晴れやかだ お腹すくしね よく寝れてるよ
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君のハグ 俺のこころを 包みこむ 君のやさしさ 思い出させる
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新入生を見てその若さを恨んだ 私も若いはずだろ
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ちゃんと息するんだよ ホクロばっかの首筋を見てた バカみたい
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黄砂来て森の全てに降り積もる息苦しかろ雨をただ祈る
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電話口ぼくの話の終わる前、猫がかくよな小さな寝息
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手のひらを夜明けの空に翳しても透けない血潮 でも流れてる
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一人でも足を伸ばせぬ浴槽に「寒い」は禁句はだかのふたり
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そのような手もあったかと頷いて感心はする多分やらない
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聞き慣れぬノイズの中の旋律は 君の遺した古いレコード
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進んでた時計合わせる生真面目に変わってしまい面白くない
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暫くは留守にしていた地層など掘り返してる遺物ざくざく
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もう少しためておくかな燃えるゴミ惜しい訳ではないのだけれど
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僕たちは言葉の針に削られて ノイズだらけのレコードみたい
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網の下 雨にくすぶる 備長炭 僕のようだと うちわ振る君
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茜雲あかねぐも ほのかに映す 川のおも 春は空から 降りて来るもの
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満員の改札を出て快晴の富士山のあり授業開始日
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口数が減って真剣そうだけど優しい君は人狼がヘタ
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ゴルフ後に同僚と行くラーメン屋 戦友ともの資格を確かめすする
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おまえから 送られてきた「だいすき」を となりの席のやつに見られた
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きらめいた鱗に焦がれ夢を見て 陸から海にかえったくじら
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