何もなく  過ぎていく休日で  昼食すませ ウトウト過ごす午後
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山の日も お盆もみな 出かけ行く 余計なものは 大台風か
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休日の  前の日夜ふかし  日が変わり  今日と明日との境に 落ちる
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タヌ猫がしあわせそうだ良かったね 母は戻ったよ一緒に寝られる
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母が居り実家いえの空気が華やいで ぜんぜん派手な人ではないけど
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追いつかない背中を遠くに思い 同じ時間を生きたかったと
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愛さえも市場原理にさらされた地獄の淵で君を見つけた
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ひとつずつ纏ったラベル剥がすたび 他のだれでもない君となる
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紅色が無邪気に揺れるランドセル 君には十字架だったと今さら
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くびれだと思い込みたい生憎とこちらはただの段差ですがね
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夕立のような寂しさ埋める人 雲の切れ間にしばしのお別れ
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知った道でもカーナビを点けてゆく「運転お疲れさま」と聞くため
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穏やかで優しい短歌うただけ詠めるような日々であったら 人であれたら
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母退院 コンビニケーキを二人食む ニャンともおいしいチーズケーキよ
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夏休み遊ぶにはちと暑すぎてプラネタリウムでも行こっかな
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もうすでに ねっこはとろけて いるんだが すきにしていいよ おわりはみえて /目を閉じてお聴き下さい 賛江
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不意打ちの返事に返す言葉足らず だけど、嬉しかったから
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たまさかの池の水入れ滝のよで響く水音暑さ忘れる
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今日だけは値上げのニュース耳塞ぎパァっとやろうやどうにかなるさ
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あれこれと時間と金の使い道思い巡らす妻子留守の日
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ごめんねと 言えずに泣いて 子は泣き疲れ 祖母の渚に まるく打ち上げられ
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指先はあなたの髪を夢に見る雨の匂いが鍵を開けるよ
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虹が出てオクラの花が咲いているいつかこの日を懐かしむかな
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考えないように考えないようにイソギンチャクには脳みそがない
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ランボーの 映画の世界 ミャンマー 悲劇重ねる 姿は似てる
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マヤ文明 滅びし故は 戦争と 異常気象か 歴史の重み
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マヤの人 今も生きてる 文明か 多様性こそ 強さのゆえか
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録画をねビデオと言ってしまうのね ビデオテープは骨董品かな
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俺にだけ優しい声をかけてほしい「券とお釣りをお取りください」
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群青のオーシャンビューに包まれて我は目覚める漁船は帰りぬ
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