とんとんと刻む野菜をじゅうじゅうと焼いて浸した夏の活力
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入院の前夜に覚ゆ 若き日の 君の移り香 今さらにして
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「桃みたい!」真っ赤なプラムかじりつき隣を見ればきみも涙目
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初めてのバルーンパンツを縫い上げて年齢制限ないものなのか
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わたしには何も知らない人たちの人生こわすことはできない
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すみませんあぁすみませんほんとうにこの人生を否定ください
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「大丈夫」そういわれても私には数分先さえ悲劇にみえる
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真面目だと言われてもなおその言葉ないがしろにもできないままに
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勢いで決めたことから終わりゆくその勢いで死んでいく吾は
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ねこ爪痕 山ほどあいてる タンクトップ 袖を通して(あ、袖ない?)帰って来たな、と
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大漁の初もの山女魚を提げ帰る好みのフライは夕餉の主役
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襟足(えりあし)が汗でまとまる感覚が嫌じゃないのは若き日のこと、
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俺をみて 愛してくれよ あいしらず かなしい、これか 誰かころして
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愛犬と娘とテラス夜の庭 ジンを片手に星空を見る
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どことなく 違和感感じる水曜日 今のわたしは これでいいのか
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たっぷりと 水を含んだ 嫉妬心
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血沸き肉躍る仕事がしてみたいリピート品の値上げじゃなくて
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さよならの味を何度も確かめるあなたの瞳は深くて遠い
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宇宙そら 見上げ 手の平 天に 開くな 桃色の花 ネムの木いと
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鏡にはうつらないけどその眼にはあなたを見てるわたしがうつる
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あと少し 気持ちの靄も 晴れたなら 夏が来るのを 手を広げ待つ
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涼しげな ルリマツリ咲く 夏の庭 蒸した空にも 風がそよ吹く
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無謀だと うすうす知って いるけれど 勝ち目なくとも 戦いたくて
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一歩でも 進みたいのと 踏み出せば 続く一歩は 二の足を踏み
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トカトントンどこからともなく聴こえた 彼と私は似たもの同士
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頭振る子猫の口から飛び出したる小さき何か拾えば乳歯(笑)
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暑くって果物切るのも面倒でバナナばっかり食べてる気がする
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エアコンという名の檻から出れなくて多分明日も出れない気がする
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じじばばの余命吸い取るように君 無邪気に背丈また伸びたなり
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おとしもの みんな宝です わかります(笑)乳歯も拾えましたか?いいなぁ〜(TAKAKO様)
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