Utakata
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アラサーの息子来たりて隣室の寝息うかがう我はまだ母
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雨の夜追っかけてくる捨て子猫ごめんねうちは飼えないんだよ
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雲もなき あきつ群れ飛ぶ夕暮に ススキなびきて秋風ぞ吹く
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少しだけ寒くなったと伝えたい秋は夕暮れお元気ですか
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町会の運動会の歓声と涼しい風が窓から入る
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夕暮れにラッパは響く「トーフー」と そろそろ歩くボウル持つ母
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本心はみんな飛びたい騒ぎたい 道頓堀で おまわりさんも
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先に寝る 猫を起こさぬ ようにして 布団の端で 私は眠る
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朝寒に積読本を片付けて 余白に入る言葉を探す
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バスを待つ万国からの旅人の手にユニクロの買い物袋
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在りし日の 日記開けば 蘇る 熱気と風と 君の呼ぶ声
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のり弁を 買いに来たのに 店頭で なぜから揚げと 迷うのだろう?
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電車から 見える堤防 その向こう 見えぬ大河の 流れを想う
11
手洗いのバケツの冷たさしみじみと 何もせずとも季節は進む
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ミラノ風ドリアにワインエスカルゴ 1000円で酔う最初のデート
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晴天の早朝涼し草取りを 30分して 太もも痛し
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一日の疲れを包み込むJazzを二輪のマフラー音が蹴散らす
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通りから横に入った小路には 野良猫たちの王国がある
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明日には笑えるだろうと眠りつく どうせアイスは溶けてしまうし
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朝めざめ なんとなく今日は 長袖を 選んで、あ私 恋しいんだ夏
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桜散る 山の端おぼろ 薄墨の 散るを惜しみて いとわびしけれ
8
私には幸福すらも渡せずに永遠なのはひとりの心
8
夕暮れがいちばん暑い。街中の蝉が闇夜に溶けてゆくから
8
明るさに やさぐれるなよ 過去を打て 嫉妬に狂いたくないわたし
8
とき玉子窓辺育ちの豆苗を散らせば色よし味噌汁の出来
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刈り取った田んぼをみれば白鷺か降りてついばむ秋晴れの空
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だいじょうぶ?転倒注意のお年頃充分お気をつけ下さいね/ひさかた乃さんへ
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母からの野菜ジュースの送りもの のこる後味 耽る赤味噌
8
雨風に強い日射しにさらされて生きるあんたはすごいヤツだよ
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機嫌良く とことこ歩く 宵の猫 目を合わせれば そそくさ下がる
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