Utakata
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細君
(
さいくん
)
を
見初
(
みそ
)
め十年 経ちにけり 天使に見える 魔法が解けぬ
21
包丁の通ったあとの まな板に 暮らしの
証
(
あかし
)
静かに残る
15
朝霧の 煙る山里空遠く 鳴きたる主はホトトギスかな
15
プチプラのリップ一本買うだけでウレシイわたしはまだ大丈夫
12
桃色の艶やかな爪を鍵盤に走らせながらビバルディ「夏」
16
蝉たちのお昼寝タイム街路樹は静まり返りギラつく太陽
11
クスノキの光る緑がサワサワとまだ挫けてはダメよとそよぐ
12
図書館と公民館の雰囲気が変わっているんだ夏休みだな
10
タチアオイ 好きだと言った 亡き母の 笑顔浮かんで 会いたくなって
17
残光を風が静かにしまってく十九時空に余韻を残し
9
健やかな ときも⋯病めるときにも⋯ 問われたら イイエだなんて 言えないでしょね
9
今日明日 気合いねじ込む日としたり 夏祭り待つ 金曜土曜
13
新生児 結んでひらく にぎにぎと 広い世界の手ざわりいかが
29
四年前死んだ親父と二年前潰れたツルハで落ち合った夢
14
枝豆の一粒ほどのバッタ跳ぶ 車の来ない夕暮時に
19
街灯の 灯り滲んで 息を吐く もうじき此処も 過去になります
20
肝心なときに効かない薬ならいらない痛みだけ抱きしめる
7
一日と また一日と 過ぎていく どうあがいても 止まってくれず
6
土用なれば夏バテせぬやう三尺の隙間を見つけ昼寝をきめこむ
6
暑き朝ジージーと鳴く蝉たちは短き命を削るがごとく
7
炎暑にも風にふわりとそよぐ葉に心ばかりの涼しさ覚ゆ
6
なみだ壺 通りすがりの はずなのに 鞄の隙間に 引き受けたなら
7
楽しみを自ら捨てる原因が些細な事と知っていながら
11
腕と脛 脇を剃り剃り 冷えていく下半身だけ
二
(
ふた
)
季節前
6
なくなって甘酸っぱさを思い出す梅シロップは恋に似ている
5
チャイム鳴り 教室駆け込む その刹那 シュレディンガーだ 私は誰だ
5
レゴの首ちゃんとはまってないような頭痛がしてる
「. 」
(
ドット空白
)
5
萎
(
しお
)
るる 花のとなりで 勢い増す コンクリートの 雑草のパワー
12
病弱の姉を連れ出し桃パフェ食べる今年の夏もどうか元気で
5
かき曇りひごとに落つるいかづちの雨にはぐくむ草ぞ恨めし
5
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