Utakata
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切り捨てて 痛まぬ心の鈍感を 冷静と呼び 鬼もこごえる
54
葉の奥に過日降りたる雪残り単色ビオラに一色足したり
48
いつもなら隠さず物言う賢人の言わぬ本音に優しさを見る
48
スノームーン最初に呼んだ人の名を知りたくなった二月の満月
44
街宣の車さえ見ぬ過疎の町 真冬日静かに夕映え
美
(
は
)
しき
42
月一度四季にて色変ふ山走り村里に湧く清水汲み来し
40
カッタタタ大樹を叩くコゲラ来て静寂の底に立春の音
40
「ふくはうち楽しかった」と立春の今日も豆撒く春呼ぶように /吾子三歳
39
最期まで ごはんを炊いて 味噌汁を つくって食べる 老いさらばえても
/
立春の朝
38
立春の 光りにダルマ 解けおちて 幻と知る
形
(
かたち
)
ある
故
(
ゆえ
)
の
38
前髪を整へし
女性
(
ひと
)
地下鉄の暗き車窓を 鏡代はりに
38
ゆうゆうと冬田の空を旋回すトンビ眺めて通院の道
37
天球の幕の裏には光ありそんな月です今宵の月は
37
でん六に赤塚不二夫の鬼の面定番だった私の昭和
37
群青の
宙
(
そら
)
の
雪洞
(
ぼんぼり
)
月あかり 描く吾の影 「まっくろくろすけ」
36
やっぱりね住めば都だ 片付けを終えて眺める新しい土地
36
ジャケットのフードをかぶりしのぐ雨 傘持たぬ時予報は当たる
35
「怠惰」という病のツケが三年の時を経ていまボディブロー
35
「ほんとはね」きみの気持ちを知った夜やさしい言葉がわたしを包む
35
冬晴れや水減るダムの底深く沈みし郷のまほろばの影
35
時々に頭もたげるモヤモヤも チャリを飛ばして剥がして落とす
35
雪だから細くなりゆく路地歩きすれ違う人袖すり合わせて
34
幼子がいない我が家の節分は鬼豆抜きの手巻き寿司なり
34
「限界」のキワまで冷えた骨組みを四十二度の風呂で煮直す
34
部屋干しで みるみる上昇 湿度計 洗濯日和に お日様ゴメン \ 関東はカラカラです
34
顔そむけゴミ出す人へ「おはよう」の苦さを連れて青空仰ぐ
33
太陽も星もコンパスなるらしき 春待つ
白鳥
(
はくちょう
)
シベリア思ふ
33
立ち待ちの月に引かれし通院の峠に待てり白雪の富士
33
優雅舞ふシラサギ冬田に降りたれば鶴と
見紛
(
みまご
)
ふ美し一こま
33
眠りつく直前に見るブルーライトあなたの言葉声のする文字
32
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