トウキビを 作りし夏の哀しみは 白鼻芯はなじろ先じて吾遅れをり 
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還暦を過ぎた私を親方はあの日のように「ちゃん」づけで呼ぶ
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猛暑下の給水の列眺めつつ蛇口の数はふえないものか
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セルフレジ導入されしスーパーの有人レジの列の長さよ
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無常なりあきつの翅に透くひかり 息ひそめ聴く 夏の静謐
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あの鳥が ついばんでいた 花種が 世界平和を 咲かせますように  
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赤ワインもう一緒には飲めなくて 勧め上手な義母の初盆
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吾子と見し夕空走る稲妻やとをを唱へて遠雷のする
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夏バテでまいってるとき毒歌が作れない俺やはり善人
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肩の荷を 下ろしていいよの 一言で もう一踏ん張り 出来る気がする
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ご近所の蝉がおかしい普通なら ミンミン言うのにミミッ……ンと言う
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午前五時窓から見える十字架に烏がとまった僕はもう寝る
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木陰では蝉の声さえ涼しくて 耳から先に夏がほどける
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出してきた退職届はフリクションいっそこの熱で消えないだろうか
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寝苦しい街の夜を裂く鳥の声遅れた夏のホトトギス飛ぶ
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山並みの向こうの街は見えないが入道雲の頭が見える
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願はくは今一度いまひとたびの春を得て過ぎし悔ひ路を辿り行かまし
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朝目覚め 天井見上げ 今日も生きてる サア 起きようか
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猫が寝る隣でビール開ける音 世界でいちばん幸せな音
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雨のこと嫌いじゃないけど 陽も恋し 真昼の電燈 八月の梅雨
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煌々と 海原わたつみの奥の 里の灯に 今ひとたび咲く 夏の花かな
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梅雨あけぬ七月尽のひるさがり珈琲のみつつ紫陽花をながむ
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朝靄に モルダウ川に かかる橋 いつの時代に タイムスリップ
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部外の私にできること。 憎しみに染まらないこと、染められぬこと。
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適齢期関係ないと強がりを言っていたのは二十五の時
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雷か夕立くるかと期待せど なんのことない近所の花火
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酔ひ醒めて うだる夜風に 気を散らし 露台に出ては うたた寝煙草
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別れには「再見ツァイチェン」という言葉がいい 再び見たい君の姿を
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遠回り いつもと違う 帰り道 こんなだっけと 変わる街並み
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ぐちぐちと ぐちをこぼして いるひとの よこでぐつぐつ なべがにえてる
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