Utakata
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梅雨晴れの 水無月往きて文月の
一年
(
ひととせ
)
早し時は巡りて
19
「酷い目に遭わされました!」と早口で 訴えながらも膝に乗る猫
12
歌会に歌を作りて三十年吾も老たり九十五歳
18
塚石に舞う黄ぃ揚羽 黒揚羽 つれてゆけよとわが手さし伸ぶ
19
水盆の中にトマトの転がって今日の生活始まっていく
14
紅葉
(
こうよう
)
を 知らない友に 見せたくて 秋詰め込んで 送った小箱
9
良くもまあ 食べに食べたね 欲のまま 天晴れ 育ち盛りの息子
11
人様を 遊びに誘える 人になる 遠い未来で いつかきっと
8
不満屋を
暖簾分
(
のれんわ
)
けした過去あれど今は希望の
卸商人
(
おろしあきんど
)
21
きみのさす白いパラソル待つ夕べ紫陽花こぼるる寺の石段
7
昨日の 疲労困憊 解けなされ 高濃度バブ 入れて朝風呂
13
ほぞをかむフラッシュバックを上書きす 孫らの両手に重たき抱っこ
11
始動する 今日がいちばん 若い日と われに告げたり 鏡の前で
13
巻き爪が伸びる痛みで飛び起きて ゴミ出し成功!三文の徳 /「早起き」
7
最寄り駅 やり過ごし来たこの街も 誰かの晩飯 カレーの匂い
7
弟とページを繰ればサバンナの匂いを運ぶ図鑑の中よ
15
夏の朝涼しきところ心得て老猫今日も庭を眺むる
21
入れるとこわからないので悩むのが無党派層と小野小町だ
9
実家通い疲労の滲む我を見て「外食しよう」と連れ出す夫
17
君といた あの日の風が 風鈴を かすかに鳴らす 君に会いたい
6
必要と不必要との狭間で泣きたくなるの孤独な夜は
5
手違いで届かなかった恋文は五年かかって親に届いた
6
夢破る イビキかきたる 猫退けて 我が手に君なく また猫を抱く
5
ペン先が 乾いたわたしの ボールペン まっくろくろすけ ぐるぐる湧いた
5
病から
備
(
そな
)
えに
通
(
かよ
)
う眼科医の「問題無し」を
糧
(
かて
)
に一年/検査
5
つのすえに
16
始まりの天孫
邇邇芸
(
ににぎ
)
は女系なり 女神の系譜を正統と言ふ
18
畑端一途に咲ける向日葵の誰をか見つめむ陽炎のなか
30
大人だし。切り替え向かうパソコンに だけどなんだか 蝉がうるさい
7
あさましき心で何説く文殊普賢と原発名付けし愚禿の輩
9
一回戦コールド負けと共にある汗と涙も後の財産/高校野球県予選
4
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