Utakata
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ひさびさに帰省した子を出迎える親の気持ちで見る青い空
13
からまった イヤホンほどく 指さきの あの声までの ルーティンワーク
12
鈴虫が 惜しむがごとく鳴く夜に 一人見上ぐる十五夜の月
15
茜色オーロラ照らす飛行機の 目指す先にはぽつねんと月
10
信号を 渡って振り向く 七歳の 傘と地面の 近さを思う
10
丁寧は過ぎればひとを遠ざける山車を見おくる雑踏ひとり
15
もし俺が煙草を吸える身体なら 今日で三箱ぐらい空けてる
9
抱っこして背中とんとん寝かしつけ過ぎ去ってゆくばあばの九月
17
なぜと訊くきみに答えるすべはなしただひたすらに涙拭えば
8
リフォームの済んだ隣室まだ誰も入居の気配無しに秋来る
9
色弱の君が選んだアイシャドウ 休みの日だけ大切に塗る
23
どんよりの曇り空さえありがたく思えるほどの雨続いてた
14
会うときに言おうと思い会うたびに言いそびれふと、会えなくなった
9
これは月これは太陽 衣替えはタンスの中の立派な宇宙
8
「ゑゑ」と送れば「なに機嫌良いの」わかってくれる君が好きだよ
7
この歌に 出てくる女 誰なのよ 少し妬けるわ 夕焼けの君
7
捨て去りし故郷は遠く今の居を心やすらぐ終の棲家に
7
読み方も分からぬ駅に一人立ち あてなく歩く 秋晴れの日
7
絹の雨 しなやかに揺れ 朝霞(あさかすみ) 濡るる乙女の 髪ぞ艶めく
7
漫然と 過ぎゆく日々に 悲しいと 思いつつまた みてるなスマホ
7
倒れても起き上がらせば色変わり秋の気配か庭のコキアよ
10
哀しいのかくやしいのかこわいのか はてなくつづく青すぎる空
11
神の名を探し求めた先で見た 辞書の最奥 私の名前
6
老いる度 憂いが増えて 愚痴増えて 元気が減って 喜びも減る
8
ほととぎすの黄花の咲きしと妻の誘ひ。蚊遣りを持たずきて後悔しきり
6
潮風に 吹かれて望む 雀島 泳いで渡る 廿八間
6
部屋の隅 長く居座る 寂寞を 飲み干す欠伸 神無月の夜
6
秋進み 日が暮れるのも 早くなり 休みは特に 短く感じ
7
胸ひらき 深く呼吸す 秋の朝 も一度息を 胸いっぱいに
8
あゝやっと 「秋晴れ」来たかと 空見上げ 乾いた風が 頬を撫でてく
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