Utakata
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おはようと 挨拶交わせば 茄子キュウリ 我に手渡す おばちゃんの笑み
16
振り向けば あっと言う間に過ぎてきた 一年十年 多分一生も
14
丸二日 そぼ降る雨は小糠雨 野菜農家に休めと諭す
17
血のなかに病のごとく棲むものか家族という名の解けぬ因果は
20
思い出に溶けゆく日々の積み重ね 川に流れて丸くなる石
13
網目より忍び入る虫避くるべく渦巻くけむり夏を告げをり
11
新鮮が一番だよと励まされ野菜作りは草取りの日々
19
持たされた袋の中に夏野菜 愛がずっしり祖母まだ詰める
18
言い訳を零して歩く靴底をどの太陽も照らしはしない
9
こぶりなる紀州みかんを
有田
(
ありだ
)
むき孫はまねする炬燵のむかい
9
青春が 我にもあったと 思わさる フェンス向こうの 空とファイ・オー
9
花束をすべてキスだとした場合ファーストキスにあたるガーベラ
9
稲植えて草を抜きたるその先は 祈るがごとく空を見上ぐる
9
隣人の明日がいい日であるようにハートをひとつ色づけてみる
16
そっと吹き 膨らませたよ 紙風船 やさしく打てば しあわせ跳ねて
15
跪
(
ひざまづ
)
く夏の畑の少年の鋏閉じれば手にする胡瓜
8
葬儀にも行けざりし友の命日を 生きて迎へて詫びつつ暮らす
12
店名と ロゴが奇抜な パン屋さん 初めて行ったら 近々閉店らし
7
老後の備え 保険に投信 星の数 カネのなる木を育てることから
8
今日もまたエノコロ草を摘み帰りあの子の写真に語り供える
13
いつもより重たい空に磨かれてすべてが色を取り戻す夏
17
お昼どき 最後に残す 卵焼き 醤油の濃さで 今日を感じて
12
梅雨明けが 間近にせまる 晴れ空に 君の笑顔が 眩しく見える
12
詰替えがボトル品より割高はリデュースなぞも馴染みがたしや
6
万緑をロープウェイにて眺むれば枯れたる杉のシミとして在る
8
木漏れ日の下に立ってるカマキリに小さな鳥の閃光一つ
10
アボカドの種にぱつくり割れ目入りぬ。鉢植ゑせしより
一月
(
ひとつき
)
あまりで
6
機種変に時間と体力捧げつつ数年後をもう憂いておりぬ
12
五年前に 笑った動画で 今日ふいに 二年ぶりにも 涙こぼれぬ
11
街中
(
まちなか
)
に
雀
(
すずめ
)
やカラス
散歩犬
(
さんぽけん
)
何か足りない猫が足りない/窓辺猫さえ
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