Utakata
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新米の 豊かに実る秋なれど 場当たり農政無策なるかな
22
医師からの告知を受けて早一年
運命
(
さだめ
)
受け入れ木洩れ日さがす
14
近々に私消えるという事実知ってるような知らないような
12
今宵
(
こよい
)
また 孫と机を 並べし 至福の時を 胸に刻んで
12
僕らみな花火みたいに見えるかな 違う時空のどこかで見れば
18
朝めしに熱い味噌汁すすっても 汗ばまないからなるほど秋か
18
基準値を大幅に超えて今きみの瞳に星が星が星が
9
名を呼ばれ 振り向き君の 浴衣見て なびく袖髪 心奪われ
12
行合ひの空の余白へ鰯雲 微かな風も秋を連れきて
8
出張先 電車止まって帰れない旦那を想う 大雨の夜
10
堂々としておりました 堂々としていなければ泣きそうだから
21
肌寒い ついこのあいだ まではまだ 暑かったのに 寂しいじゃんか
13
朝早く聞こえた絶望 スマホから 着信音の主はケアマネ
9
「辛いよね」「分かるよ」だって笑っちゃう あなたに何が分かるのかしら
8
ひと夏で一生分の恋をした 繋がりトンボを視界の端へ
23
手のひらに熱さが残る喧嘩して返す言葉がなくなったあと/題『返』
18
瓜食めば子を思ひたる憶良ゐて 「
孤
(
ひとり
)
」の文字や宝に見ゆる
14
嵐去り青空に雲流れゆく吾のわだかまり拭い去るやに
14
スーッとするボディシートの安売りのドラックストアに秋を感じる
6
犬のなき季節の空を遠く見る 雲の足跡 元気でいるか
9
泥棒の親分いつも諭してた「技は盗んで覚えるんだ」と
7
一部屋だけ消灯した家の台所から伊集院光の笑い声だけが飛んでくる
5
シャーペンのあたまが どっかにいっちゃった せっかく かわいい三毛だったのに
19
傘
布巾
(
ふきん
)
何
干
(
ほ
)
したっていつまでも
湿
(
しめ
)
っぽいのに堪えかねて
14
カメムシは高層ビルの窓に居て「どこから来た」と皆に聞かるる
11
秋風に そよぐ木々あり 東野の 薄き黄葉は ゆるやかに増す
7
慌てないきっと必ず思い出す これまでもそうこれからもそう
14
あたたかいくるみパンから立つ湯気を見るため暗いままでいる部屋
5
寄り添ひて三十三年果てるまで君の目尻の皺に頬寄せ
6
永遠に続くと思ふ痛みさえ癒やす力を体は秘める
5
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