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絶景の桜に
被
(
かぶ
)
せしキャッチコピー駅構内で春につかまる
46
夫逝きて
三年
(
みとせ
)
目の春紅梅の咲きて嬉しや命の満ちる
43
図書館であれこれ迷ふも手の 中に毎回似たよな健康本あり
42
手放して出来た隙間を覗いたら見え隠れする大切なもの
42
それぞれの背負ふ荷物の重たさを触れずに終わる今日の女子会
41
ユーミンの歌詞が優しく飛んでゆく冬と春との間の空に
53
立春を十日過ぎても真冬日の桜もちだけ唯一の春
39
贅沢と車所有を禁じられ移動手段がタクシーな矛盾
39
十七の君に渡したチョコレート パッケージ褪せアルバムにあり
37
透きとおる 若葉が灯す きさらぎの まだ雪のこる うたかたの道
/
welcome
36
風抜ける小高き丘に登り来て観光地となる農村眺むる
36
ピーポーが半音下がり通過して見知らぬ人の非常時を知る
36
スーパーで 五百円するあまおうを エイヤッ!と買い 自分にご褒美
35
婚前に 君にもらった ミントチョコ 潤むまなこで 遺影に供へ
35
白い蕎麦、人見知り猫、冷の酒。僕を愛する準備はできる
35
ラブラブのハスキー二匹を唸る犬 恋の火花を春が覗けり
35
退社後のバス停 濡れたアスファルト ベンチの
滴
(
しずく
)
通り雨の跡
35
柿の実を啄む鳥と睦月去り
鴉
(
からす
)
一羽の裸木の空
35
手の甲に鉛筆芯の黒き点 君のくれたり暮れの学び舎
34
きらきらと春呼び寄せる陽光にスカートの裾ひらりと揺れる
34
咲き初めし梅に白雪降り積もり溶けて色艶失せし
姥梅
(
うばうめ
)
34
プランタを 花咲か婆ちゃんから もらい 花より野菜のタネ 選ぶ 孫
34
桃色の 花を飾りて 春が来る 長き冬の日 忘れるほどに
34
今もなお時を刻めり腕時計 手にとる朝に早春の風
34
雪の宵 休みの園に影ふたり だるまに捏ねる保育士の汗
33
三十七度六分の熱に寝込みつつ息子が鳴らす家事音愛し
33
亡き母と二人旅などしたかった命日近づき今更思ふ
33
気のおけぬ 学生時代の 友たちと 苦労話を 笑い飛ばして
32
隠し
(
財布
)
より 出る遺品の メモ書きは 父に渡した 我の番号
32
涙鳥
(
るいちょう
)
の天に舞い立つりくりゅうの光に酔いし明けの
金星
(
きんせい
)
/コルティナ五輪
32
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