「おかえり」と父の笑顔の後ろ側 母の気配も伝わるお盆
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白波に 遠くの崖と青き空 病の体 痛み凪ぎゆく
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庭に咲く 鬼灯紅く色づきて 盆棚飾る時節となりぬ 
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風に舞うとんぼのはねのかろやかに 暦ひもとき立秋と知る
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夏が来てトルクが伝うインパクト工事の汗が床に滴る
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どれだけか 癌の寛解 病むこころ 先は見えずに 残る思い出
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帰り道 わざと間違え 遠回り ふたり並んで 自転車を押す
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昼はまだ蝉が唄うが夜の部は蛙に秋の虫が交替
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立秋とニュースは言うが 熊蝉よ おまえの声はいつ止むのかね
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ウドの花のメルヘンチックな可愛さに小さな妖精隠れてそうで
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傷探し治っているか触れてみてまた疼き出し持て余す夜
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2分後に返事してすぐ既読つくずっと1人にさせてごめんね
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朝方にわずか二時間草取りを 昼寝醒めたら既に夕刻
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卒アルの写真をそっと抜き出してAIに命じた五十年後
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若杜氏 ふくめば納得 ぶりホタテ 八年八月 八日の理八
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哀しみに半減期なし原爆忌 胸の奥処に響く黙祷
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大切と 呼ぶには少し 遠すぎて 忘れるにはまだ 近すぎる人
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母詠みし半世紀前の短歌あり 九十路の父とこころをたどる
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多幸感ピンクメイクは貴方には見えていたかな花火大会
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ソプラノが出ないあなたも素敵です とても綺麗なステンドグラス
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末娘夫婦を見送りぼんやりと庭眺むるに残暑の雷鳴
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米の値が下がり始めて誰か泣く電信柱で蝉が鳴いてる
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金髪をやめないきみとのカラオケにこう生きたかった人生を見る
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夏雲が鯨のように浮かんでて影はゆっくり山野を泳ぐ
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乳児らのくるま押しゆく保育士の知るか知らずか拝一刀おがみいっとう
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呼び鈴と 喉を蓋する さようなら 振る手に茜 近い夜を嗅ぐ
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シャンプーと歯間ブラシが底をつき散歩キャンセル出来ぬ日だった
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気がつけばベッドの上にをるタヲル ひんやりと妻の温度を感じる
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一人きりベンチに座り背をただし「そいつが俺だ」とメールを入れる
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手土産はお値段よりも大きさよ列に並びて言い聞かす午後
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