『お父さん毎日駅までありがとう』こちらこそと一人呟く
15
夏草を分け入り訪ね行く道は字名残るも面影はなく
21
キッチンのケトルの悲鳴聴こえればビーチフラッグのごと駆け付ける
15
べたついた身体で寄ったスーパーにサンマみつけた秋のはじまり
17
畑にて寛永通宝出土せり どのご先祖の落とし物やら
21
吊り橋のようにはじまる新学期そろりと起こしそっと見送る
17
アルコールに難溶性のストレスも君と話せばほどけゆくなり
11
エアコンのうちにゐるまにとき遣りぬ 惜しむ間もなくつき愛でる月
9
化粧くらいしろよと宣う人間に晒す素顔は持ち合わせない
9
まだいない人を思って小さい小さい服を二人で選ぶ
26
はいはいを始めた君の足首に一人前にくるぶしできる
24
路傍より残暑を眺む猫じゃらし 行き交う車にふわふわ揺れて
15
親戚の葬儀休みて稲を刈る 明日から雨 神は許すと
8
流星は神の槍投げ煌めけり 行方は誰も知る人はなし
7
引き出しが閉まればいいと思ってる 大切なもの全部詰め込む
7
夏休み 終わったような 寂しさを 秋空見上げ ため息九月
8
今ふっと気が付きました「西郷」は仮名かなで書いたら最後「う」ですね
7
まだ暑い九月の朝の公園で年配方がグランドゴルフ
7
思ひ出す浜の秋風浦の里安芸あきの秋にも風は吹けれど
8
酒をまだ飲めないからと缶コーラ傾けカイジの真似をしてみる
7
まだ蝉が鳴いているから夏だろう室外機だってまだうるさいし
7
夜の雨虫のなき声かきけして眠りを誘ふ心地よき雨音
7
若かりし 多感な頃の想ひ出が 吾が胸深く縫ひ込まれをり 
9
ステンドのグラス通して射す光犬を抱きしめもう眠りたい
9
安心は目には見えないものだから 手を離すときは「またね」と言って
6
かけられて餌やり放つ 箱罠の子狸の目のかわいい魔法に
6
コスモスは色づいている立ちくらみぎゅっとつぶったまぶたの裏に
6
あなたなら気づいてない 知ってるわ 私が本気で怒っていること
8
『チョッキ』とう響きが似合うベビー服 秋を待ちつつ編むは楽しき
22
今すぐに全てを捨てて会いに来て なんて言えたら苦しくないのに
6