左手の小さな火傷気にもせず惣菜を揚ぐパートの母よ
17
幼日の 秘めたる願ひ短冊に したため静けき七夕の宵 
18
雲の下これじゃ逢えぬと冷やかしの 声も届かぬ天の二人よ
14
また猫を 認知予防と 迎えれば 愛しさ増して体力尽くる
14
永遠を夜空に祈るくらいなら 許されないでしょうか七夕
11
どこからかレモングラスの漂いて庭の小径に夏への扉
33
駅西のロータリー阿鼻叫喚、大樹に狂ふムクドリの群れ
12
梅雨時の濃さ増す緑の壺庭やそこにいたのかまいまいつぶり
10
天の川涙の雨にあふれつつ橋も渡せぬ君ぞ恋しき
8
アパートで怠惰に暮らす現代の織姫と彦星が起床する
7
公園の ハマボウの黄で 一日の パワーをチャージ さあ始まりだ
9
雨止みて庭の草引く我が手にぞ四葉光りて心晴れゆく
17
山積みの洗濯物を嘆けども 一枚ずつの手しか持たない
8
七夕に娘が生まれ、祖父は亡くなり、孫は元気にじいじとあそぶ☺️
6
南国の植物に沢山の短冊をかける弟へ祈るや幸せ
6
似合わない カシスソーダを 口にして 君の笑顔を そっと飲み干す
6
いいねなど 何するものぞ 強がりて 一つ頂き 破顔せしわれ
6
例えばそう たくさんの本に 囲まれて 好きな世界を 好きにお散歩
6
ヤブガラシ窓のひそめる空からの家  風鈴だけが夏を待ちをり
6
水槽を覗く我が目も覗かれて生きてるだけの意味を尋ぬる
6
ピアノ持つ ことに憧れ 弾かぬまま 序章で終わった 母のバイエル
6
「ドラゴンは空と同じ色してるから見つけにくい」と眼鏡かけるきみ
11
記憶とは波のようで久々にウォークマンを開いて泣いた
10
花の名は記憶の奥で揺らいでも 優しい声はまだここにある
5
グラウンド 颯爽走る 真っすぐに  汗で臭へど 君は益荒男
5
タワマンの窓際でする逢瀬とは 違いますので曇るぐらいが
9
幾光年 超えて逢いに行く 乞巧奠きこうでん きっと織女も よそ行きコーデ
5
不条理で理解に苦しむ関係性 口縫い醜女おんなになぜにひれ伏す
10
水筒や折り畳み傘持ってまでしなきゃいけない程の散歩か
17
亡き夕と見ゆる文字面七夕はあやに悲しも君隠るより
7