乳飲み子の乳(ちち)飲むごとき静けさに暮れてゆくなり秋雨の午後
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気の早い洗濯物が呼んでいる 息も吐けない家事の間に間に
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ことわざも言ってるじゃない?東北の親戚よりも四国の他人
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カーディガン差し出している下がり眉/三十七・六度で微熱
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乗る人の少なき車両に黙礼し車掌は静かに扉を閉める
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命から命に繋ぐ昼の月新月生まれのきみがきれいで
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髭剃りの切れ味落ちても替えられぬちょっと自分に似てる気がして
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みそ汁の えのきが奥歯に 挟まって 取れないような 1日でした
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いぬがすき 逆から読んでも いぬがすき そんなわけない けど、犬がすき
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ランチ後妻と分かれてデパートのひとり旅する 珈琲愉し/妻も多分楽しい
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汽船乗り大分までの逃避行国をあげての狂騒よそに
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お握りを 夜に喰いたい 行きたいな ホームでできぬ 肝試しかな /コンビニ
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ラブレター マナー講師が 添削を して残るのは 「好きです」の文字
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寺の屋根に昇る朝日の茜色空いっぱいの雲迄染めて
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この気持ち一体何かと問われれば 辞書の「孤独」に涙が落ちる
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遅咲きを褒め称(そや)されて思い出す 冬に羽化したモンキチョウ/紋白蝶の翅の裏側は黄味帯びている
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秋の昼危篤の母の心拍の音聞きながら子の喪服選ぶ
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AIが人間(ひと)の値札を剥がす夜 月の裏側で花火をあげる
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むかしより 近く思える 白い線 成長を知る 懐かしの道
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またいつか同じ形の月を見よう きみの帰国は三週間後
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打ち明けるなら君だけと決めていた秘密を他の人にも言えた
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雨の日に買い物行くの面倒も今日はチャージにボーナスがつく
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ちちわくに人はいふとも植えてみむ去年(こぞ)の畑に同じ野の菜を()
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日の出前明るくなった空を見て「半分朝だね」早起きの君
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霜月は穏やかな日が続きおり 心鎮めて秋を味わう
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かぼちゃ柿じゃがいも玉ねぎ並びをり実篤翁は柿と語らふ
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幸せは零れやすきか朴散華 ベンチの媼ひとり呟く
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徒歩で行き入り口で除菌マスクでもどこで拾うか風邪を引き込む/数年ぶり皆様もご自愛を
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不意に落つ 涙は何に 引かれしや あくび それとも片恋の歌
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剥がれゆくかさぶた見つめ午後三時茶を啜りつつ軽くなりゆく
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