Utakata
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夏草を分け入り訪ね行く道は字名残るも面影はなく
17
はいはいを始めた君の足首に一人前にくるぶしできる
21
青柚子と 青唐辛子擦り合わせ ピリッと香る柚子胡椒かな
13
まだいない人を思って小さい小さい服を二人で選ぶ
21
今年って あと
4
ヶ月 もあるのか
4
ヶ月しか ないんだろうか
10
吊り橋のようにはじまる新学期そろりと起こしそっと見送る
13
「焼売」を「シューマイ」と書くつまらなさ うまそうなのはやはり「シウマイ」
17
べたついた身体で寄ったスーパーにサンマみつけた秋のはじまり
9
畑にて寛永通宝出土せり どのご先祖の落とし物やら
15
陽炎の 残りし午後の 街角で 揺れる晩夏と 初秋の境
11
法師蝉ちょこっと鳴いて止んだのは試し鳴きかなまだ酷暑だから
8
キッチンのケトルの悲鳴聴こえればビーチフラッグのごと駆け付ける
11
『お父さん毎日駅までありがとう』こちらこそと一人呟く
8
スーパーの果物売り場の品揃え葡萄が増えて秋の足音
18
AIに自分の気持ち聞いてもらい夫の前で笑顔で居られる
16
万智さんが教えてくれし『滑走路』「生きる言葉」に載りし歌集よ
11
一歩ずつ後ろに向いて歩き出す あの日のビッグバンに会うため
7
感情の発露はもはや暴力と 菩薩の顔の新人が言い
8
路傍より残暑を眺む猫じゃらし 行き交う車にふわふわ揺れて
12
ほっぺたの化粧を布で拭われて 小さき頬が寄せる体温
8
普通盛り一回よりも小盛り二回みたいに目標立ててみる
5
この歳にジョッキ傾け泡髭のビールの美味さ知らずにコーラ
13
野良猫の 雨宿りせり 軒下で なに思う猫 虚ろまなこで
10
アルコールに難溶性のストレスも君と話せば
解
(
ほど
)
けゆくなり
6
木の役のあの子が自我を主張してそこから劇がおもしろくなった
12
干し忘れた洗濯物とそれを見つめるカーテンの向こうでガキが転んでる
5
カレンダーめくれば九月それだけで朝の珈琲香りも変わり
8
編み笠に涼しき瞳風の盆 坂の町並み灯はゆれて
9
カラーパス・カクテルパーティー・シミュラクラ 「雨の匂い」も名前があったな
6
手を伸ばす先のとどかぬ光より落ちる影こそ愛しかりけり
7
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