浮かれてる夏のこころに水を差す現実の雨地面を冷やす
17
海苔巻きの端っこはいつも私なの 母の優しさだったってこと
20
百歳の母に手合わす人のいてそりゃあ仏に一歩近づく
19
三度目はできるはずだと息ひとつ マックの注文画面に触れる
14
Tシャツをポケットにして山盛りの 夏の野菜ときみの笑顔と
14
真っ白な百日紅だけ揺れている真夏の真昼陽炎の中
13
「あの人も配管工をしてたの」と田舎の祖母がマリオを見ながら
15
朝餉前 草刈りの音響き来て 暑さ避けゆく農家の暮らし 
22
もう死ぬと 告げるユーモア 残したり 五郎教授の 盛夏の旅立ち
13
降車ボタンだれかが押したとだれもみな思って押されず通過する海
10
朝ドラで斎藤茂吉をやるという鰻は何匹食われるだろう
11
炎天下日光浴した自転車のサドルに皆の指が離れる
9
品川の 水面にゆれる 舟の灯は いまもかわらぬ 明日のうたかた
8
あの人のいないさみしさわけあって 今日も明日も生きねばならぬ
8
缶コーラ ふったのに渡す 君の意図 分からず過ぎた 梅雨のまぼろし
8
真夏日の 残す地熱を 和らげる 曇りの空に 安堵する朝
9
なく蝉の涙の露に秋かけてまだき色づく森の下草
11
熱中症予兆が有れば直ぐ伏せる予防の決め手事なき得たり
7
張り付いた Tシャツの袖 捲り上げ 今年の夏は あの夏の日に
8
星に行く銀河の船に乗り遅れめちゃくちゃ怒られる夢を見たよ
7
戦争を知らない子供に語り継ぐ 平和の誓いを守れぬ大人
7
冷却のために働く夏の昼 高校球児は日に日に消えて
9
ミニトマト一粒摘みしベランダはブルベリ終えて赤の始まり
7
遠ざかるバスに向かいて控えめにてのひら振って行ってらっしゃい/ひさかた乃さんへ
7
公園でグランドゴルフ御老人子らも遊ばぬ暑い昼前
6
四十度溶ける暑さに酷暑日と名付けるよりも汗日暑日暑日あせびしょびしょび
6
前職は天使でしたというひとが休暇のたびにくれる綿菓子
6
歌を詠むご飯を食べる仕事するいつか何かが変わる気がして
11
これふむと ピッていうのが おもちろい面白い ちま猫ちゃんの りもこん・あそび
18
耐えがたき暑さなれども猛暑日にならねばなぜか負けた気がする(最高気温34・9℃)
6