Utakata
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息つぎの仕方を忘れていた日々の服を静かに脱ぎすてる午後
30
爺ちゃんと孫の二人がカフェに来て会話やりとり可愛すぎるよ
17
屋根裏で蠢く音の正体を 霊障であれと初めて願う
16
たまにはと階段上れば心臓が運動不足の警鐘鳴らす
14
どちらでも 本気の顔が 見たいだけ 怒るにしても 笑うにしても
13
母になり ライブハウスはほど遠く でも風や木が 微笑んでくる
12
五月雨の岩根に沈む鳶一羽まなこ塞ぎて風を待つらむ
12
寝室の シーツ二組取り替えて 一人りんちゃんごっこに興じる
12
依頼者の寿命を当てる占い師予約いっぱい貯めたまま逝く
13
返信を提案される世の中に 何だか愛も薄れてくよな
10
猫だとか恋人だとか夢だとか我が砂漠にも欲しいキラキラ
14
心臓の 裏の冷たく柔らかい 僕の住処に 風は吹かない
9
右手から葉っぱが弾ける音がして静けさを知る雨のベランダ
15
新人と重ねる日々の空もよう不惑の文字の遠く霞んで
9
「嬉しい」の受け止め方がわからない 否定で作られてきた「私」
20
潮船の並ぶ泊りに老いの波けもの寄れども若人寄らじ
11
角にあった焼き肉やさんがなくなって慣れてしまった街の人たち
13
闇を切る 流るる星に 祈りしも 君の帰りは 終ぞ叶はじ
7
夫
(
つま
)
が言う 「明日から歩く」ほんまかい お手なみ拝見 楽しみ増えし
15
冷房の二十六度は涼しくて雨の二十度気疎げなり
8
私の軸を 根底から 覆す 君の底抜けの 自己肯定感
8
曇天を微かに染めてきえゆくは淡紅の透く暮れのひととき
6
触れぬ距離 保ったままで 揺れる影 ブランコだけが 先へ進んだ
6
雨降りで外出せぬと決め込んでゴミ回収日も失念したる
6
髪の毛を乾かすついで冷風に夏を感じた夜中十二時
6
「また来週!」と手を振り帰る木曜日。老いには週休3日がよろしも
6
雨に濡れ 鮮やかさ増す山ツツジ 薄紅色に咲き誇るなり
12
ほんたうのペアのグラスはすぐに割れかたわれづつを冷やす再婚
12
たんぽぽの咲いていたあのおうちは雨の似合う 弁護士事務所になりました
7
酔いどれの 爺さん拾えば 元陸士 駅にて別れ 敬礼される (新宿にて)
9
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