Utakata
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流れ行く雲を見上げる猫の鬚かすかに揺れて秋風が吹く
25
海を見ても叫びたいこと叫ばずにきみはひたすら「うみー」と叫ぶ
21
切なくて 優しく笑う朝の風 りんの笑顔がおまえに似てる
13
煎りじゃこの
八百
(
やお
)
の
眼
(
まなこ
)
に睨まれど 平然としてご飯にのせる
19
盆の暮れ 爆ぜた花火が星となり落ちた火花が蛍になった
11
ひととおり欲望満たす時期は過ぎ、改めて夢、破れてみよう
17
盆休み なかったけれど まわりみて 盆休み感 雰囲気もらう
9
夏の夜の 大空焦がす尺花火 儚く消えて夏は過ぎてゆく
15
猫好きの私が犬と遊ぶ
理由
(
わけ
)
?こっちに走って来たからだもん
8
ぼんやりと浮かぶ猛暑の夕闇に 初雪草の白い輪郭
16
「やまない雨はないよ」とかふざけるな 今降ってるから困ってるんだ
7
「いつ帰る」 今来た子らに まずは聞く 過ぎゆく夏は 瞬きの中
30
特別な魔法だったとありし日の祖母と作りしお盆のおはぎ
30
よく晴れた 空と母にも 感謝する 明日も幸せ 誕生日来る
11
彼岸花一朶のあぜの予約席 来ぬ人おもふ秋の夕暮れ
17
目が覚めてくらりカフェオレいれた朝 だって十九の八月だから
11
革張りの緑のソファー、玉のれん 菓子盆にはいつも丸芳露
8
帰り道 酒としょうゆのいい匂い ぐつぐつしみしみ うちも作るか
9
春ならば誰かを濡らした冷房の結露が床へ散る朝のバス
6
盆明けの検診予約の多さにて月曜なれど気分は週末
6
去年まで何があったか
1
ミリも思い出せない更地がひとつ
7
千葉豪雨半分で良いこちらにも 萎れし木々に水遣りをする
7
この月は
七十年婚
(
プラチナこん
)
の祝いどき九十なかばに揃って達者
18
道端の花の名前が知りたくて家内に聞けば即座に答え
21
送り火に 今亡き御霊 送り出し 来年もまた 来る日を願う
16
餌撒けば金魚集ひて背鰭打つ 六十センチの世界が揺れる
17
友達と 線香花火 していたら 上下間違え 持ち手が炎上
6
敗戦日悲劇のかずをつみ重ね人は忘れるかなしいくらい
5
夏はまだここにいるよ、と雲が言う どこにも行けない私のために
5
苦しさも悩みも持たず生きるフリ そんな大人のつま先を見た
6
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