Utakata
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「お母さん、スマホでとって!」風呂場から薄紅色の雲を指さす
16
旅行中ビルの高さに上を向き 東京人は皆下を向き
15
宿世ゆえ 逃れられぬと若き頃 東京(みやこ)を捨てて七十路の坂
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わたしとは三度祝った誕生日 今年は誰と祝ってますか
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きっと耐え難いことでもあったのね 金平糖をすり潰す人
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駅を出た 床屋の前の 書店無し 三月経つ間に 変わりゆく町
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やれることすべてやったさ そうだろう? ぬるい湯船で手と足のばす
11
向日葵の幼き芽立ち見つめつつ今年も暑き夏を待ちをり
10
いつの間に大人になった 嫌な顔一つもせずに飲むジャスミン茶
10
ちょっとした猶予みたいな夜だった むき出しの腕を撫でる涼しさ
12
奥行きのある世界へと旅立てるそんな旅なら仕度をしたい
11
涼し気な入浴剤が合わぬ今日バラ売りの「バブ」一個贖う
14
お向かいの更地を照らす水無月の お婆ちゃんの笑み、僕のフォルダに
21
返信は いらないなんて またしても 言葉が裏抜け 逆さに読んで
14
早口のドラマの会話に置いてかれ 対象年齢外れた耳かな
9
西の空 潜水艦に似た雲が金星目指す 新月の夜
11
消し忘れ サッカーのため アラームが 今日も鳴って 早起きしてる
8
ため息の漏るる音すらくぐもりぬ 人も薄れて 暮れる待合
16
「一区切りついたら先へ進めばいい」「つかなかったら?」「ここにいればいい」
8
鉄骨のすき間の藁を引き抜けば無毛のヒナが出て来、押し込む
9
出稽古を終えて静まる体育館 薬缶に結露 うすきカルピス
14
明日から仕事が一つ増えました梅シロップの瓶の振動
7
緑より
碧
(
みどり
)
に近い 山々は この
霖
(
ながあめ
)
で なお青くなる
22
デイケアは久しぶりにて薔薇の花黄色の言葉の友情ありて
9
牛車
(
ぎっしゃ
)
より裾
仄
(
ほの
)
見ゆる祭りかな蝶の羽風に匂ふ橘
9
土まんじゅう叩く雨音聞きながら 熊の帰りを待つ肉となり
6
この記事は後で読もうと思いつつ いつもいつしかすっかり忘れ
11
大丈夫と言った父の背は少し曲がり始めて小さく見えた
21
知らぬ地で 最後の砦 人頼り AIよりも 我を救いて
19
別れ際 忘れないでと言うもんだから いつまで経っても嫌いな
4
月
8
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