卵もね値上がりしちゃってごめんなさい八百屋の奥さん悪くないけど
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朝出会ふおうな畑の草を抜く丸き背中は土慈しみ
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朝の明けアジサイの花露落とし気づかぬ夜半よわの雨を教へり
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日記には良き事一つ書けと云ふ 花見て歩けり空青き日に
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花言葉「追想の愛」咲き乱れ 放棄畑に 春紫苑ハルジオン 揺る
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朽ち果てた パチンコ店の 駐車場 かつての栄華 そのままに藤
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一日の報告したい事すらもためらう送信えいや消去
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残り鴨飛び立たぬのかいまだまだ 訳でもあるか足でも痛いか
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言の刃を ふりまわしたい気分の日 斬ったら切れていたのは自分
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ゼンマイは 巻き過ぎちゃうと 切れますよ 心も同じ ほどほどが良し
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夏手前 合図来たかに蔓のばす支柱上るを見る朝楽し
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晴れの日のあめんぼ達が作り出す雨だれ浮かぶ池に見惚みとれる
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鍬をふる 夏の野菜を 食むために 時をさまよう あなたのために
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束の間に通り過ぎ行くだけだけど五月の庭の薔薇は美し
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南国の 空と海とに 魅せられて 疲れし日々に 英気養う
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水仙のささやき聞こゆ庭隅は反故にし言葉いくつもうず
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雨上がり街に燻る木の香り夏が来るかな密かな期待
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隣家の芝生にたんぽぽ蔓延し先ごろ主は逝去と聞きし
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火葬前 孫の嗚咽おえつに 皆涙みななみだ 夏場所観てる そらの枡席 /父葬儀終了
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花びらの揺れる菖蒲あやめの萎れゆく淡いいのちの光り残せり  
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Utakataのいつも会う歌人たちへの友情が勝手に芽生えおっ詠んでるなと今日も達者と
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いつまでも心は若いままでいて錆びた体を引っ張っている
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初夏という春でも夏でもない季節曖昧なれど緑は濃くて
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昨日より太陽の匂い濃くなって駆け足で過ぐ春から夏へ
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間引きたる みかんの枝の 花つぼみ 香り惜しみて 写真に供え
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沈みゆく 夕陽を背にし 虹掛かり 南の海に 祈り捧げる
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甘夏の酸味甘味に魅せられて日毎いただく庭にたわわの
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薫風にいだかれながら 葉に一つ 月下美人の小さなつぼみ
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植えられし 青田の水面瑞々し 清きみどりにつばくらめ飛ぶ 
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久方の息子の姿その声に目元のほくろあゝわが子なり
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