谷水の深き緑に袖ちてむすぶ手近くはしる若鮎
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指のたこ 左官のこてに指を添え脚立の上で壁塗る父よ
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ムクノキの陰に園児らやすらぎて五月はこんなにも美しい
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黄色く花びらうすく咲きなびく初夏の薫りの花は爽やか
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フロントの若葉マークが吹き飛んだ いつか何処かの青い野原へ
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夏野菜カレーに挑戦しようかなマイナスイオン意欲促す
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珈琲に深きため息染みていく 黒に混じりて悩みも溶けて
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新聞の バイクの音が近づけば 朝靄の中今日が始まりぬ 
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帰り道 話題を一つ 落としたまま 拾わず歩く 街路灯まで
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自販機のあかるさのなかタンポポと夏のありかを探すサイダー
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暑ければ冷房つけろテレビ言う節電しようテレビを消そう
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いつもより 早めに起きて 支度した だってあなたに 会えるのだから
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銀色の 砂丘に風が 吹いている 月の目をした 鴉が飛んだ
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灰色の日々もあなたがいるだけで 透き通ってゆく、はつ夏の風
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畑から 戻って三杯 氷入れ 麦茶を飲んで 五月の正午
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同じ空いつもと同じ田んぼ道下手くそな歌聞き逃す風
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仕事なく早上がりする月曜の居心地わるい子の誕生日
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今日も行く 昼餉の店は 定休日 繁く通えど 定休日やすみも知らず
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私より上手いあの子がこの道と関係のない進路を選ぶ
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悲しみは部署の宴会遅刻して部長の横しか席がないとき
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岩が根に響く鳶の音胸に澄み我が愚かさよ知るを知るらむ
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映画館 チュロスを握ってふと気づく  あの子にもこうすればよかった
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不毛なる争いやめて巻き込むな私は中立 きのこたけのこ
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エアコンの効いた部屋にてサイダー飲むなんて優雅な猛暑日なりけり
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君のため 歩いた癖が 抜けぬから 日暮れが遅く 家まで遠い
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三行半みくだりはん 酒に突き付け はや年 夏のビールに 復縁迫らる
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人も木も 種々くさぐさに花の 咲き満ちて 時うつろへど 永久とわについなし
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絹さやを嫌というほど食わされた 実家の飯のああ豊かさよ
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あらし過ぎ 瘡蓋かさぶた剥がし また重ね なに食わぬ顔 凪を疑ひ
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主のなき部屋にたたよふ在りし日の家族の影のとほくこだます
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