Utakata
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今朝はまた
ひとへ
(
[単衣]
)
に露ぞ置き増さる秋風
立ち
(
[裁ち]
)
ぬ衣手の森
14
嫌なこと 全部自分の
所為
(
せい
)
にした なぜか心が 軽くなりゆく
14
抱えても抱えても夢こぼしつつ回収しきれぬ自分を愛す
36
バケツ置き 掬ったしじみ 覗きこむ 殻よりわれを 見る目の二本
9
鬼やんま渡る一条戻り橋 わが身ひとつの影を連れつつ
16
うた友の アカウント消え 呆然と どうか元気で ずっとありがとう
20
パパの背で 金魚は眠る 兵児帯の尾を揺らすのはお祭り囃子
8
何もない道さえ夏だと思うのは 夏に何かを置いてきたから
8
ガラス窓 激しく叩く雨風に 我が菜園の無事を願いをり
10
ひる
夜
(
よる
)
の
閾
(
しきい
)
にそまるキッチンのシンクにひとの背のかげをみて
10
増殖と消滅ばかりのパスワード鍵束抱えログアウトする
7
靴の底外側ばかり擦り減った世界は少し傾いている
7
海に想うは 凪いでは漕ぎ出で 打ち返す そこに何も 遺すことなく
7
ルーターの作動ランプを見て思う前に蛍を見たのはいつか
20
きょうだいの帰省の時期は重ならず 親の張り切り知るなればこそ
13
いつだってなんでもないよな顔をする 困らせたくない 嫌われたくない
6
あの頃のひとりぼっちを思い出すバニラアイスの奇妙な苦さ
6
今日午前帰省しとけばよかったと風雨の音後悔の吾
6
ため息が気泡となって消えてゆく湯船は明日へと希望を運ぶ
6
少しでも長く忘れずいるからさ 声も姿も覚えているから
6
野分あと 農作物は終わりしも 今が盛りの向日葵折れし
6
裏返す煮汁の染みた油揚げ 祖母のいなり寿司の味恋し
14
ほんとうに、行くかどうかは置いといて、旅先悩む夏の午後かな。
8
ひまわりのような君です今ついに僕とは違うほしを見つけた
6
土手の上青い帽子が七つ八つ散歩の子らを犬不思議がる
5
山の日が 馴染みがなくて 調べたら 意外と既に 十年選手
5
残る春周りは巡る四季の折他知らぬまままた我に春
5
恋の巴里 カフェ・コンセエルに三拍子 ペチコオト揺れ『あなたが欲しい』
5
羊羹
(
ようかん
)
は 元は羊の
羹
(
あつもの
)
で
現在
(
いま
)
とは違い 甘くなかった
5
教室に占める割合変わらない 救われぬままヤングケアラー
6
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