Utakata
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霧雨の朝を歩けば
仄
(
ほ
)
の白き
天
(
そら
)
を鳴き交う
不如帰
(
ホトトギス
)
聞く
19
東雲の 朝日を眺め生業の 段取り描く今日が始まりぬ
18
引き継ぎの 挨拶に来た 足元に おろしたての靴 眩しく光り
15
水底
(
みなそこ
)
の魚みたいに六月の雨を聴いてる静かな雨を
11
命日も 産まれた日さえ 忘れ去り この苦しみも いずれなくなる
17
天伝ふ入り日に
染
(
し
)
めば佐渡ヶ島白鷺さへも朱鷺と見紛ふ
21
体育が中止になればいいのにと横に並んで言い合える朝
17
髪を切り白髪染めるは孫ほどの 美容師の手そっと母に触れ
20
建前か本音か内か外なのか 境界燻す君の持ち味
17
確実に 私を起こす 目覚ましは ご飯が欲しい 猫のアラーム
18
「おはよう」を背中越し聴く 君の声 どこにいたって聴き分けられる
17
これ以上床に増えない長白髪 向かいの椅子に坐す伽藍堂
9
古家の解体現場聞こえしは若者の声異国のことば
9
一条
(
ひとすじ
)
の
炷
(
た
)
いた
香
(
こう
)
より 火をつけた
燐寸
(
マッチ
)
の
薫
(
かお
)
りに 心揺れたり
8
「ヌリカベ」と陰で呼ばれる厚化粧落とした時がまさに妖怪
10
雨だれが腕にじんわり広がりて最早弾かぬ歳に成りにけり
8
雨上がりぼくらが窓から見てたのは喧嘩をしない恐竜の群れ
7
ダイエット 今まで何度 誓っただろう たゆたっている 決意も 腹も
8
ふる雨はひとの想いの万華鏡 嘆きを廻せ労りとなせ
7
飛び散ったパスタソースのシミぐらいなかなか消えない嫌な思い出
9
仄明し 高速飛ばす 午前
4
時 明け来る空に 晴天確定
10
新緑の吹き抜くる風ピッコロの音にたちまじる黄鶲の声
7
ゼロとイチ、その差は大きい。奥底に、いっそゼロのままを望む私。
6
巻き込んですまないしかしきみだけが喜連瓜破を正しく読んだ
6
愛らしき赤子の世話に日々が過ぎ月も半ばと苗見て気づく
19
「異常者が見れば普通が異常だよ」よく分からんが分かる気もする
7
本の帯を気にせず捨てるひとだった帯のことだけ気にかかってる
9
オムレツに、サルサソースのハート咲く。 作り手見つめ、スプーンで裂く。
6
浴槽で 組んだ手を腹に 置いてみる 予行練習 棺に入る。
6
よなかにね ちま猫ちゃんは てれびつけ おかあちゃんを
ねぶそく
(
寝不足
)
にする
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