運転手どうし片手を上げ合って若葉のなかをすれ違うバス
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まな板にのせたきゅうりを叩き割る初夏の香りがひろがる夕べ
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影かたち何もないもの抱いている神か形見かそういうものを
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シングルのシーツの上をまた泳ぐ 冷たい海を探す寝返り
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それもまた いまの自分と 思えたら ふるえる手のひら それさえも良し
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病み上がり 外の空気の 清しさよ 笑えて嬉し 食事もうまい
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服・寝具仕様を替えて奥の手をもう探してる夏の序章に
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うたを詠む」・・・いつもは素通りする道に生えたタンポポ見つける作業
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国民くにたみの 安寧願ふ政 まつりごと国難の今真価が問はれ 
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グミの実を久方ぶりに口にしてノスタルジアは初夏の赤い実
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少しずつ 移ろいゆくのが この国の  季節であった しばし前まで
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くちづけの後も敬語を続ければ あなたの森で迷わずに済む
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ききららのさいふをひらきおままごと たんぽぽ ぼたん これくださいな
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紫陽花や 雨降るやしろ 手水場に ふたつ並んで 雨を見ている
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おふとんはちいさな教会 祈りとか懺悔みたいだきみの寝息は
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五月雨の乱層雲をカッターで切り裂くような雅各ヤコブの梯子
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デッキチェア座りまぶたでリズムとる 紙皿なぞる麦の秋風
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芝刈りの後に小鳥ら舞い降りて夏の香りを一緒にかごう
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生活の残滓流るる放水路 ぢっと見詰める魚影の鈍光
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苦手なる香り発する気に食わぬ匂いしやがる 柔軟剤安売りせしがただ恨めしく
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久々に手に取る雑誌の金額を見て棚もどす 印刷が死ぬ
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登校の 門限間際 気にもせず ひよこの如き 一年の群れ
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汗かいて爽やかなのは自分だけ 見た目と臭いで人混みを割る
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妻の指示 返品の棚探しおり 今宵の肴に別れを告げむ
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カーテンにウランガラスのボタン縫う 光る時はまだやってこない
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人間の歴史を聞いてやれやれと肩をすくめるオランウータン
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花菖蒲 水面に映る 群青の 姿重ねて 君おもう朝
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せっかちな蝉の鳴き声聞こえたか幻聴だったかわからぬ暑さ
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母の国せにしてゆかむ風と波 時のまにまに真砂となりぬ
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紫陽花アジサイに 三千種の 個性あり 見習いたいね それぞれの色
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