Utakata
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燕来て ひっきりなしに口開く 雛へ運ぶは無償の愛か
21
熟しゆく
碧
(
あお
)
き葡萄の密やかに蔓の
庇
(
ひさし
)
に夏至を祝えり
16
雨の中 殻を
背負
(
せお
)
って ゆっくりと 歩む
蝸牛
(
かぎゅう
)
に
処世
(
しょせい
)
を学ぶ
15
今はまだ他の誰とも違う君 いつかは紛れる?この人波に
13
駅前で 令和の夢を 託されて 梅雨の晴れ間に ゆれる短冊
20
倍速で浮いた時間に置き去りの 胸に残らぬ楽しむこころ
15
アスファルト真昼はちょっと熱いから日が暮れてからリード取り出す
9
古文では見えない人に恋をする今よりとても健全だろう
8
たましいをやすりで撫で回されてるみたいな日にもきみはやさしい
8
停電を笑う子らの目合わさりて「明日みんなに自慢しようね」
13
あじゃぱーと言うたび母に注意され兄はガチョーンと反抗してた
16
寄せ書きに感謝の言葉並びをり母を看取りてまた読み返し
12
たのしくてすごく惨めな恋心 忘れちゃいなってみんなは言うの
7
帰りたい もう疲れたな 帰りたい 家に居るけど まだ帰りたい
7
眠れねば山時鳥聞く夜半に本を捲りて朝を待ちなむ
12
食いつなぐ 健康でいる その時がきたら誰かにあげれるように
9
いと高き夏の昼空白き花タイザンボクは今年も麗し
6
五月雨の
古
(
[降る]
)
江の
真菰
(
まこも
)
仮
(
[刈り]
)
にだに来ぬ人ゆゑに恋ひわたるかな
6
相応の値段はありて千円のうな丼食えば本物恋し
8
ポケットは未確認です洗濯機 鳴門海峡ティッシュの浮かぶ
12
水垢にはレモンがいいらしい 泣きたいときには泣いていいらしい
8
一軒のダイソーに無き欲しき物二軒三軒巡りても無き
6
想い出のライブの半券文字褪せてバンドはすでに解散してて
7
一心にバット振る子に我重ぬ 六軒長屋の長嶋選手
14
まだ寝ない 寝る予定では 無いけれど ちょっと横にと わかりつつ朝
5
20
万人を生き埋めにした楚の王に 大陸人の本質を知る(「項羽と劉邦」再読)
13
たたみ皺のばせば子供のぼくがいて 光放った 衣替え、夏
31
熱中症そんな言葉もない昭和 夏甲子園外野で一日
17
麦畑と田植え間近かの水田とソーラーパネルひとつ車窓に
15
旅に出て青草の上寝転べば空の彼方に鳥一羽飛ぶ
13
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