乳飲み子の乳(ちち)飲むごとき静けさに暮れてゆくなり秋雨の午後
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疑いが確定となり告知され抱きしめた母の肩は震えて
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みそ汁の えのきが奥歯に 挟まって 取れないような 1日でした
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寺の屋根に昇る朝日の茜色空いっぱいの雲迄染めて
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気の早い洗濯物が呼んでいる 息も吐けない家事の間に間に
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髭剃りの切れ味落ちても替えられぬちょっと自分に似てる気がして
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日の出前明るくなった空を見て「半分朝だね」早起きの君
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先月と同じ間違い指摘すも 初めて聞いたような顔され
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カーディガン差し出している下がり眉/三十七・六度で微熱
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ラブレター マナー講師が 添削を して残るのは 「好きです」の文字
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打ち明けるなら君だけと決めていた秘密を他の人にも言えた
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霜月は穏やかな日が続きおり 心鎮めて秋を味わう
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七ならべ 遊び方を忘れたよ 初恋の子だって思い出せない
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立冬の 暦に読めど定まらぬ 気候に動ぜず石蕗咲けり
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いぬがすき 逆から読んでも いぬがすき そんなわけない けど、犬がすき
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叶わぬと 知って想いを 抱きつも 敵(かたき)の影に 嫉妬止まらず
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雨の日に買い物行くの面倒も今日はチャージにボーナスがつく
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ちちわくに人はいふとも植えてみむ去年(こぞ)の畑に同じ野の菜を()
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払暁の月は鎌の刃秋の昊 消へ入らむかな寒は緩みて
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静かなる 水面に映る 秋の木々 くつろぐ鳥と 佇むわたし
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わが猫(こ)らに 脇腹を貸し 膝を貸し ねこのベッドと 化して眠りぬ
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キラキラな「灯ぉ〜油」移動販売車電飾まとい冬をまといて/明日立冬
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かぼちゃ柿じゃがいも玉ねぎ並びをり実篤翁は柿と語らふ
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病室の白きシーツの端に見ゆ母の踵の冷たく小さし
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新調のパンプス履いて出るだけで死ぬほど緊張している私
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遅咲きを褒め称(そや)されて思い出す 冬に羽化したモンキチョウ/紋白蝶の翅の裏側は黄味帯びている
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ことわざも言ってるじゃない?東北の親戚よりも四国の他人
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乗る人の少なき車両に黙礼し車掌は静かに扉を閉める
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命から命に繋ぐ昼の月新月生まれのきみがきれいで
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またいつか同じ形の月を見よう きみの帰国は三週間後
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