Utakata
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宅配の段ボール箱
潰
(
つぶ
)
すたび部屋の広さを取り戻してく
18
休日をうつろに過ごすこの部屋に窓のサイズで夕暮れは来る
13
揺さぶらる 雨風荒ぶる列島に 災害備え今ぞ問わるる
13
寝てる?って聞けば寝てない、起きてる?と聞けば寝てると答える妹
11
病院の入口へ駆ける人の目は なにもうつさぬいつかの私
11
ハイヒール エナメルの内疼く足 痛み隠して人魚姫めく
9
時短でも 帰りはなぜか 遅いのだ 育休なんて ただの幻
10
しあわせは
蝋燭
(
ろうそく
)
のよに ふと消える せめて今だけ照らしておくれ
11
若冲の絵より脱け出す鶏頭よ 絵師の狂気を宿して歩む
8
青蜜柑
(
あおみかん
)
鈴なりなって真夏日の白い光と葉叢の陰と
8
簡単に包丁入る南瓜だと美味く感じぬこの世の不思議
9
繰り返す 日々の狭間で 僕たちは 言葉を集めて 明かりを灯す
7
消費ではなく投資だと言い聞かす 百万円超えインプラントに/悩んでます
12
恋のうた遺せし人はうらやまし壮年期とは夕凪のまえ
7
夏の宵
濡羽
(
ぬれば
)
のドレス
﨟
(
ろう
)
たけて我を見つめる黒猫ひとり
13
雨降りて 大なる被害 かぶりけり 我こひねがふ 素晴らしきあす
8
早起きを しなくても良い ぬばたまの 前夜の眠剤 マシマシの
贅沢
(
きわみ
)
8
ベランダで月を眺める気も失せり なまあたたかい風の吹く夜
15
リード引く子なめられてるエンコしたワンコ抵抗オラ動かんぞ
6
落ち着きのある生き方をしたいから今日も薄めの味噌汁を飲む
8
みなしなる制度の中で泳ぎつつ残業と言う岸見当たらず
9
隔月に郵便局に開業を待つ
老人
(
おいびと
)
並ぶ年金支給日
7
こんなにも進んでいたとは炊飯器 あなたのおかげでご飯おいしい
11
羊から 鶏になる 午前三時 枕投げ出し 天井仰ぐ
6
玄関に蝉が転がり落ちている
(
嘆きつつ ひとり寝る夜の 明くる間は
)
いかに久しき ものとかは知る 053/100 右大将道綱母
10
はちみつを紅茶に垂らすひと手間は陶器のポットよりもあたたか
12
掬ひても 掬ひても猶 この気持ち 止まらざるなり ぢつと手を見る
8
海を見に 違う電車に わざと乗る それができれば きっと花丸
7
横になり ねこのシッポを 眺めてる うしろすがたは お団子のやう
16
終わりにはやはり聞きたいヘビメタなミンミンミーとツクツクホーシ
11
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