Utakata
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細君
(
さいくん
)
を
見初
(
みそ
)
め十年 経ちにけり 天使に見える 魔法が解けぬ
15
桃色の艶やかな爪を鍵盤に走らせながらビバルディ「夏」
14
包丁の通ったあとの まな板に 暮らしの
証
(
あかし
)
静かに残る
13
朝霧の 煙る山里空遠く 鳴きたる主はホトトギスかな
13
新生児 結んでひらく にぎにぎと 広い世界の手ざわりいかが
27
二度止めて助け求めしスタッフの視線を背中に セルフレジ三度
16
タチアオイ 好きだと言った 亡き母の 笑顔浮かんで 会いたくなって
15
枝豆の一粒ほどのバッタ跳ぶ 車の来ない夕暮時に
18
四年前死んだ親父と二年前潰れたツルハで落ち合った夢
11
図書館と公民館の雰囲気が変わっているんだ夏休みだな
9
残光を風が静かにしまってく十九時空に余韻を残し
9
蝉たちのお昼寝タイム街路樹は静まり返りギラつく太陽
9
プチプラのリップ一本買うだけでウレシイわたしはまだ大丈夫
9
楽しみを自ら捨てる原因が些細な事と知っていながら
10
街灯の 灯り滲んで 息を吐く もうじき此処も 過去になります
19
なみだ壺 通りすがりの はずなのに 鞄の隙間に 引き受けたなら
7
呼び出され金曜夜のカフェで待つまわりの席は悪魔の夜会
7
雨の庭 打たれる葉草 俯きて 洗われしわが
幾年
(
いくとせ
)
の
澱
(
おり
)
7
新視点 スローの猫はめちゃ可愛い 例えば私に気づく微動作
7
健やかな ときも⋯病めるときにも⋯ 問われたら イイエだなんて 言えないでしょね
8
働いて汗水流す世は過ぎて 外にいるだけ汗は止まらぬ
6
肝心なときに効かない薬ならいらない痛みだけ抱きしめる
6
一日と また一日と 過ぎていく どうあがいても 止まってくれず
6
土用なれば夏バテせぬやう三尺の隙間を見つけ昼寝をきめこむ
6
ねえロミオ 喫茶店から出たあとのコーヒーの味みたいに死なせて
5
近所の子ちょっと待てよがマイブームホリの真似か?それとも本家?
5
窓越しにふわり漂う真相の瞬きに今硝子眺めて
5
夏を引き延ばせ!は聞こえがいいけれど みんな水底に足がついてる
6
腕と脛 脇を剃り剃り 冷えていく下半身だけ
二
(
ふた
)
季節前
6
なくなって甘酸っぱさを思い出す梅シロップは恋に似ている
5
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