死にたくて 買ったケーキを 食いあまし 明日のために ラップをかける
15
公園をとうに過ぎても銀杏(ぎんなん)の香りどこまでも追いかけて来る
25
椎茸を 安価が故に 箱で買い  悩んだ末に 干して満足
13
貼り終えし 障子に映る黒き影 貼ったそばから爪を研ぐ愛猫(きみ) 
19
ごみ捨てに出たらカラスが先にいた目が合わないよう気を使ったよ
12
一つ来てついと漂ふ秋津(あきつ)にぞ寂しさ添へる秋の夕暮れ
12
友だちに手を出した子の言い分は「友だちやめる」と言われたからと
12
通勤を急ぐ人の間(ま)すり抜けて余命のことを心で泣いて 
15
「素晴らしい!卑屈な僕によく似てる!」  螺旋階段 初めて見た日
9
LINE鳴り ドイツ村より日帰りの妻ご所望のイタ飯屋寄る
14
昼休み十時三時に休みあり結構ホワイト解体現場/近所の解体
8
自販機もそろそろ熱い缶コーヒーあの雪の日の思い出浮かぶ
9
四畳に転がる二人の幼な子のむにむにの手を確かめる夜
8
うたかたの えんで繋がる この世界 残り人生 楽しからずや
13
ランドセル チラホラ見える 通勤路 昔は我も 純粋だった /V
9
春にゆくハウステンボス誕生日貴方の祝う日われの古希
7
虫鳥の声も変はりぬ 秋すすむ古里になど変はらぬを乞ふ
7
春の宵 霞かかりて  花いかだ  月影透かし 桜舞い散る 
7
今日の夜風の鋭さに そう言えば、と流れ星さがし頬杖
7
あるはずの 予定消すのが 哀しくて そのまま今日も アラームが鳴る
17
おはよーと コスモス揺れる 散歩道 パワー受け取り 本日始動
19
秒針に 合わせ打ち継ぐ 心臓は あの子を忘れる 儀式みたいで
10
大切な ものは家族と 自らと 平和な世界 鳥のさえずり/もちろんねこも家族
8
辛くても 無邪気な空は 笑ってて わたしの気持ちは そこはかとなく
6
隣で聞く 同郷の友 その横顔 学友の中での寒空を薄くし
6
つまさきの白いところもきみだから冬の小鳥は特段きれい
6
透明なあの日に忘れ物をした戻ることなどできぬ きらめき
16
色褪せた 遠い昔の あの本は 子守唄だと 記憶している
6
仕切られた 横になれない ベンチには 温もりがなく 人影もない
6
わたくしの個人情報漏れている とっくの昔今さら今さら
14