Utakata
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行き場なき 重ねし想い 吹きかけて 茅の輪くぐりて 区切りとしけり
14
郭公二声鳴くと聞きつるは夜更けの峰のこだまなりけり
18
「楽しんでこいよ」と送る父らしく泣きだしそうな曇天の空
12
濃き珈琲 胸にこたふる年となり 薄きを淹れて書斎に座る
14
目も見えぬ耳も聞こえぬ老犬は だから何よと我を引きずり
12
点滴のしずくのなかの静けさに 眠れる星の夜明けを祈る/星空様待ってます
30
梅雨寒に夏の暑さを忘れをりわが愚かさにはっと気づけリ
12
新調の 雨傘持ちて会合へ 雨も上がりて傘も置き去り /一人連歌①
18
わが足に激痛はしり腫れにけり百足の毒牙為すすべもなき
10
帰省して いた娘が 今もなお 裸体でお風呂 掃除してたとは…
10
放射線治療完走 リニアック室よ、さらばだ! 気分は梅雨明け
10
梅雨晴れや採れたて野菜焼く煙 ひまわり揺れて友と笑いぬ
10
わらべらが長靴はきて家路踏む信濃の野辺に夏はきにけり
22
クロレッツの紙で折られた鶴が二羽手のひらを今飛び立とうとして
21
膝のうえ手をおき腰の骨の音訊くようにして立ちあがりおり
19
照明を落とせば非常口のあをぼんやり浮かびて夜のこごれり
12
リスカ跡隠さぬ君の眼差しは何を求めて僕に迫るか
9
海底の生き物たちがみる空の青の深さを知る夏休み
8
雨降る夜 じっと動かず 卵抱く 親鳥の影 エールを送る
23
錆
(
サビ
)
がつき汚れたタオルで顔を拭く いつもお仕事お疲れ様です
7
「まもなくお呼びいたします」から動かない私の番号七十七
7
花占い 「好き」の花だけ集めては 束に重ねて君に贈ろう
8
とりあえず これで区切りがつくからと 声を聞いたら 溶けてく境界
7
悪
(
あ
)
しきことも 良きことさえも 『滅』と言う 流行り言葉が 真理ついてる
18
炒飯は良いぞ 気楽に作れるし簡単に俺を裏切らないし
12
抵抗の拳を見せろ我々は明日も生きる 二十一歳
15
十九人の予約外来で枯渇せしが昼餉と昼寝で蘇りをり
6
なぜかしら君が遊びに来たあとは家族みんなの会話が増える
7
散り際の紫陽花を足元に咲かせて先輩は珈琲を含みゆく
6
眠っても眠ってもまだ眠い朝なみだの回路だけ起きている
6
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