Utakata
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街の灯が幸せそうに見える日は私がとてもちいさいからだ
45
待っててと たった4文字 伝えてよ 君はいつでも ひと言足りない
41
ぼやけてる西の夜空に浮かぶ月 目を細めたら綺麗な三日月
40
喫茶店 落ち葉降り落つ
窓外
(
そうがい
)
を 見をれば冷めし舌焼くコーヒー
39
晩秋に木の葉時雨は降り止まず園児のポケット落ち葉の入れ物
38
風に乗り学校チャイムの聞こへ来る
吾
(
あ
)
の一限目家庭科実習
38
うたかたの句ごとに深き物語窓に雪あり心温か
37
市民展 友の切り絵の見当たらず 老々介護の苦悩を見たり
37
旅戻り早速干しいも作業する無事に感謝し日常始むる
36
檜葉の枝杉の木の枝花屋にて並び始めて冬の訪れ
35
大陸の 友と語りて笑いあう 小さき外交 祈りかさねて
35
休日は人に蘇る日である卵ご飯を音立てて食う
35
小春日の軒に吊るせる干し柿を揉めばやはらに秋を包みぬ
35
集中を崩す煩悩気が付けば毛糸の目数がどうかしていた
34
夕暮れの茜の色の残照に孤高に光る冬の三日月
34
来月で介護3年目に突入 少しはわたし役立ってるかな
34
夕暮れの イチョウ並木に 沈む陽が 優しさに満ち 祈りたくなる
34
愚痴の根の深きに伸びる裏庭の日陰の草と馴染む秋の日
34
山茶花の花びら降るる日溜まりの僕に秋の日静かに降るる
34
程々の緩さを秘めて仕事する真面目なあの娘に伝えられたら
33
白菜の葉から葉へと紋白や ぬくき陽が差す午後の菜園
33
石蕗の笑顔に押され病院の門をくぐりぬ抗癌の朝
33
出来るだけうつさぬようにと籠る部屋 ちょいちょい覗く夫は子のごと /風邪
33
怖かった⋯でっかい蜘蛛と格闘し震えながらも張り手一撃
32
露置きて 紅葉うつくし 雨上がり 南天の実の きらきらひかる
32
富士山を習ひて高き山型に ざる菊昇る秋の蒼空
32
寅の刻 感謝知らずの 血筋だと 夢に起こされ ぢっと耳澄ます
32
沸騰を知らせるメロディー「愛の讃歌」古い
厨
(
くりや
)
にピアフの調べ
31
聞き慣れた朝のアナウンサーの声 今朝は鼻声 流行りをる風邪
31
風もなく 小春日和続く
初冬
(
しょとう
)
未
(
ま
)
だ秋でいてくれる霜月
31
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