Utakata
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大量の 宅配ピザが くぐる戸の 見知らぬオフィスに 和む夕暮れ
15
ただいまと言えば激しくおかえりとしっぽで示すきみがだいすき
26
酒断ちて じっと我慢の二週間 組織検査の結果を待てり
22
想いひをば三十一(みそひと)文字に紡ぐ時 齢八十なほ遅からず
11
この辺は稲刈りこれから白鳥はお構いなしにもう着いている
19
よくもまあ生きてきたねと肩たたく人もおらずに秋の夕暮れ
12
風呂の
灯
(
ひ
)
が 昭和
62
年製 大往生だよ お疲れ様です
11
寒いねと 袖に手隠す 君を見て 秋が来たなと 気づく今日
12
書きなれたペン持ちてゆく秋晴れの大病院の初診外来
10
一度目の花期を野分にさらわれた金木犀が二度咲く秋日
10
空が泣く夜はひそやかに寄り添いて星の馨りで眠る黒猫
16
十四さいだから全てが未知数で多分ポケット空まで入る
18
散髪は 自分でやるよ 上手くなり コツはと言えば 刈りすぎぬ事
9
見えるのは空しかないはずだったのにこんな小窓にカーテン付けて
10
開けにくいオリーブオイルの内蓋に独り暮らしを思い知らされ
9
運動会フリーズしてる孫を見てあなたのパパもおんなじだった
19
半額の シール求めて 店内を まわる最後に 光る金麦
10
葉が落ちて隙間だらけの柿の木を貫き西日風にきらめく
16
泣く場所は各自でご用意ください痛みはこちらで取り揃えます
8
日本酒と煮干しで愛でる秋の月 涼しさ覚え寄りかかる肩
19
夏の果て ふるさと跨ぐ 白雲の 野辺に咲く花 紅鮮やかに 彼岸花
8
ボタン式信号なかなか変わらずに このままだったらどうしましょう
7
追いかけて辞書までひいてやめておく
馴染
(
なじ
)
まぬうちは借り物のよで
14
佃煮にさしたる違いはなかろうが 常陸土産は子持ちわかさぎ
15
貴方にね 「付いてゆく」と言う 私のね ほんとの心 『憑いてゆく』なの
7
秋がきてすずしい空に見る雲は大きなつばさ船を漕ぎつつ
7
書きかけの小説ぱらぱら風に舞い少年は半透明になる
7
白鳥の集える稲田に落穂あり 性能悪し稲刈機だと
11
『キミ』と手を繋いで歩いたあの橋はどんな雨にも流れなかった
5
道端で「あの子可愛い」 ねえあなた? 冷たい視線横に突き刺さる
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