Utakata
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医師からの告知を受けて早一年
運命
(
さだめ
)
受け入れ木洩れ日さがす
21
近々に私消えるという事実知ってるような知らないような
14
今宵
(
こよい
)
また 孫と机を 並べし 至福の時を 胸に刻んで
14
新米の 豊かに実る秋なれど 場当たり農政無策なるかな
24
出張先 電車止まって帰れない旦那を想う 大雨の夜
13
スーッとするボディシートの安売りのドラックストアに秋を感じる
9
置き去りの原チャの籠に捨てられた紅茶の缶も秋の彩り
9
行合ひの空の余白へ鰯雲 微かな風も秋を連れきて
10
カメムシは高層ビルの窓に居て「どこから来た」と皆に聞かるる
14
名を呼ばれ 振り向き君の 浴衣見て なびく袖髪 心奪われ
12
基準値を大幅に超えて今きみの瞳に星が星が星が
10
涼しくていいけど雨が降り続き遊びに行けず残念な秋
8
明けないと嘆く夜にさえ細胞は傷をふさぎて朝を待つなり
8
僕らみな花火みたいに見えるかな 違う時空のどこかで見れば
18
「辛いよね」「分かるよ」だって笑っちゃう あなたに何が分かるのかしら
9
秋風に そよぐ木々あり 東野の 薄き黄葉は ゆるやかに増す
8
慌てないきっと必ず思い出す これまでもそうこれからもそう
16
あたたかいくるみパンから立つ湯気を見るため暗いままでいる部屋
6
主婦ひとり啜る素麺 昼下がり 麺つゆなんて軽量カップ
9
寄り添ひて三十三年果てるまで君の目尻の皺に頬寄せ
7
夏でさえ青きまま過ぎこの恋は紅葉のよう色づくのかな。
6
道端に多くの供え物があり皆に愛されてた地域猫
6
書繰る間に 篠突く雨を やおら聞く 葉月の名残り 洗うがごとし
6
昨日まで 何もなかった この空き地 小雨に灯る Timesの文字
6
半袖は そろそろ寒い かといって 長袖着たら 暑いなんなん
6
傘
布巾
(
ふきん
)
何
干
(
ほ
)
したっていつまでも
湿
(
しめ
)
っぽいのに堪えかねて
16
戦争の文字をたどったその先に、株の数字が妙に鮮やか
9
かろうじて ミとンの間を 開けて鳴く
季節
(
とき
)
戻りて 風情も何も
5
いっときの 互いに想った 思い出は 光り輝く いつまでも
5
諸人の血を吸いさまよう電車の蚊 こいつに刺されりゃ速攻伝染る
12
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