公園をとうに過ぎても銀杏(ぎんなん)の香りどこまでも追いかけて来る
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通勤を急ぐ人の間(ま)すり抜けて余命のことを心で泣いて 
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空き家の 庭に生えてる 柿の実の 瑞々しさは 鳥のみぞ知る
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ごみ捨てに出たらカラスが先にいた目が合わないよう気を使ったよ
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椎茸を 安価が故に 箱で買い  悩んだ末に 干して満足
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軽トラの 荷台に転がる大根の 「食うか」と笑う翁のありぬ 
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朝の顔赤のトマトが消えたとて白のダイコンサラダになるや
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友だちに手を出した子の言い分は「友だちやめる」と言われたからと
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あるはずの 予定消すのが 哀しくて そのまま今日も アラームが鳴る
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秒針に 合わせ打ち継ぐ 心臓は あの子を忘れる 儀式みたいで
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おはよーと コスモス揺れる 散歩道 パワー受け取り 本日始動
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孫が繰る三輪車に導かれ先ゆく背中道は続いて
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前庭の桜木はらりと葉を落とし涙流して散ってくように
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忽然と消へゆく風の曼珠沙華 秋の夕陽の名残り留めず
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「素晴らしい!卑屈な僕によく似てる!」  螺旋階段 初めて見た日
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四畳に転がる二人の幼な子のむにむにの手を確かめる夜
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牡蠣筏(かきいかだ)浮かぶ水面(みなも)は穏やかで 瀬戸内海は今日も秋晴れ/岡山旅行中
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寒いから 膝の上にて 暖を取る 猫から暖を もらった私
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大切な ものは家族と 自らと 平和な世界 鳥のさえずり/もちろんねこも家族
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LINE鳴り ドイツ村より日帰りの妻ご所望のイタ飯屋寄る
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昼休み十時三時に休みあり結構ホワイト解体現場/近所の解体
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虫鳥の声も変はりぬ 秋すすむ古里になど変はらぬを乞ふ
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春の宵 霞かかりて  花いかだ  月影透かし 桜舞い散る 
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自販機もそろそろ熱い缶コーヒーあの雪の日の思い出浮かぶ
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一つ来てついと漂ふ秋津(あきつ)にぞ寂しさ添へる秋の夕暮れ
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またここにいつか来れると思うから ネモフィラ畑の写真は撮らない
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時雨(しぐ)るれば出勤前にあたふたと探して羽織るダウンジャケット
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うたかたを読めば思いが垣間見ゆ 詠う楽しみ迷いは同じ
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辛くても 無邪気な空は 笑ってて わたしの気持ちは そこはかとなく
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隣で聞く 同郷の友 その横顔 学友の中での寒空を薄くし
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