まだ蝉が鳴いているから夏だろう室外機だってまだうるさいし
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べたついた身体で寄ったスーパーにサンマみつけた秋のはじまり
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若かりし 多感な頃の想ひ出が 吾が胸深く縫ひ込まれをり 
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化粧くらいしろよと宣う人間に晒す素顔は持ち合わせない
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歯ブラシを 変えたその日は いつもより 長く歯磨き して確かめる
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パパと行く動物園はもうイヤだお馬さんしかいないんだもん
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『お父さん毎日駅までありがとう』こちらこそと一人呟く
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親戚の葬儀休みて稲を刈る 明日から雨 神は許すと
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コスモスは色づいている立ちくらみぎゅっとつぶったまぶたの裏に
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『チョッキ』とう響きが似合うベビー服 秋を待ちつつ編むは楽しき
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洗いたて 枕カバーに収まらぬ 枕と夢をつめ込んでゆく
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夜の雨虫のなき声かきけして眠りを誘ふ心地よき雨音
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さわさわと静かに降り出す雨の音コジュケイの声蛙の合唱
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閉店のお知らせの紙ネパールの料理をつくるひとのひらがな
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酒をまだ飲めないからと缶コーラ傾けカイジの真似をしてみる
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じっとりとまとわりつくやけふの汗 晩夏の名残りに秋、勇み足
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まだいない人を思って小さい小さい服を二人で選ぶ
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まだ暑い九月の朝の公園で年配方がグランドゴルフ
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今すぐに全てを捨てて会いに来て なんて言えたら苦しくないのに
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電車内 女子高生が増えてきて 九月なんだと今さら気付く
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日を追って募る想いは胸に秘め ポーカーフェイスの業務連絡
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砂に描く風紋かぜの置手紙 上書きするもまた同じ風
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ラムネ瓶 取れぬビー玉ながめつつ あなたへ手紙書いております
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畑にて寛永通宝出土せり どのご先祖の落とし物やら
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夏草を分け入り訪ね行く道は字名残るも面影はなく
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キッチンのケトルの悲鳴聴こえればビーチフラッグのごと駆け付ける
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くるくると踊り続けるオルゴール 死とは何かを知らないくせに
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メシ作って味見して味しない写真撮って死にたくて捨ててる
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仕事する 翼を貰った モンスター 夜寝れずに 指折る短歌
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真意すら言葉に宿ることはなく 答え合わせのできないサヨナラ
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