あの町で僕の帰りを待っている人がいるから燃える夕焼け
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弱くても愚かでも生きていていいと 自分ではないものには言える
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笑ってよと泣く君の耳に揺れるピアス 海まであと400メートル
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魔女たちは やがて反旗を翻し かぼちゃの馬車も 狩り尽くすのだ
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闇すらも 手放したくはないのだと 貧乏性がゆえの妄執
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ひしひしと打ち明けられた友の罪 僕は上手に聴けただろうか
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潜りこむプールの奥に銀色の光に刺され魚になりぬ
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この世には 制限だらけ 窮屈で 使い回しに へとへとでっせ
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鳴かぬなら 誰も聞こえぬ 呟きを 鳴けば誰かが 聞くかもしれず
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恩返し できないけれど 母の愛 確かに悟る この歳になり
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報われぬ 愛などとっく 捨てるべし 人の固執に 訳もありなん
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死ぬ日まで 希望を持ちて 生きるため 人の本分 果たすのがよい
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悲しみは 望みを絶たれ 諦めて 肩を落として 項垂れたまま
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パワハラを 見て見ぬふりに する君ら 同罪だとは 思いませんか
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人間が 人をなじりて 貶す時 裁判官か 地獄の獄吏
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権力は 人の心を 鬼にして はたまた鬼は 権力が好き
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パワハラを 止める手段は なかりけり 社長であれば 訴えられず
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違います、人違いではないですか、それはともかく素敵な赤だ
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宛先のことだけ考えてればよいそこが手紙の優しさである
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駆け巡る思考は意志と乖離して手懐ける為首輪がほしい
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透徹の視線に潜む逡巡は自覚できないほどに素早く
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隣人の情事熱を帯びてゆく夜 雨はただ排水溝へ
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養ふに値せぬ身の幾億の一として我が身をもゆるさむ
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陽は白く染めぬいてゆくあたらしい世界知りたい開け放て窓
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忘れるな その日心に広がったレモンの香りレモンの味を
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捨てきれぬ火の想い出をたどりつつドライあんずの一粒を食む
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バーボンで呑み下せない男の悲抱きつつ夜はそれでも更けて
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音楽は 聴かれるために あるように 人は愛され 愛するために
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「見てません」「言っていません」「知りません」明日はどんな嘘をつこうか
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ふたつ貴女がつまむ赤葡萄 東京はいま梅雨のさなか
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