慰めにくちづけるより変わらない眼で心臓を蹴り飛ばしてくれ
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なにひとつ支えていない胸元のロングの毛先は笑っている
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少女ではないが心の「少女なるもの」が彷徨うステーシーの夜
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再生屍体蝶羽状輝微粉を模して屈折し足りないラメ
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夏宵かぬしゃ 誰といてもいなくても逢いたい君のせいとは陳腐
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こんなにも有る これほどに在る もしや これは愛などではない何か
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言葉とはあなた自身に等しくてその言語センスめっちゃ好きです
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夏風の柔らか成分きっと秋 九月に追われて死にゆく命
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浮雲とサイダー飲んで陽が照る夏 彼方にあると人づてに知る
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突然の青と紫だけの世界 絡まる数瞬の決断
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香水はオシャレじゃないの呪術なのなのにあなたは気付いてないの
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大通り 歩き煙草に殴られる 一服分のタールの重み
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お願いよ 君にしか頼めないんだ。そう言って君は、ナイフを出した。
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あったかい 君を包んでくれるのは 僕なんかじゃない、僕なんかじゃない
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あの角に 雑貨屋さんがあったこと 忘れていたの、今思い出した
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幕間の喫煙所にてくゆりゆく煙はネバーエンディングロール
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映画出て涙を売って得た金で映画観にゆく涙を買いに
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胸元に リボンがついた洋服の 似合う少女で ありたかったな
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それじゃ始めてくれますか 二幕 二場 客に向かって代役交渉
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置き去りの缶コーヒーのフタ開けば誰のため息まだぬるく漏れ
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こっちもさぁ 知ってるんだよ 君がさぁ いつか僕らを、置いてくことを
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ぶうげんびりあの祝福受けたかの時代は過ぎてわれの名は鬼
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どうせ手が届かぬならば愛し君 そんなまばゆく きらめかないで
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他人ひとのように あなたに近づけやしないから 一言ことばわす それだけで幸せ
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胸の上 リップで書かれた「バカ」の文字 ごめん、なんか、ばり興奮する
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まわるまわる時代はすぎたすぎた時代をながめるわたし
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『完璧』の名前を冠するその菓子を グラスごと壊したくなる衝動
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何気なく発した「くそあつバヌアツ」に「くそまずバラムツ」と返せる友
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泣きたくなる くらい優しい人だから 遠いところで 幸せでいて
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打ち寄せる 波が素足に 戯れる 君は黒髪 潮風まかせ
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