愛に飢え よからぬことに 手を出せば 痛い結果に なるとわかりて
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真夜中に お腹痛く なりにけり 悪しきことには 報いが多し
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眠れない夜に最初に思い出すこと 月はまだ愛ですらない
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宵の街 テールランプが 流れ星  きらめく胸の 先にあるもの
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せつなさに陽焼けのあとを抱きしめる金木犀の香のかよう頃
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この一つの神経系に捕われてたまゆら「私」となった言語よ
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生きること そんなことは カンタンだ 死にゆくことに 比べたらね
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冬眠に 備えていそしみ 彷徨さまよえる 足長蜂の しまは鮮やか
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人は皆 何かを殺して 生きている あえて何かに 例えるならば
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道端の花を愛でつつ散歩した 遠い記憶の祖母のてのひら
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年寄りは新陳代謝不活発 下着もまめに替えることなし
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枝豆と南京豆を比べれば 五分と四十の違いありけり
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モンベルやユニクロとかを舶来と思ってたのは 誰なんだよう?
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通信で 手紙やメールは頼りない 読まずに捨てる可能性あり
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言う必要 ないことばかり 伝えし君 必要なこと 言わないままに
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清廉なメトロノームもたましいのビートで狂いたいときがある
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淋しさの治癒を促すかさぶた瘡蓋のように寝るとき猫が貼り付く
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言語化で その場の8割くらいには 感じたものを 失う気がする
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千年後 化石のきみも変わらない 彼らはきっとたんぽぽと呼ぶ
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母からのLINEはいつも小春日で「今日はトンカツ」「火傷したなう」
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教室で夢みる人をあたたかく無視し続ける社会の教師
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哀しみと 集中力は 裏表うらおもて 心の中は いい加減求め
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公休に 葬儀に行こうが 行楽しようが 詮索するな
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休出も代われないなら 辞めちまえと 葬儀の朝 
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通夜の中 職場に連絡 二日も休むのかといわれ 明日は休出
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眠たくて目を閉じると涙 君の思い出ばかり映るよ
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君といて 大口開けて 笑うのは  恋する風が 吹いてないから
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「どんぐりにも家族がいる」と子を諭し 手ぶらで帰る家までの道
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舶来のチョコレートでしか癒せない 疲れがあるのお母さんだから
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幾たびもリドゥアンドゥ重なって惑星ほしの公転軌道はいびつ
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