流れ行く車窓の景色を眺めつつ誰かの人生なぞる午後4
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対面の君の手がふと触れるとき ひゅっと飲み込む息ののどごし
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宇宙人だって人です人として仲良くしたらきっと会えます
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‪見世物にしたいがために探すなら宇宙人には会えないでしょう‬
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‪かすかなる桜の裏の花守るひとつ星こそあはれなりけれ‬
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ものおもふ身を深草のつゆしげみさびしききはみ手折りてぞ来し
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「志は?」」信念は?」と問われれば 「書生の如く」と胸を張りつつ
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長い指垂れた目元に息できず ダチュラみたいな君に触れた
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いちご飴 連なる六つ飴光る 一つ分けてよ口元を食む
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「夜だけは実はもう秋なんだよ」と語る 死を待つチュッパチャップス
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新しい子どもたちだけ救われて自己責任と切り捨てられる
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‪元・子ども、大人になった我々はそのまま朽ちて死ねというのか
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言葉では伝わらないと触れてみてなお伝わらず背を向けて寝る
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駅までを並ぶ二人は風向きを読めなくてただミントガム噛む
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頼むからパリにはお寿司などないと言ってくださいただ彼のため
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まだ五時と呟き行けばぬばたまの闇の向こうに秋が佇む
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‪やってみてはじめて分かる失敗を試行と呼んで重ねてみたい‬
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優しくてネット再契約伸ばす人 兄上の如く面倒見てくれ
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「帰りたい」 どこへ行こうというのかね もう故郷はないというのに
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汗ばんだ2人のことを知る者は私とあなた 扇風機だけ
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何もかも失ったのにこれだけは失敗しないタルト・タタン
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サンジャック通りこゆればふかき闇みるべきほどのものはみたりき
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大丈夫、まだきっとわたしここにいて湯船の中で形を保てる
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満たされた行方の知れぬ喜びをただただ一人で噛み締めては泣く
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制服に未練があると君は言う 夕日の部屋は学校で無い
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割れた爪見ながら零す「どうしたの」私の痛みをあなたは知らず
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おじいちゃん水泳選手をあきらめて 私は駅のタイルになりました
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3月の2度目の火曜日 本日のログインボーナスは親父の抜け殻
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自己嫌悪だけが起きている午前四時 口裂け女の寝息うらやむ
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好きだったあなたのうなじを思うとき自分の人生がどこまでも止まっている気がする
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