星霜は 黒毛の君を白く染め 惜別しらす 春のあけぼの
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君は傷を癒えるものだというけどわたしの膿んだこれはなんだろ
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ワンコインでお迎えしたボタニカル柄の時計はいつかの8時
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突然の地震揺れると怖いから 貧乏揺すりしているのです
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梅辛夷仲良く咲いて青空の高枝を見るその先に月
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線香の煙ひとすじ上空で乱れ絡まる態が切ない
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「すぐそこにバス停あるよ。アパートの一番そばから砂溜行きね。」
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見えるので見えたまんまを呟けば枚数増えるクロッキー帳
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自転車を隣り町まで漕いで行く膝の小僧が血を出したけど
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卵割る あなたに作る オムライス 皿ごと落下 意気消沈す
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「また」と言い「逢いたいですね」の顔を見せ「遭いたくねえ」と腹で続ける
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熱気球 君が命を燃やすから 僕は天国にまた近づいて
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わたくしのエンタルピーよ高くなれ熱きおもひよ伝はりたまへ
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シンデレラの靴みたいな救いが欲しい 合わないヒールで踏みしめる帰途
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「マフラー」と「テビチ」が同じ鍋に居ます、そういう店と分かってください
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初めてのとびらを開けるのは苦手 生まれたついでに開けてみようか
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クロールで息つぎ失敗したような顔がさいごの集合写真
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傷つかないためには強くなるしかなく それができないためにこわれた
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舞う花弁のように生きよう 最初からレールや成功無いと気付けた
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𰻞𰻞麵の𰻞の字を手で記すには紙面も墨も到底足らず
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息せききって周りは見ない呼吸だけ星が落ちたら弾けちゃうから
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舌の上甘く転がる風邪薬 頭を撫でる子どもの私 
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チルドレン、5才くらいでもあなどれん。3月ごろなら半ズボンOK
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花筵敷ける山路に旅寝して霞の衣たちや重ねむ
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この街を都会と思う人達で都会の街は成り立っている
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傷心しょうしんわたしのココロいやすのは 刺し子さしこ・カラオケ・短歌うたよろこ
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スキ。ただスキ。理由なんてない。スキ。それだけ。それだけだった。「初恋」だった。
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今晩も準備OK! 枕元に短歌ノートとシャープペンシル
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たてつづけ 起こる試練に 動けない この世の果てに 来てしまったのか
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歳ごとに彼の笑顔が薄れてく お願い!神様忘れたくない
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