帰省せば机にぽつり葬パンフそっと部屋出て知らぬが仏
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血が滲むみたいな恋をくりかえしすぐに汚れる僕の心臓
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三日月の メイドが静かに提供す ヤミ伯爵の 惑星サンド
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泣きながら 背にのしかかる 怪物の 由来を君は 知ろうともせず
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蹌踉けても起始と立つ真四角のゴム印ヒールを押してく裏通り
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〝君は君として為すべきことを為せ〞カーテンの裏に書いてあった。
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星として 輝く責務を果たそうと すればするほど 深くなる闇
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きれいだ赤が。きらめきの隣家のイルミをみつくろい選んで決めた
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自販機の珈琲で温う掌にバラの十円まもなく乗るの
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つまり何? 掴みどころない解釈を掴もうとしてる至難の技で
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満月の夜に食らった悪夢らを 加工して売る 虹色の獏
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〇〇好きに 悪人いないというけれどそれ言うことで悪にみえる
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いつか夢に見た未来が今だろう 鈍足タイムトラベラーたち
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永遠も数多の無限の一幕で生きるも死ぬもパレードのなか
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蒼天へ漕ぎ出せ船よさらさらのリネンのシーツを白き帆にして
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頬 瞼 唇 唇 歯 唾液 舌 順々に火が点される
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心中になる 陽炎に炙られて数えきれないキスしてるうち
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今日もまた路上であたしひまわりにされちゃう魔法をかけられて夏
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愛してる(きっときみではないひとを あるいはきみの知らないきみを)
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寂しさがなぜ胸を刺す 睦みあい白に達するまでの間隙
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憎しみに 脳を焦がした者にだけ えがける歌と 呪いがあります
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唇を盗み盗まれ火がついて笑い話にならなくなって
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届かない手紙を乗せた鳥たちは真珠のいろの雨になります
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よいことがあるはずだった朝だった 双子の黄身の相思相愛
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人間のワイヤーフレーム心臓のあたりに小鳥を一羽住まわせ
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この雨をこの陽を浴びて生きていく私を赦すポカリスエット
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手の中のソフトクリームしたたって取り返しなどつかない未来
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僕たちが 世界を呪う ちょっとした きっかけだった、フルーツサンド
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大美人 天使の笑顔 癒しけり モデル顔負け 映える希望へ
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宇奈月の 水が綺麗な 黒部川 澄んだ青色 冷たそうだな
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