狂池くるいけやデーモン飛び込む鐘の音
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ひかりたつ少女のひげに揺れているミルクの雫ほどの性徴
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これ全部饅頭にしたら何個分?椛の樹見て君は呟く
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生徒会選挙は部活の組織票文化部内閣発足したり
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賞味期限 1日、2日 切れたって 皆んな食べるよね えっ、食べないの!
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吹白し、寒空峠 操輪を握る吾が手も 脂凝りぬる
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見る頭ごとに雪ふる、霜つきの窓にも 朝の影が凝りゆく
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小白鳥来たりて 黒き土を踏む。この麦畑の、新しきかな
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この夜を飾る花火がなくなって推しを燃やして人間にする
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眠れない理由が欲しくて好きだったあの人のこと理由にする夜
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詩人らが やわかい心で生きてける やわかい世界であったらいいのに
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遠い地の どうかあのこのそばにいき あのこを抱き締めてやってください
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もうこれで 終わりにしようと思ってた 君の笑顔に出逢えるまでは
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わからないんですよと言えない必死さで降り注がれる手話の言葉よ
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ブランコは行ったり来たり風を乗せしばらく揺れる風眠るまで
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いなくても大丈夫ですよのアピールをしているから良く見ていてほしい
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ヤッホーと言ったら気づいて 空行きの乗車券を今買ったから
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「お綺麗な爪してますね」と褒められたネイルアートで画鋲を外す
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夕焼けも小焼けもみんな歌うから明日だけはお天気にして
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冬空は澄むほどにその涯なさの担ふに重く俯きて過ぐ
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このみかん君がおいしいと言ったから今日は世界で一番おいしい
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出来るだけ空の近くにある僕の青い気持ちで生きていたいな
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道行きに 雨そほふれば、おもてには 花の匂へる慣らひありけり
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宇宙図鑑開いてながむいくつもの不安が暗黒星雲に散る
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鹿と樹がただ一類としてあればこの時神のそのは音無く
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なぜ人は、いや大都市は1階にハイ・ブランドを置きたがるのか
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おしゃれすぎ本屋のおしゃれびとたちに仮定で頭脳マウントを取る
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川涸れて龍骨キールのごとき粗大ゴミ
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もし彼が生きていたならブラックのマスクをつけてあの咳をする
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バス停で待ち人並ぶ一本樹。夕焼け色に染まる寒空。
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