手に入れたポストカードがすぐにでも君に会いたがっているもので
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幻想に 命委ねて 三千里 痩せこけて今 老犬一人
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現実を 蔽いて飾る 妄想を 剥ぎ落すこと 骨折る作業
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恋慕う 女神の如き 彼女さえ 眼開けば ただの人間
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人生は 苦きもありて 甘ささえ 慣れて魅力も 褪せて萎れる
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失いし 初めての時 ようやくに 悟りて恵み 深き知恵あり
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光さえ 感じぬ闇に 目の深さ 有難さには 驚嘆しきり
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手術中 漆黒の闇 動転し 医師に語りし 静かなる声
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「死にたい」とツイートする矛 Amazonで徳用サイズのチョコを買う盾
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(夏ですね) そのひと言が言えなくて (きみは海には行けていますか)
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まだヒトの完全機械生産もできないくせに文明などと
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君のいない世界をこれからどうやって生きたらいいか、わかんない、とか
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少しなら甘い砂糖も一キロで 死ぬけど私はそれでいい
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君の手の甘い香りが鼻をつく 泣きたくなってしまう、ほどの
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たくさんの曲のなかでの出来事は 大体あいつのせいなの夜の
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片手間で愛してくれるだけでいい それで充分満たされるから
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空想このこいを「なわけ」と言いつつぼんやり眺め「そうだといいな」で眠る夏の夜
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僕などがどんなに焦がれ願っても きみをこの手で抱き締められない
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生き物が死んでる肉を買う場所の花売り場で二割引きの供花くげ
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運転中ふいに君から「好きなんです」 待ってよあいみょん止めて聞くから
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道端でぱしゃっと撮った空色を送ってみようか日曜日の暮れ
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手の平と胸の熱さに慄いた (僕では君を守ってやれない)
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あなたとの散歩が日課になったから黄色い花の名覚えてみむとす
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輪郭が消えていないか確かめる 体温と気温が近い日で
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AさんがBさんのこと見つめてる 事務机の上 私はホチキス
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とけてゆくさくらのはなが視えるのです 耳に音像 まどろみのいろ
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あのときも気を利かせてたつもりだよ うまくはいかないかっこ悪いおれ
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平日の生クリームはパンの上 トーストしない方がよかった
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秋のひが落ちる それを見るノはあなた 木から降りてきて冬支度しよ
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世は地獄ここに残していけるかと好きぴ(遺体)を食った終末
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