眠らない街、人、木々に囲まれてやっと眠れる貴方でしたね
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朝四時にヤクルト1000を買っていく男でしたと紹介されろ
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炭酸の弾けた泡で皮膚を刺す 流入するは夏の幻覚
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突き詰めて言えば「自然」がほとんどの人の苦痛の原因だろう
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言い合いは被害者ぶったもん勝ちで 気付けば僕は加害者らしい
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いざ一戦 あの子を前にこわばって 我のういろう しゃちほこならず
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デビューした蝿と一対一になりジリジリ握る新聞紙なり
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ステージにたったひとりのきみがいま吹かせる風で変わるよ、世界
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太陽にまみれて輝く君の髪これから夏の季語と制定
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二度見する イケメン越しのイクメンを  どちらでもない人の隣で
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朝焼けの 街は凛として 冴え渡り 果てまでも連なる 電線の柱
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数学はさっぱりだけど現国は得意で君の気持ちも読める
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紙ふぶき散りばめたようきんとんの萌ゆる色香をあなたのくちに
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夏空に雲が流れて 好きだったタルトの名前が思い出せない
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血を分けし少女は波と戯れて 潮の匂いのなつかしき浜
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とりあえず海へ行こうよ まだ君が私のことを嫌いでいいから
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十九歳一年早くウィスキー追う父の影優しさ忘れて
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乾杯と打ったガラスが砕けたら琥珀の銀河涙の代わりに
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別れたい言いづらいんでしょわかるわよ 私の心は高解像度
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空の安酒を置き去りにする1Kの荒廃は雄弁に無言
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空中に指を広げて差し出して誰もいないと確かめてみた
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輝きて緑充ちたる地の上に永久に異物としてあれ人よ
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真夜中に「でも」と「だって」を繰り返し 嫌でも気づく 君が好きだと
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負けず嫌いわかっていても譲れない曲げられなくて折られてばかり
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丸裸になって雨を浴びられる 日本の露店風呂の特権
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空気入れ デコボコわかる自転車の ようにあなたの心を知りたい
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空に住む獣が吠えるお昼すぎ 夢から私を引き戻す雨
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いつの日か 二上山に皇子みこ訪ねむ もはや叶わず 車椅子の身
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救世観音 千年の秘宝目の当たり 太子を偲ぶ春の御開帳
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鳰の海 湖畔に眠る皇子みこ偲ぶ あの日の戦白露のごと
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