夕暮れの西日差したる今しがた きみの横顔より美しく
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海辺のカモメ一羽、いつの間にか飛来し、しばし目の前、何かない🐦⁉️
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死を悟る閻魔蟋蟀の啼く宵に呪詛は密かな因果を称す
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風鈴の 絵葉書が遠方より きて体を 吹き抜ける風 君がくれた
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浅草の天丼アタマは流石さすがだが米は負けぬと田舎の我ら
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寝苦しい 夜に目が覚めエアコンを 付けども冷めぬ 君思う熱
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もう、いいかな と何度目かの決意。めんどくさいを言い訳にしてる。
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浴槽が充ちる早さで夜が凪ぐ嵐のあとの傍白を聴け
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パスタ屋のアイスブリュレで夏を締め 秋のきのこのパスタを待ちぬ
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さくさくと 刻むもたのし星型に 愛想ふりまくオクラたちなり
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頼りない筋張った首にリボンを巻く 「美しいものを全部見たらね」
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真夏日でも ツクツクホーシ 聞こえ来て 虫たちもまた 四季を持てりと
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「暑い日は栄養省くな手間省け」 薬局の標語 それもそうだね
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それとなく期待するから失望す アテにしなけりゃ腹も立たない
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汗だくでひたすらに摂る水分は どこへゆくのか 汗になるだけか
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孫の手を 引きて散歩に 出てみたら 海は広がり 青い空
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ひさびさの 満員電車に辟易し 徒歩通勤を決意した朝
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「熱中症 警戒アラート」発令を二十回聞いて日常となり
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朝の駅 主観のレンズを通したら 生きとし生けるものにあるドラマ
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病院の支度はじめると ねこガン見 おひるをはやめにもらえるのニャ??
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ボケボケの 寝起きの頭 ゆるく振り 一日分の モヤ飛ばしてく
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まだともう あいだを繋ぐ 蝉時雨 空の高さに 終わり思うが
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あさがおも ひかげに咲くは ながくいて せかいのすみずみ あじわっている
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公園で ブランコだけが 夜を漕ぐ きしむ音残し 跳ぶ背中のあと
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天の川羊羹 多忙で未開封 七夕はもう遠くなりにけり
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昼と夜上と下とで交代で鳴き継ぐんだね蝉と松虫
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現実の海より自分の名が付いた錨引き抜き狂気へ舟を
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俺様が振った女が幸せになってるなんて赦せないなあ
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いい暮らししてるらしいな稼がずに! 稼げた時は生命いのちぺらぺら
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ほんとうに眠れず過ごす夜も開ける。 生活保護も悩みは深い
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