好きでもないコーヒーを無理矢理流し込む朝大人になったと思う
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この新刊買った気もするしない気も 二冊あっても困りゃしないか
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ストーブを出すほどでもなく着る毛布だけでは寒い秋の夜長よ
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曖昧な 態度をとって はぐらかし 気持ちを隠し 平静装う
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冷えた指 あなたの指も 冷たくて 重ね合わては 温めあって
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触れられた 冷たい頬が 熱を帯び 色づき始め 紅玉となる
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TLに時々流れてくる犬が死んだと知って涙する夜
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夕暮れに家々の灯のともるころ風にながれてシロフォン聞こゆ
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ありがとう 言われるために 親切に してないけれど また言われたい
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こんなにも、こんなにもわかりやすく見せつけた愛、見落として君
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あったかいココアにマシュマロいれて飲む。心のリボンほどける時間
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雷鳴の轟く今日も眠れずに無力な明日を非力が耐える
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満月はとうに過ぎてた 着古した上着みたいに色褪せた夜
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良夜かな ひとりぼっちで歩くには毫毛ばかり寂しすぎるほど
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唐揚げを二人分って買ったのに長い楊枝が一本、バレてる
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寝る支度 半分済ませて 相棒観る 今夜の相棒おともは リンゴのお酒
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海を見ず海を語る恋人おり海は静かに君を見てをり
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暮れなずむ街はいつもとおんなじで昔の僕と会える気がする
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日毎葉を落としつつある桜木に鵯いく羽 長月に入る
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わたしは一人残されて 部屋の隅、積み上げられた写真たち わたしが一人残された。
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シチューを煮込みましょう 愛を込めたぶんだけ じゃがいもは柔らかくなって
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ミルク粥 コトコトコトコト 愛情も 一緒に煮込むと しましょうか
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助け合い空いてる穴を埋める日々 忙しいけど気持ちは一つに
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澄みわたる 空の高さは感じれど 今日も半袖 アイスティー 
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いさなとり 海路うみつぢわたり吹く風に 奈吳なごの浦にてるる石蕗つはぶき
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ねりきぬに ふればふおよびあからひく 和膚にきはだがごとみましおぼほゆ
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仕事として米の選別知る夫はいまだ田にある稲穂を憂う
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にはたづみ 流るるすゑのわかぬ身に 雲居くもゐのはては知るべくもなし
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ありがとう 言われる事で 頑張れる 辛い仕事も 笑えるように
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誰もいない世界になったらアイドルになってブランコ立ちこぎをする
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