夏空は 夏色であり 懐色だ 半分青く 半分セピア
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午後の古書に光り消えゆく文字追って紙魚の食う言葉ばかり集めてる
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キタキツネお座りをして飯を待つ友の密かな老いの楽しみ
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濡れ衣の 重さを知ってか 鳴く鳥の 渇いた声が 心慰むなぐさ
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似合わないけど好きな服人目から解放されるためのステップ
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飯を食い風呂に入れば忘れ去る その虚しさもまた吾のとが
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許されよ 至らぬわれを許されよ 雨に叫べど答えなどなく
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不肖には 闇に答えを探るほか 何ぞ途などありませなんだ
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天然の パーマのわたし 六月は 大体だいたいいつも あきらめている
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悔恨のつるぎを胸に突き立てる おのれ自身を愚かと知れど
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あといくつ胸のつるぎを抜き去れば われはわが身の明日を望める
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あんたらが見える天使にだけ羽根が生えてるだけよ あたしが普通
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父母ちちははおも哀切あいせつ 割れ硝子がらす 触れては裂ける 五年いつとせ経ても
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地にかへる かげな追ひそと雨ぞ打つ かれはく者 くる者
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雨あがりクッキり青空広がりてリズムを刻みホトトギス鳴く
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背の高さ競うよに咲く立葵色とりどりに夏空に映ゆ 
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雨降りの気温二十度嫌だけど明日の真夏日それも嫌だよ
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することがなくて早めに湯を沸かし窓打つ雨音湯船で聞いてた
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今何をしてたか忘れ続けてる like a rolling stoneライカローリンストーン いつも
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あの人に恋人がいると知った日も月は綺麗で話が違う
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あれこれとやってしまうと明日あしたする仕事なくなる今日はこれまで
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休みます 理由なんてね ないんだけど 強いて言うなら 心が疲れた
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看板にくくりつけられた置き去りの 風船 揺れる嵐の前に
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「分かる」って気軽に言うなよ分かるわけ ないだろ他人の心なんか
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安曇野のわさびふりかけ賞味する都会で生きるかつての旅情
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この雨に 打たれ晴れ待つ 堪忍かんにん 相手を許し 生きることらし
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亡父よりスナック通いを継承す教えられてはいないけれども
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クジラより 大きく見える 曇り雲 イワシの群れの 人をふと見る
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雨上がり 薄日が差して ねこ眠る 撫でるとフミフミ きもちよいかい
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母の検査入院にゅういん 急に日取りが前倒し 電話でバタバタ打ち合わせする
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