「再発と 共に歩め」と 言い聞かす されど心は 闘志満々
10
咲きいそぎ 去年ならもう 花筏はないかだ せめてひとひら 今年はまだか
10
春の日の僕らを撫でるそよ風に睡眠薬が混ざり込んでる
11
花が咲く枯れる実が生る葉が落ちるそれだけでいいなんて幸せ
12
本当に本当にただこれだけで良かったものか分からなくなる
4
「どれくらい」? 嬉しいことは 一番に きみに伝えたい それくらい好き!
4
目を瞑り 液晶越しに 声がして 君がとなりに いる気がしてくる
6
弱視には見える全てがグラス越し 眼鏡が嘘をつかなきゃいいが
10
もう二度と 会わない人のこれからに 分からないけど 幸あれかしと
9
大丈夫じゃない日も大丈夫って胸を叩きながら歩く
3
君がいなくなって携帯の容量と一緒に心まで空いてしまったよ
6
記憶はナマモノで足が早いですよ
2
今何時?聞いても、同じ時間なのに隣にいないんじゃ違う時間だね
3
今月も指先に新しい小宇宙
2
少ない生活音の中では生きることを感じれないかも
4
新しい 事をはじめる タイミング もうワンチャンス 四月始まり
6
青春は歩む先にと思ってた気づけば背後に灯されていた
10
障害と聞こえ悪くもその裏の「秀でた才能」見てはくれぬか
17
貧乏も恥じることなく堂々と我らは国に生かされている
16
コロナ禍はマスク買えずに作ったな今パンストで髪の毛結ぶ
8
パンストが伝線しても溜めたのはバンダナマスクの紐にするため
8
わたくしの中に居座る東電のOL魂今はいづこへ
15
山雀やまがらの枝伝い行く街路樹の桜の花はげて数ふべし
11
母なんとか 大事なかったが 我の行き先 花見から実家に変更する明日
14
春うらら 青空そよ風 磯鵯とりの声 桜の花芽 ぐんぐん伸びろ
19
センサーライト迎えてくれたあとはやっとくからいいよって言って
7
心中の生まれ変わりの僕たちはサーモスタットが壊れている
6
アルバムは 幸せだった あの頃を 思い出させて 涙を誘う
22
色褪せた漫画の並ぶ息子の部屋へ孫来るを待ちカーテン開ける
16
気がつけば『短歌DE繰り言』の仲間増ゆ 一日一首は詠み続けたし
5