通り沿い整列を成す花水木 楚々とした白 涼やかに咲く
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「幸せになれよ」と言った。嘘じゃない。 私となって欲しかったけど。
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かはづ鳴く井手の玉川来てみれば散らで映ろふ岸の山吹
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おぼろ月ひとり呑む酒あおる酒アテはおぼろの君がおもかげ
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ピンクじゃなく緑の桜があるんだね 御衣黄桜ぎょいこうざくら いまが見頃と
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暑くってアイス食べたい どれにしよ キミと分けるなら ピノを3個か
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なま物に当てた氷を気にしつつ 夏日の午後の買い物帰り
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花冷えに 春のポトフを 煮込む音 ただポコポコと ポコポコポコと
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乳酸菌を飲みつつ ふと気づけば外は春風、 澄み切る空に花びら舞い 心も軽やかになる時。
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寝溜めは良くない日曜日 カーテンの木漏れ日は春の匂いがした
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ヤクルトをピルクルに替える物価高 ヤクルト1000など夢のまた夢
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なにかやる 人だからこそ 出来ること その時までは 日々精進
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翻す理由は単に「白が好き」そういう旗があってもいいね
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疲れにくいを叶えるいいねインソール頑張らなくていいから買った
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美しい友が我が家を訪れて はしゃぐ息子の一歳の春
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傷ついたつもりでいたが気付いたらこの僕こそがナイフであった。
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「あの時にああしていれば」の繰り返し 損を許せる人になりたい
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葉桜の下で散歩の小休止 初夏の陽気にウィルキンソン
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散歩路は初夏を思わす陽気にて 冷水筒を持たず後悔
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葉桜のまばらなる一輪は地球防衛軍の最後の生き残り
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桜の下 写真撮られる生徒たち いつも怖い先生が微笑んでる
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死神は桜とぼくを見比べて(次の春また、会えるでしょうか)
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夢叶うまで我慢したあの商品、なんであんなに欲しかったんだ?
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わたくしの狂気に巻き込まれ死ぬひとがあなたの正気に巻き込まれ死ぬ
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病めば荒れ 楽しきゃ夢中で手をつけず どうにもならない私のお部屋
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やどかりにとって浜辺は限りない事故物件が並び立つ街
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ちま猫は きのうのびょういん おつかれて きょうもまくらでスヤスヤねむる
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「いっこだけ」食べたいときはパン屋行く おいしいりんごと紅茶のスコーン(作ると大量にね)
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ロイヤルなミルクティーさん飲みたくて カフェオレそっと棚に戻せり
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ナツィズムの夏 医師は診察鏡を翳し堕胎宣告をせり、狂人に
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