田には水川は増水霧かすみ雨はじとじと景色ふやけて/濡れそぼつ
16
雨上がり 忙(せわ)しなきこと 囀(さえず)りが 明日の糧なる 生命啄( いのちついば)む
16
爺ちゃんと孫の二人がカフェに来て会話やりとり可愛すぎるよ
19
samid
14
窓からの滴る緑の葉の揺れがこの世最後の絵になりそうだ
12
抱擁がいいねと合致昭和産おばさん二人セクシー談義
11
生ゴミと可燃不燃に着ない服雨が捨てろよ捨てろよと降る
9
おいしいね、でも淋しいね、って言いながら珈琲の渦に涙を放る
25
ごちそうのあとも微熱ののこる穴 珈琲で満たしやっと「私」だ
21
換気扇回して蚊取線香を 焚いて祈るよ去れよ悪霊/か、野生動物か
10
依頼者の寿命を当てる占い師予約いっぱい貯めたまま逝く
14
屋根裏で蠢く音の正体を 霊障であれと初めて願う
18
たまにはと階段上れば心臓が運動不足の警鐘鳴らす
14
半袖の白い制服目にした日五月下旬は夜風さやけき
15
空仰ぐ 若手社員の いい笑顔 幸多かれと スマホに納め
24
寝室の シーツ二組取り替えて 一人りんちゃんごっこに興じる
10
角にあった焼き肉やさんがなくなって慣れてしまった街の人たち
15
雨だれでゆれる草の葉庭茂み野生動物か?など疑い
18
猫だとか恋人だとか夢だとか我が砂漠にも欲しいキラキラ
16
母になり ライブハウスはほど遠く でも風や木が 微笑んでくる
14
甘へ盛りは歳重ねども変はらぬ 撫でのおかわり求めをる猫
24
ごく僅か残った愛もつぎこぼし空の水差し円卓ポツン
9
はつらつでシルバーヘアの阿部さんが庭先並べるトマトの苗です
16
酔いどれの 爺さん拾えば 元陸士 駅にて別れ 敬礼される (新宿にて)
8
小雨降り緑の香りが濃くなってまだ大丈夫とそれだけ思う
24
スマホにはもう触らないでおこうねって自分と決めて横たわる床
22
息つぎの仕方を忘れていた日々の服を静かに脱ぎすてる午後
38
「問題なし」きいて戻ってきた部屋で水に溶けてく午後のわたしは
23
軍産の利権蠢くこの地球足らずて他所の月まで汚す
10
潮船の並ぶ泊りに老いの波けもの寄れども若人寄らじ
12