階段と風呂場と居間に手すり付けほっとしたのは父よりわたし
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出来るなら奪いたかった東京へ旅立つ君の学割切符を
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信じても信じなくても咲いてますみたいな桜で言語が狂う
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無心になると機械になるとは違うのだと見上げれば桜が満開で
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純粋さがうらやましかった、でも君は彼らの射程圏内だった
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そのへんに落ちてた飴の包み紙だけで作ったモザイクアート
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三千百円の服が入った袋 葬式のお知らせを見た
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最後だし撮ろうのひとこと言えなくて黙って並んだロッカー写す
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もっといい男になるよという君の見てる誰かを僕は知らない
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純粋な果実のような君もたぶん自然に腐ってしまったのか
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前髪をめくってみたいブリーチの理由が書いてありそうなでこ
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ちり紙を丸めたように咲いているようにしか見えない春もある
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持つ物が増えるスマホと老眼鏡夫の薬と拗ねた子の肩
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感情って結局元素でできてるし所詮水兵は海に勝てない
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纏ひ附く百合の喩へのいみじからば雁の図形はくづれかへりぬ
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娼婦私生児しかれども父祖にてはなやかなる頬 じつを衒ひて
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約翰よはねまぎらはしくも謄本へ添ゆる洗礼名さへみわけがたかり
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放蕩の返済が果追はれつつ葡萄に裸婦は序する福音、鳩卵
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埋葬費をりしもてなぐさみに染む罌粟防火壁のもとに額づけ
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踏まれてるふきのとう見てつぶやいた君はいくらか頑張りすぎたね
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僕といて恥と思わないと言う君が恥ずかしがっててなによりも春
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あの時になんて言ったか知りたくてやればよかった読唇術
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その呻きすら日常と呼ばれつつ鍋にトマトが煮崩れてゆく
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ゴロゴロと頭の中で鳴る言葉 きっときれいな音色にします
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君の手にこぼれたものは宝石かそれともただの涙だったか
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くちびるに桜を乗せて花見する変態だよと風が微笑む
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眠たくて瞼重くて疲れててそれでも空は元気に青い
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遠い日のあなたと僕が住む街へ攫ってくれと薫風に請う
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吉野山 昔はのどかに歩けたね 今年はどうかな 開花予想とスケジュール
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休日に 何もしないでいられない いつのまにやら仕事人間
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