母の愛彼岸の後も続きたる亡くなる前に「生まれて良かった」
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疲れたが諦め受けた秋の模試 君は模試楽しいと言う狂気
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月光の白さを吸う背ただ光り 濡れた夜が染み込んでゆく
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紙で切る人差し指の痛みほど生を感じる濃いあかの跡
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ねえ! 君は幸せだった? あたしはね! 君がいたから幸せだった!
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夏過ぎてストッキングを脱ぎ捨てた脚甘やかす黒タイツはく
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誰よりも 舞台を愛しているがゆえ 自分自身を 殺し続ける
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月曜の舞台でおどる屍は全員左に傾いている
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秋雨にドライブする日父は釣り一方母と地酒飲む我
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遅刻して 間に合わなくて 届かない だからいつでも置いていかれる
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月光や甘美な理想未だ来ず ブラック飲み干し本開く夜
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横になり腰に沿わせた恋人の腕が死体だった驚き
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6日後に遺言状を書くひとが光風に目を細めてあゆむ
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満たされる身体と満たされない心 食べるだけでは上手くいかない
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君が今 口になさったばっかりに 特別なマナになった食パン
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あぢけなし秋刀魚の匂い僕は無理食卓飾る栗の花かな
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日本史は苦手だったよ松尾芭蕉蜻蛉連れ出し集団授業
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省みる港の水面秋深し鰯の大群旅立つ君よ
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金木犀香り高きは幻の公園の日々君といた秋
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夢の果てコンクリートは何処までも揺らめく蜻蛉貴方を見つけた
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ひび割れた赤色ブーツ爪の先去りゆく貴方は寂し秋風
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あさぼらけ曙いないよ土俵際令和の秋は土踏まずかな
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注いでもれて流れる 鍋底も 綴じてやるから 早く行きなよ
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くるくると回る、落ちてく、君となら そんな気持ちにさせないで、秋
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シャッターに間に合わなかったその刹那 もうすぐ沈んで帰って来れぬ
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失望の言葉を浴びても死守をする私の時間は私のものだ
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青空のしあわせ色の球体は何かを引き裂く力を秘め
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同じ月見上げているならそれでいい 棺桶代わりの電話ボックス
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寂しさがぼくの心をノックする 空ばかり見る それでも溢れる
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松茸の香りと違う美味な香よブナハリタケの炊き込みご飯
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