アイスモカ 飲み進めても分離したままのホイップみたいな気持ち
0
洗いたてマスクの出番も今ならば流行遅れの八月の末
1
傷跡と 心の闇とかいうやつと 死ぬまでダンスを、ヒップホップで
0
早稲わせを刈る幼稚園児の歓声に コロナに負けぬ力あふれる
1
夏休みみんなでつくった秘密基地ひとりでこわして大人になった
3
ブランコの振り子のリズムで靴飛ばし「明日は晴れ!」と神様ごっこ
0
ピアニストが弾く前に目を閉じるのは仕事のうちに入りますか
1
塗りあげるメイクに任せた愛嬌をつくりあげてく口角カーブ
1
ある晴れた日の空から飛行機が静かな存在を散布している
0
しき手に触れたく思ふまばゆさはサイダーを振る振りかたで来る
1
あぶらぜみにいにいぜみくまぜみつくつくぼうしそしてひぐらし
2
「いいもの」と手に乗せられた合鍵のキーホルダーだけまだ持ってるよ
1
突然に棒で殴られた青空が粉々壊れ落ちての豪雨
8
冷えている麦茶をのむとさらさらと ぼくの体はせせらぎになる
12
さじれて緑の袋の粉かす 眠きむすめを起こす心音 こころね
1
はすの葉につ花つぼみ 薄桃うすもも見上み あげし雲間くもまに浮かぶ山あお
2
「チョコミント。四捨五入して考えたら、歯みがきのあとに食っても」「駄目だろ」
1
無理ゲーの生き様ゆえに道行く交差点にて立ち止まっている
1
朝の風昨日を捨てた黙認よ 取り残されてる二度寝の彼女
1
接吻キスなんて銀河系では当たり前だから逃げずに愛を確かめて
0
「なにもかもあなたにあげたつもりだがなにが足りない?」「罪が足りない」
2
くしゃみする また くしゃみする くしゃみする 君が想ってくれているのか
1
不完全なれど愛しききみの世はきみ自身なり革命前夜
2
リムジンも素敵だけれどわたし、今、星間汽車に乗っているので
3
真っ白は眩しすぎるや紅炎や黒点のある太陽が好い
2
きっと誰にも選ばれないとしても 書き続けねばならない、なんて
1
濃厚に接触したる蚊を叩き 噴水の飛沫浴びて帰れり
6
唐突に響いた花火 開けた窓 意味をなくしたエアコンの風
1
BUMP OF CHICKENと伊坂幸太郎 茄子入りカレーが好きなところ。
0
人間も消費期限があるらしい暑すぎる夜に朽ちるアボカド
9