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ぼくのマリアは手首の五線譜を眺めて ふたりだけの賛美歌を謳った
3
光るインクであなただけの取説を作って渡して私を分かって
12
夫の昼 うなぎのはずが お見送り 見本未満で 見合わぬ値段
12
宅食でうなぎ食む母 豪華版 ちょっとお値段も豪華だけれど>月一でごちそうを頼めるそうな
15
クーリングシェルターで出会った彼女とクラゲの季節迎えても夏
6
「コーヒー飲む?」「いらない」の その言い方が 親しき仲にも礼儀ありとぞ
11
炎天下 無心に歩く 夏の朝 貯まる煩悩 ポイ活の日々
8
「夜、うなぎ?」 かぶらぬように 訊く夫 大丈夫だよ 社食で食べて
11
草を刈る 面影の父と 山の墓地 夏の背に汗と ただ蝉時雨
11
今年なら「穴子だよ」って堂々と出せる価格や土用丑の日
16
盛り上がる今日より先に手に入れた穴子を出して土用丑の日
14
煮浸しの甘長とうがらしの先 齧りて流るつゆの琥珀色
10
人はなぜ毎日食べて
眠
(
ねむ
)
るのか こんな問答孫としてみん
13
ウミガメと一緒に泳げたことよりも喜ぶ君の笑顔が嬉しい
8
『秋桜』は母が好むので 歌います ずいぶん若い時分の作品
10
新聞やチラシに ねこは きょうみある カラフルなインク きらきらひかるよ
9
餌もらうさくらねこほど気にかける人を持たない空白のぼく
11
投げかけた「閉会式をしなくちゃ」の言葉は未だに宙を彷徨い
5
真相を突き止めたとて真っ白な夏と私がここにいるだけ
6
支配欲 いつから恋のふりをした?あなたと蝉が頭に響いて
6
恋されて応えるように揺れたとて 私もあなたも恋じゃなかった
5
満員の 電車吐き出す 人混みは 綺羅星のよう 輝く戦士
9
犬を食う人に対して犬を食う人と呼ぶのは辞めよう 俺も
5
物言わぬ植物ゆえに粗大ゴミに出される 鉄骨は組まれていく
9
女たらしの太宰はあまり好まぬが 「津軽」のラストに涙ぐむ俺
8
五右衛門の子孫だろうか啄木は悪いヤツだし短歌上手いし
9
大相撲ハラハラ勝負の凪の間の浴衣姿は意匠の涼し
14
盆帰りふるさと今の街に在り帰る場所なきそれも寂しや
11
放哉に憧れ歌を詠み始め真夏にひとり咳をしてみる/題『歌人』
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メカニック描けば途端に筆狂う大藪晴彦作品よ/題『作家』
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