午後十時ようよう入り来る涼風と虫の音求め窓辺のベッド
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うとうととぬるきワインに染まりたるきみの指にもひそむ白骨
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少女から女性になって母になり 我が身捨てても守りたい者増える
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満天の星が見たいな どこに行けば ここは都会で 実家さともまあ都会
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わが猫たち お気に入りの箱 それぞれに くつろぎ入る ご機嫌ゴロゴロ
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蜂蜜はちみつ生姜粉しょうがこ入りのホットミルク のんびり飲んで布団に入る
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モヤモヤが心の中に増殖中 集中豪雨で流れて消えろ
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暑さの 波が去っていけよと 蛇口から いっぱいの水で 顔を洗う
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鳩飛ばし応募して 指折り数え ふみを待つ 胸を焦がすは 書類選考
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だれもない場所がよすがか夏の花かかげるばかり汗を流しつ
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残暑なる 二十一日 品川で 制服女子 見て始業知る
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哀しみの覆う夜空は星もなく 滲む三日月 ひとり浮かびて
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「来週の誕生日は何が欲しい?」「天国までの片道切符」
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母は明日スタバデビューをするといふ ラインでフードのギフトを贈りぬ
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弟の春の土産のお伊勢茶を 惜しんでなかなか飲めずに置物
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壊すよりやわらかくって殺すよりあたたかいこと戦争よ去れ
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人生の螺旋階段踏み残し泡沫うたかたの夢結ぶ友がき
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三日月が二重に見えてひとりごつ 「フライミートゥーザ・・・・・・やっぱり嫌かも」
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百超えて 全てを絵画に 注ぎしか 子供も持たず 命の限り
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恐竜の 研究こそは 未来へと 後継の君 バトンを頼む
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伝説の イカとクジラの 闘いに 子を護らんと 母の思いか
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マティス翁 最終章は 切り絵にて 描く世界の 果てなき思い
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恐竜の 発掘挑む 人たちよ 我がルーツへの ロマンの旅か
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在日の 学校閉鎖に 思いあり 誇り守らん 貴女の輝き
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海賊の 映画の世界 魅了され 歴史は語る 僅か四十年
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我が母よ ひ孫に会いて 満面の 笑顔こぼれる 百歳生きて
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はだしのゲン 無言の父が 語りしか 戦地の地獄 伝える娘
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アパートの階段に見る糸蜻蛉明け渡す日も遠くはあらず
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新月が  過ぎてほっそりした月が  夜空にかかり 猛暑過ぎゆく
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丁寧に優しく私に触れるのにデスクトップは汚いんだね
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