各駅の我と急行の君恋し新幹線ひかり源氏
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見苦しく必死に足掻くその瞬間がきっと何より美しいから
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レタスから千切れて落ちた革命の可能性ならゴミ箱のなか
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歯みがきが下手くそな夜飛行機のランプまたたく空を飛べそう
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やわらかな白いアスパラ湯がいたらあなたの腕に似てて食べない
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愛や恋、ロマンスなんかではなくて待ち受けているのはただの梅雨
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なじまないハンドクリームみたいだねコンドームのぬるぬるのところ
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ゆるやかなすべり台から駆け下りる恋の終わりを早めるように
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マヨネーズセロリにつけてかじりつつさっきの抱擁は事故だろう
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骨のないマネキンのよう終電で手すりに身体ゆだねた人よ
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戸のすきま白馬のよぎるつかのまのゆめまぼろしの世をわたりゆく
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ブラウスのシミを抜いたら出掛けようひらひら風に舞って留守番
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スプーンの柄に彫られてる貴婦人はカメラ目線でインスタに棲む
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舞茸のようにひらひらになったらハチ公前ですぐ見つけてね
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崩れてもまた崩れても食べられるピラフになりたいそう言って泣く
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今夜から眠れないからダージリン買って帰るね渋い恋だね
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いちはつの散らまくをしみ手折れどもいのちはかなくしをれたりける
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確かめてみたらいいよと言う人に背を向け帰る勇気が欲しい
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今夜また会えるといいね右袖のカフスボタンを渡すあけぼの
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朝焼けを濁した雲よわたくしの過ちそっと責めているのか
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図書館のどこかで眠る栞には夕焼けの色染み込んでいる
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すみれのちさくらの雨が終わったら氷細工が冷水ひやみずになる
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ほのぼのと明石の浦の怨みてもまだあまりあるわがなげきかな
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生まれても愛せないかもしれなくて恋心の芽ひとつ摘み取る
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カプチーノ飲み干しマグをとんと置きルージュを引いた 寂しい笑顔
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はじまりを誰にも言えずに抱えて生きた知らないままで終わった
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君の気配のする部屋は清いまま大丈夫まだ孤独を愛せる
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気だるさと眠気を共に感じたい、君とまた夢を描けるのなら
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水面のきらめきみたいな君と暮れ浮かびは消える泡のようなもの
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かき揚げになった海老たち最後まで孤独になれず油の海へ
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