お日様の偉大さじんわり感じ居り 時雨の去りし小春日和に
15
ひさかたの 空はさむみて雲にばみ ひき愈愈いよいよたちく白姬しらひめ
4
もの忘れ外来と言う心療科 精神科より行き易いかな
9
青空を突き刺していくあるじなき天守をかこむ木々の彩り
4
弓道にまなびしことば「残身」の美 たそがれるそらに金星のひかる
7
近頃はフラッシュバックのはなはだし、ユウタイリダツが生半可なまはんかすす
5
ドリンクバーカップ持つ手のおぼつかず三杯目にしてセーターに染み
8
次々とマジック拡げる高齢のマジシャン少したどたどしくて
12
人生は 雨が降ったり 曇ったり いつになったら 晴れるのだろう
2
失業し 学校行かぬ 若者に 親近感を 覚える始末
2
蛇口からじかにお水のほしいねこ 母を3時と6時に起こす>眠い‥
10
人生は 労働とおし 何を知り 何を教えて くれるのだろう
1
いままでは 困った人を 見る度に 助けたいとか 気軽に思う
2
労働は 他人のための 奉仕なり そんな余裕を 持ちたいものだ
1
食い物が 眩く見える 失業者 恐怖のために 夜も眠れず
1
金持ちは 働かないで 飯を食う 貧乏には 働けよこら
1
この世では 生きてゆくため 飯を食う この宿命が 労働の意味
1
年齢が 恨めしいかな 64 誰も雇わぬ マジックナンバー
2
職安を ハローワークと 呼んだって 失業者には 暗い牢獄
3
黄色づく落ち葉に丸いからす猫黒い毛並みにとてもお似合い
13
週末のカレーのために 安売りのチラシと今日もにらめっこせり
6
新しいおもちゃを買ってきたけれど 起きてる時間帯 ねこが寝ている
9
「アド」と聞き歌姫よりも漫画家が先に浮かんだ「私は最古」
12
朝陽染め雲は桃色恋してる?初冬の寒さ温かき空
4
準備さえ 整わぬまま 僕たちは 産み落とされて 生きよと請わる
9
伊勢参り荷物の中に忍ばせる旅のお助けキーピングテープ
8
陽弱まり 暮れていく町 息白く かじかむ指に 雪虫ふわり
9
このくれの しげき思ひのつらければ あはれなりけり冬のあかつき
3
窓の外 見下ろす背中遠ざかる 病床で聞くボブディラン
17
敷く雲の 浮き立つ空のみんなみに 陽炎かぎろひさせば山と見ゆらむ
3