話したいことが沢山あるけれど LINEでしかさ かい話できない
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浴室に散らばる吾子の髪豊か人生二度目の散髪をして
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木更津に来れば必ず「バー弁」ぞ 煙の味になぜか捉わる
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朝焼けは君の体を温めて、擦った眼に光が住まう
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ねこはたぶん かぞくをランク付けしてる スリスリ みつめて「ニャーニャー」たくさん
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触れるのは君からだから言えなくて 僕の望みもそこにあること
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主亡き玄関の脇にタンポポ咲いて雑草などは無いと知る
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逃げ道は残していけよ手弱女我が友よ 再度の転職決した夏に
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愛情を計量カップについでいる あなたに渡す適切な重さ
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轟音の草刈り円盤去りしあと鼻のなかまで青濃く染まる
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曇天のグレーはただただ中庸で身を投げ果てなく進んで行きたし
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梅雨らしく雨降ったよな降らぬよな違うと言えばそうかもしれぬ
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夏の夜 空の涙が流れたら そっと目を閉じ 君を想うよ
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眠れない 夜に飛び込む LINE見て 次の楽しみ 感じ朝待つ 
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胎児よ胎児よなぜ嗤う ドグラ・マグラに引き込まれゆく
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かかと付けしゃがめないのよ固い僕 和式トイレでそっくりかえる
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えっ!マジで!西瓜は秋の季語なのね紛らわしいったらありゃしない
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旅を終え 湯船に浸かり よみがえる いつものシャンプー おかえり私
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段ボールハウスにやっと住み慣れて今日も並ぶか炊き出しの列/食い逃げ最終章
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YMOワイエムオー鳴るは電子のピコピコ音『テクノポリス』が懐かしき
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陽に詠めど夜に詠めども我が愚歌は型にはまらず貧し脳髄
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アカプルコの 庭に実る トマトの実は タンザニアの友に 届くだろうか
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斜に構え教室の隅したり顔わけも分からぬ 『ドグラ・マグラ』よ
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何回も何度も遅刻を繰り返し、得れた教訓 未だ残らず
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遅刻して「すみません」の言葉より、言い訳探す自分が嫌い
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職場の電話の音デカすぎる 優しく鳴ってほしいの俺だけか?
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冷麦茶ビールの代わりにゴクゴクと下戸なる体に沁みとおる
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左手に乗ったインコのジロちゃんが「オハヨ!オハヨ!」と連れてくる朝/題『左』
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白黒をつけたくない日カフェオレはミルクとコーヒー半々にする/題『半』
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一本の傘を分け合うときめきを知ってしまって雨が恋しい/題『傘』
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