清明の空はれわたる春の朝誕辰の子の髪つややかに
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背徳もあまくくちびるつぐみつつ聴くI LOVE YOU湿り気に満つ
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また明日と何の気なく別れ際に吐く無邪気さよ明けよどうか
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津のくにのなにはなくとも湯豆腐と納豆あればみちたりて生く
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日照雨そばへ過ぎいこまの山をながむればほのかにのこる虹の断片
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お陽さまの匂いがしてる君の髪 触りたいのは私だけかな
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瞳からうろこがべりと落ちてきてカスタードのたい焼きになる
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一冊の本が終わると目を閉じてこの世にもどる呪文を唱う
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缶チューハイストロングゼロ飲みながら「俺何やってんだろ」いつもの毎日
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くちびるの感触だけがかさついて外の雨音強く聞こえる
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人間はストレスフリーつまりゼロになると死ぬって本当だって
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大丈夫安心してよ嘘だから狭い部屋探し路傍の花で
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青春っていつまでだろって考えて「ずっと青春」って胸を張れます
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イヤホンの奥から聞こえる嘘だけが青春の穴をうめていたよな
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暗闇の中にちらちら見えるのはノイズと嘘とぼくの心拍
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突然のシャッターの中僕たちはフラッシュの中だけ恋をしたんだ
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ひとつだけ最後にきみに問いかける「星ってどんな味なんだろね?」
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やわらかい雫にふれてぷにと言う音の正しいでかたを聴いた
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亡き人へ 胸の痛みを捧げよう、ラヴェルの響きと祈りを添えて
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ふわわふわメレンゲ飛んだ日記には書けない秘密飲みこみながら
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あづけたる園の電話にはせゆけばちひさき額に熱さまし貼る
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火照ってる指を 貴方に押し付けたい 焼きごてのように 記憶されるため
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夢の世に身のおきどころなきままに如月やよいはやも過ぎにき
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公園でセピア色した飴舐めて胸に羽毛がひとつ刺さった
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ウォークマン電池が切れて見上げたら虹に全てを奪われてゆく
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つくり笑いも美しいひと粉々に割ったファンデーションを拾って
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とくとくと脈をうずかせ降りてゆく階段の下の檸檬目掛けて
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日々日がな小さな窓を見ていたらあなたに悲しい思いをさせた
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パンジーの香りはすれど姿なく木枯らしに乗り春を探して
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病める子のつぶらまなこにあまえれば添ひ寝せむとてエプロンはづす
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