この歌と 貴方は僕の 希望です。世界をそっと 動かすための
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古団地錆びたブランコ風に鳴く孤独死防止連絡事務所
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強者の想い散りゆき大手門のちのオフィスは勝ち組らしく
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「いまはもうぼくには会いにこないで」と筒を行き来し願うアザラシ
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現代短歌乎現代短歌を 萬葉仮名出万葉仮名で 書伊手未多書いてみた 鈍奈感自どんな感じ? 矢張辞床やっぱりやめとこ
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師走の街の 音楽Musicを 口ずさむ 人それぞれの クリスマスソング
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好物はたい焼きですと答えてた今川さんに明日も幸あれ
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高齢者施設に空きが出て入所 誰かの死せるベッドに眠りて
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しあわせになりたいというつぶやきでゆっくりしずみはじめる地球
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マンションの螺旋階段 駆けおりる人 赤信号で 見上げて笑う
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飴 チョコ 母がくれた一粒は神さまが宿る米も敵わない
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切り離す顔と中身は違うものドッキング中ふとそんな事
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(歌えない 僕は生きてる 価値がない) ……喉を折っても まだ朝が来る
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太宰とか昔の作家の知ってる感、なまなましくも神々しい線
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小寒に「天満宮へゆこうかな」実母の鶴のひと声で決めぬ
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換気してこれだこれこれこの風だ雪の匂いのこれが冬です
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冬となりバスの時間が早くなる逢えなくなって想い微分す
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ゆらゆらと羽衣なびく雪のよな笑いかたするだから好きだよ
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じいちゃんの「かぜひくなよ」のメモ書きと二千円見て泣きそうになる
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永遠に 使う機会はないだろう 能力名クローゼットを考える意味
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恋文は ガラケー時代がよかったよ ふたつに折って、畳めるからね
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見開きで 必殺技を撃ち込める 力がほしいかというと……うむ……
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涸池や底の小石に風の音空家物件御安くします
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よそゆきの 言葉を切り貼りされたとて もはや犯行予告のようよ
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試験中 耳に障った彼の咳 辛そうだってあの子は言った。
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引き千切るという動作を何処と無くあなたがするとエロく感じる
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沈黙は、厳しい冬か、死のように、貧しい庭で、無を折り畳む
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亡骸の墓苑に花をだれかしら手向けて日付けを跨いでいくの
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「輝きたい」ギラついていた白菜が土鍋の底で消し炭となる
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お豆腐が ぶつかるくらいじゃ死なないが 厚揚げはちょい、危ないかもな
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