殺せよ、と 殺してくれよと願ったが こんな形は 望んでいない
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旅人は 迷い人に 言いました。 “迷うというのはしあわせなのです。”
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誰一人 私なんか 見てくれない 見えてないのよ あなたも私も
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「フェアじゃない。ルールを変えろ、今すぐに」 「ルール決めたの、お前だろうに」
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あの時の君はまだまだ青かった 今の君では私役不足
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首に縄 掛ける前に やり返せ 復讐するのは 悪では無いさ
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今世はひとりで生きると決めたけど  グループホームはどうなんだろう
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シラサギか珍しいなと川を見る日に照らされて光るプラゴミ
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指先に残る苺の残り香で満足している君がおかしい
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魅入られた 眠りの国の女王の くちづけを ただ受け入れている
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君と目が合ってしまったこの罪は 何地獄ゆきで許されますか
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今ひとつ使い勝手のわからない脳だと私の脳は言います
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あきらめた顔して泳ぐアロワナを眺める僕ら映す水槽
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簡単に 理解わかるなどとは 言いたくない だからさよなら、『人間失格』
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ぼくたちは遠くに見える煙突に立つ煙より高く飛べない
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抜け落ちて不揃いになった背の羽根を撫でて明日はいつもの僕で
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ふわもこの やわかい寝巻きにくるまれて 「生きててよい」 と かろうじて知る
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春物の色味は僕にやわすぎて 何も透けない黒で隠して
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もう僕は 誰かの糧になるぐらいしかできないけど、それでいいのよ
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四六時中雨ざらしでも滲まない耐水性の人でありたい
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鮮やかな希贾布ヒジャブが揺れて、砕米を非洲阿姨アフリカおかんが炊きこんでいる
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たんけんたい ぞうきばやしで見つけたよ しへいのかばん はっこつしたい
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屋上に丈夫で錆びない竿ほしい一円玉 億 溶かし固めて
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言の葉は 春の光のぬくもりで 冬の終わりを告げにきました
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生という 病を希釈するための 愛とか恋という名の劇物
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まだ行ける 自分の腹に 言い聞かせ 最後の足掻き 入れジーンズ
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人嗤う “あの人本当にブスだよね。” 鏡を御覧。 アナタも同じよ。
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陽の当たる 道を歩いた はずなのに 縫い付けられた 陰と寄り添う
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剥き出しの 思いを僕にぶつけても良いと思えたなら 光栄だ
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「ひとりでは 生きていけない」 とひとりで 立ってる貴方は美しかった
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